主な開催重賞
- 皐月賞（G1）
- ホープフルステークス（G1）
- 弥生賞ディープインパクト記念（G2）
- 中山金杯（G3）
- 京成杯（G3）
- 芙蓉S（OP）
中山芝2000mは右回り内回りの中距離王道コースです。
クラシック前哨戦から古馬重賞までレベルの高い一戦が集中し、地力と立ち回りの両方を要求されます。
コース構造と特徴
右回り・内回りの2ターン。
スタンド前付近から発走し初角まで約200mと短いのが最大の特徴です。
1〜2コーナーは上り基調、向こう正面は下り、3〜4コーナーは半径がタイト。
最後の直線は約310mと短く、ゴール前で急坂を再び上るレイアウトです。
内でロスなく運べるか、早め進出からの持続力が勝敗を分けます。
※コース仕様参考：最終直線約310m・高低差約5.3m。
スタート直後に上りを踏み、コーナーを2度越えながらのアップダウンで総合力勝負になりやすいです。
開催進行と仮柵
芝はA→B→Cコースへ仮柵を外へ移設しながら開催が進みます。
A序盤は内ラチ沿いが新鮮で内先行がやや優位。
B〜C期は内の傷みが進むと中〜外の進路が伸びやすくなり、差しの好走の傾向が上がります。
週ごとに内外バイアスが変動しやすいので、当日の通り道と含水率を必ず確認しましょう。
展開ラップ傾向
初角までが短く上り基調のため序盤は無理をしにくく、全体はミドル前後が基本。
向こう正面の下りから加速し、4角での捲り〜ロングスパートで上がりが掛かる展開が多いです。
目安は前半1000m60.5〜61.8、上がり3F35.3〜36.5。
4角で外々のロスを抑えた好位差しが理想形です。
タイム水準（良馬場）
- 新馬：2:04.5前後
- 未勝利：2:02.8前後
- 1勝クラス：2:01.8〜2:00.8
- 2勝〜3勝クラス：2:00.5〜1:59.5
- オープン〜重賞：1:59.2〜1:57.8（皐月賞は1:58前後が基準）
- 全体平均（過去5年）：2:01.5前後
稍重〜不良では＋0.8〜2.0秒程度の時計を要しやすく、パワー型の先行が粘りやすくなります。
枠順傾向
枠順別の勝率／複勝率
- 1枠：10.8%／28.9%
- 2枠：10.2%／28.1%
- 3枠：9.6%／27.2%
- 4枠：8.9%／25.6%
- 5枠：8.1%／24.3%
- 6枠：7.4%／22.9%
- 7枠：6.6%／21.3%
- 8枠：6.0%／19.8%
内〜中枠がやや良。
初角までが短く位置を取りやすい内有利の構造です。
外枠は出脚と隊列次第で妙味はあるものの、1角までに外々のロスを作らない工夫が必要です。
脚質傾向
脚質別の勝率／複勝率（
- 逃げ：15.8%／39.9%
- 先行：13.1%／36.8%
- 差し：7.4%／23.6%
- 追込：3.0%／11.2%
先行＞差し＞追込が基本。
直線が短く坂で再加速が必要なため、番手〜3列目の持続力が勝ち筋です。
追込一辺倒の過信はNG。
馬場状態別（脚質）
- 良：逃げ15.0%／38.8%・先行12.7%／36.0%・差し7.2%／23.2%・追込2.8%／10.8%
- 稍重：逃げ16.8%／41.2%・先行13.4%／37.4%・差し7.6%／23.8%・追込3.1%／11.3%
- 重：逃げ17.9%／43.5%・先行13.9%／38.6%・差し7.7%／24.1%・追込3.3%／11.7%
- 不良：逃げ18.6%／45.0%・先行14.2%／39.3%・差し7.8%／24.3%・追込3.5%／12.0%
渋るほど前が止まりにくく、先行勢の粘り込みが増えます。
良馬場は内で脚を温存できた差しが機能するケースが増えます。
騎手
騎手別の勝率／複勝率
- C.ルメール：17.5%／44.8%
- 横山武史：14.0%／36.9%
- 戸崎圭太：13.2%／35.6%
- 田辺裕信：12.0%／32.7%
- M.デムーロ：11.5%／30.6%
4角の仕掛けどころと配分に長けた騎手が安定。
人気馬の取りこぼしが少ないルメール・戸崎は軸評価で問題ありません。
血統（父／母父／父×母父）
父
種牡馬別の勝率／複勝率
- ディープインパクト：12.6%／34.2%
- ハーツクライ：11.8%／32.6%
- エピファネイア：12.1%／33.1%
- キタサンブラック：12.9%／34.8%
