主な開催重賞
- 京王杯スプリングカップ(G2)
- 京王杯2歳ステークス(G2)
- パラダイスS(L)/オーロC(L)/クロッカスS(L)
上記の重賞・リステッドが定番。2歳〜古馬まで幅広い世代が走る舞台です。
コース構造と特徴
左回り・外回りワンターン。向こう正面の中ほどから発走し、最初に100m弱の上り→3コーナー途中まで下り。
直線は約525.9mと長く、直線入り口から約100mで高低差2mの急坂、その後300m弱の平坦でゴール。
高低差は約2.7m。
距離の割にスタート直後が上りなためハイペースになりにくく、直線は瞬発力勝負になりやすいのが基本形。
開催進行と仮柵
A〜Dコースを使用。フルゲートはA/B/C=18頭、D=16頭。
外柵を出すにつれて内の傷みを回避しつつコーナー半径が相対的にきつくなる週もあり、内外の伸びが入れ替わることがある。
週ごとのJRA馬場発表で微調整推奨。
展開ラップ傾向
ラップの典型は「緩→急」。集計(2019–2023)では平均前半3F35.0/上がり3F34.2で後傾。
クラス別でも多くがM〜S寄り、直線の瞬発力が決め手。
タイム水準(良馬場)
- 新馬:1:24.0
- 未勝利:1:22.6
- 1勝〜3勝クラス:1:21.6〜1:20.9
- オープン:1:21.2
- 重賞:1:21.5(過去5年の良馬場・勝ち時計平均)
- 全体平均(過去5年):1:22.9
近年の京王杯SCでは1:18台の好タイムも出ている。
枠順傾向
枠順別の勝率/複勝率
- 1枠:7.4%/22.6%
- 2枠:4.1%/17.3%
- 3枠:8.2%/21.0%
- 4枠:7.1%/19.6%
- 5枠:7.0%/20.6%
- 6枠:7.1%/19.2%
- 7枠:5.1%/20.0%
- 8枠:7.3%/19.7%。
極端な内外差は小さいが内2枠はやや弱め、3〜6枠の安定と8枠の妙味が目立つ。
脚質傾向
脚質別の勝率/複勝率
- 逃げ:14.6%/35.8%
- 先行:9.3%/28.9%
- 差し:7.0%/20.8%
- 追込:2.4%/8.3%。
先行>差し>逃げ>追込の順で信頼。
逃げは数が少なくハマれば強いが総量では先行の厚み。
馬場状態別
- 良〜速い馬場:道中で溜め→直線の瞬発。先行〜差しの複勝厚め。
- 稍重〜重:位置取りの価値が相対的に上昇し、先行粘りが増える傾向。
騎手
騎手別の勝率/複勝率
- C.ルメール:28.4%/57.1%
- 戸崎圭太:15.9%/44.2%
- 田辺裕信:11.8%/35.7%
- 三浦皇成:9.6%/28.7%
- M.デムーロ:12.9%/38.7%
いずれも東京芝1400mの5年集計。
上位人気での取りこぼしが少ないルメール・戸崎が軸。
血統(父/母父/父×母父)
父
種牡馬別の勝率/複勝率
- ロードカナロア:13.3%/32.2%
- ダイワメジャー:9.2%/27.2%
- ディープインパクト:10.7%/31.1%
- ハーツクライ:9.8%/32.4%
- エピファネイア:10.4%/31.1%
マイル前後の瞬発力と持続を両立できる父が安定。
カナロアは出走量・率とも優秀。
母父
母父別の勝率/複勝率
- サンデーサイレンス:7.2%/22.8%
- ディープインパクト:8.0%/23.2%
- クロフネ:11.3%/20.1%
- ダイワメジャー:11.1%/25.4%
- フレンチデピュティ:6.3%/22.0%
母父はサンデー直系や米国型が良好。
父×母父
サンデー系/ロベルト系 × ミスプロ(Kingmambo含む)系などの「瞬発+速度」の配合がコース適性に合致しやすい傾向にある。
馬場状態別
- 良:カナロア、ディープ、エピファネイアなどスピード×瞬発型が素直。
- 稍重〜重:ダイワメジャー、スクリーンヒーローなどパワー持続型や米国型(ダンジグ系含む)へのシフトが効きやすい。
調教師
調教師別の勝率/複勝率
- 木村哲也:15.9%/44.3%
- 国枝栄:13.3%/25.6%
- 手塚貴久:12.7%/26.3%
- 斎藤誠:10.3%/31.0%
- 尾関知人:13.4%/26.9%
関東の上位厩舎が遠征負担の小ささも相まって安定している傾向。
馬主
馬主別の勝率/複勝率
- シルクR:16.5%/35.7%
- ゴドルフィン:14.3%/27.6%
- キャロットF:11.0%/28.8%
- サンデーR:13.3%/34.4%
- 東京HR:13.7%/47.1%
- ウイン:15.6%/34.4%
クラブ勢が層の厚さで安定。
個人馬主の短期参戦(藤田晋氏など)も率で目立つ。
調教師×馬主
ノーザン系(シルク/キャロット/サンデー)×美浦上位(木村・国枝・手塚)や、関西名門(友道・池江等)のスポット参戦が好走する傾向にある。
生産牧場
生産牧場別の勝率/複勝率
- ノーザンF:11.5%/30.3%
- 社台F:7.6%/25.9%
- 白老F:14.3%/28.6%
- 岡田スタッド:9.3%/25.8%
- Godolphin:16.7%/36.7%
- コスモヴューファーム:20.0%/40.0%
供給量の多いノーザン/社台が分母込みで堅実。少数精鋭の牧場(コスモヴューFなど)は妙味筋。
まとめ
- 枠:極端な差は小さめ。内2枠はやや割引、3〜6枠の安定+8枠の妙味を基本線に。
- 開催と仮柵:Dコース期はフルゲートが16に減少。週ごとの内外の傷み具合で内差し/外伸びが入れ替わる点をチェック。
- ラップ:後傾(緩→急)で直線の瞬発力が最重要。隊列と風向で前後の評価を微調整。
- 脚質:先行を軸に差しの複勝厚み。逃げは数が少ない分ハマり待ち、追込過信はNG。
- 血統:良ならロードカナロア/ディープ/エピファネイア等の瞬発型。道悪はダイワメジャーやロベルト影響(スクリーンヒーロー等)などパワー持続へ微シフト。米国質(ダンジグ系)も上位で通用。
- 騎手:府中巧者のルメール・戸崎・田辺を素直に評価。人気馬の信頼度が高い。