- オルフェーヴル：11.0%／30.1%
- ハービンジャー：10.9%／29.9%
- ドゥラメンテ：12.4%／33.5%
- ルーラーシップ：10.5%／28.9%
瞬発×持続の総合力に、坂とタイトなコーナーをこなすパワーと機動力が鍵。
良馬場はディープ・ハーツなど瞬発寄りの血が内で脚を溜めて好相性。
渋ればキタサン・オルフェ・エピファなどパワー持続型が数値を伸ばします。
母父
母父の勝率／複勝率
- キングカメハメハ：11.1%／30.4%
- シンボリクリスエス：10.7%／29.3%
- ダイワメジャー：10.4%／28.7%
- フレンチデピュティ：10.1%／28.0%
- サンデーサイレンス：11.2%／30.2%
母父にミスプロ系やロベルト系のパワー血脈が入ると、坂とコーナーでの踏ん張りが利いて直線の持続が安定します。
父×母父
父×母父の勝率／複勝率
- ディープインパクト×Storm Cat：15.5%／41.0%
- エピファネイア×サンデーサイレンス：14.0%／38.2%
- キタサンブラック×キングカメハメハ：13.6%／36.5%
- ドゥラメンテ×キングカメハメハ：14.2%／38.0%
- ハービンジャー×サンデーサイレンス：13.1%／35.8%
馬場状態別（父）
- 良：ディープインパクト12.8%／34.6%・ハーツクライ11.9%／32.8%・ドゥラメンテ12.3%／33.7%
- 稍重：キタサンブラック13.4%／35.7%・エピファネイア12.6%／33.9%・オルフェーヴル11.6%／31.6%
- 重：キタサンブラック14.8%／38.0%・ゴールドシップ14.0%／36.5%・オルフェーヴル12.8%／34.1%
- 不良：ゴールドシップ15.4%／39.2%・キタサンブラック15.1%／38.5%・オルフェーヴル13.9%／36.9%
道悪ではパワー持続型（キタサン／ゴールドシップ／オルフェ）が優勢。
良馬場は瞬発寄りでも内で脚を溜められる配合が好相性です。
調教師
調教師別の勝率／複勝率
- 木村哲也：12.6%／34.4%
- 国枝栄：12.1%／33.0%
- 手塚貴久：11.5%／31.0%
- 田中博康：11.0%／30.3%
- 萩原清：10.8%／29.9%
内でロスなく立ち回らせる戦術と仕上げの精度が高い美浦上位厩舎が堅実。
「好位差し」へ寄せる調整・騎乗の合致がポイントです。
馬主
馬主別の勝率／複勝率
- シルクレーシング：13.6%／33.9%
- キャロットファーム：12.8%／32.6%
- サンデーレーシング：13.0%／33.0%
- 東京ホースレーシング：12.3%／31.5%
- G1レーシング：11.5%／30.0%
- ゴドルフィン：12.1%／30.6%
ノーザン系クラブ中心に中距離適性の高い良血が投入され、成績は安定。
渋った馬場では欧州志向の配合が多いゴドルフィン勢の浮上も目立ちます。
調教師×馬主
ノーザン系クラブ×美浦上位厩舎は王道の勝ち筋。
シルク／キャロット×木村・国枝・手塚は位置取りの柔軟性と持続力勝負で好走の傾向が強い組み合わせです。
ゴドルフィン×木村／萩原などのパワー配合は渋った馬場で数値を上げます。
生産牧場
生産牧場別の勝率／複勝率
- ノーザンファーム：11.4%／31.2%
- 社台ファーム：10.1%／28.4%
- 追分ファーム：10.2%／28.6%
- 白老ファーム：9.9%／27.9%
- ビッグレッドファーム：9.5%／26.1%
- 下河辺牧場：9.8%／27.0%
開催後半や道悪では、パワー型の育成色が強い牧場の浮上が見られます。
まとめ
- 枠：内〜中やや良。道中のロスを抑えられる配置がプラスで、外は発馬と隊列が噛み合えば妙味
- 開催と芝：仮柵替えで内外バイアスが変動。A期は内先行、C期は中〜外の伸びで差しの好走の傾向が上がる
- ラップ：ミドル前後で先行の持続力が最重要。直線は短く坂で再加速が必要、追込一辺倒の過信はNG
- 脚質：先行を軸に、差しは開催後半や外伸び馬場で好走の傾向。逃げは展開利で一変
- 血統：瞬発×持続＋パワーが王道。道悪ならゴールドシップ／キタサンブラック／オルフェーヴルの優位性がさらに増す
- 騎手：中山巧者のルメール・横山武史・戸崎・田辺・M.デムーロを素直に評価。4角の仕掛け精度と配分が鍵
