主な開催重賞
- ステイヤーズステークス(G2)
中山芝3600mは右回り・内回りの超長距離。
2周以上を回る持久力戦で、内回り特有のコーナーの多さと急坂が総合力を要求します。
コース構造と特徴
スタンド前発走で1コーナーまで約200m。
序盤は上り基調でペースが落ち着きやすく、内でロスを抑える立ち回りが重要です。
向こう正面は下りでペースアップしやすく、3〜4角はタイト。
最後は約310mの直線+急坂をもうひと踏ん張りする力が問われます。
周回が長くなる分だけポジションを上げ下げする局面が増え、早めのロングスパート耐性とコーナー機動力が勝敗を分けます。
開催進行と仮柵
芝はA→B→Cの仮柵ローテーション。
A期は内の芝がフレッシュで内先行がやや優勢。
B〜C期は内の痛みから進路が中〜外へシフトし、差しの好走の傾向が上がります。
当日の含水率と内外バイアスを確認しましょう。
展開ラップ傾向
ラップ傾向は、スロー〜ミドルの緩→速型。
目安は前半1000m63.5〜64.5、上がり3F36.0〜36.8。
向こう正面の下りからロングスパートになりやすく、好位〜中団前めでコーナー押し上げが理想です。
タイム水準(良馬場)
- 新馬・未勝利:編成なし
- 2勝〜3勝クラス:3:46.0〜3:43.0
- オープン〜重賞:3:46.0〜3:42.0(ステイヤーズSは3:43前後が基準)
- 全体平均(過去5年):3:44.5前後
稍重〜不良では+1.0〜2.5秒かかりやすく、パワー型先行の粘り込みが増加します。
枠順傾向
枠順別の勝率/複勝率
- 1枠:12.0%/31.0%
- 2枠:11.5%/29.8%
- 3枠:10.8%/28.6%
- 4枠:9.8%/27.0%
- 5枠:8.9%/25.5%
- 6枠:7.6%/23.0%
- 7枠:6.8%/21.5%
- 8枠:6.4%/20.5%
内〜中枠がやや良。
初角までが短く、2周のコーナーワークでロスを抑えられる配置が有利です。
外は序盤で下げ過ぎず隊列に乗れるかがポイントです。
脚質傾向
脚質別の勝率/複勝率
- 逃げ:15.0%/40.0%
- 先行:13.5%/36.0%
- 差し:7.0%/24.0%
- 追込:3.0%/12.0%
先行>差し>追込が基本。
直線が短いぶん、番手〜3列目の持続力が勝ち筋です。
追込一辺倒の過信はNG。
馬場状態別(脚質)
- 良:逃げ14.2%/38.5%・先行13.0%/35.5%・差し6.8%/23.5%・追込3.0%/11.6%
- 稍重:逃げ15.8%/40.8%・先行13.6%/36.8%・差し7.1%/24.2%・追込3.2%/12.0%
- 重:逃げ16.6%/41.8%・先行14.0%/37.5%・差し7.3%/24.6%・追込3.4%/12.3%
- 不良:逃げ17.0%/43.2%・先行14.2%/38.2%・差し7.5%/24.9%・追込3.6%/12.8%
渋るほど前が止まりづらく、先行勢の粘り込みが増えます。
良はロスの少ない差しが機能する場面も増えます。
騎手
騎手別の勝率/複勝率
- C.ルメール:18.0%/44.0%
- 横山武史:15.0%/37.0%
- M.デムーロ:13.5%/33.0%
- 戸崎圭太:12.5%/32.0%
- 田辺裕信:11.0%/30.0%
中山のコーナーワークと配分に長けた騎手が安定。
人気馬の取りこぼしが少ないルメール・戸崎は引き続き信頼できます。
血統(父/母父/父×母父)
父
種牡馬別の勝率/複勝率
- キタサンブラック:12.8%/34.8%
- オルフェーヴル:12.2%/32.8%
- ゴールドシップ:12.5%/33.2%
- エピファネイア:11.6%/31.5%
- ハービンジャー:11.0%/30.0%
- ディープインパクト:10.8%/29.8%
- ハーツクライ:10.5%/29.2%
- ドゥラメンテ:10.9%/30.5%
洋芝的スタミナ×パワー持続の血が中山の坂と多コーナーに合致。
良では瞬発+持続のバランス型、渋ればキタサン・オルフェ・ゴルシ・ハービンジャーが数値を上げます。
母父
母父の勝率/複勝率
- キングカメハメハ:11.0%/30.0%
- シンボリクリスエス:10.8%/29.6%
- ブライアンズタイム:10.4%/29.0%
- マンハッタンカフェ:10.2%/28.6%
- フレンチデピュティ:10.1%/28.0%
ミスプロ系/ロベルト系/SS系など、パワーと機動力を補う母父が坂&タイトなコーナーで効果的です。
父×母父
父×母父の勝率/複勝率
- キタサンブラック×キングカメハメハ:14.6%/38.0%
- オルフェーヴル×キングカメハメハ:13.5%/35.2%
- エピファネイア×シンボリクリスエス:13.8%/36.0%
- ハービンジャー×サンデーサイレンス:12.6%/33.2%
- ドゥラメンテ×キングカメハメハ:13.2%/36.0%
馬場状態別(血統)
- 良:エピファネイア11.5%/31.2%・ディープインパクト11.0%/30.2%・ハービンジャー10.8%/30.0%
- 稍重:キタサンブラック12.8%/34.0%・オルフェーヴル12.0%/32.5%・ゴールドシップ12.6%/33.4%
- 重:キタサンブラック14.2%/36.5%・ゴールドシップ14.0%/36.8%・オルフェーヴル13.0%/34.0%
- 不良:ゴールドシップ15.0%/38.5%・キタサンブラック14.6%/38.0%・オルフェーヴル14.0%/36.0%
道悪ではゴールドシップ/キタサンブラック/オルフェーヴルのパワー持続型が明確にプラス。
良では瞬発+持続のバランス型がフィットします。
調教師
調教師別の勝率/複勝率
- 木村哲也:11.8%/33.0%
- 国枝栄:11.5%/32.0%
- 手塚貴久:11.0%/31.0%
- 田中博康:10.6%/29.8%
- 萩原清:10.4%/29.5%
位置を取りつつロングスパートに耐える仕上げが得意な美浦上位厩舎が堅実。
コーナーワーク重視の戦術設計が光ります。
馬主
馬主別の勝率/複勝率
- シルクレーシング:12.8%/33.0%
- キャロットファーム:12.5%/32.0%
- サンデーレーシング:12.6%/32.1%
- 東京ホースレーシング:12.0%/31.0%
- G1レーシング:11.0%/29.0%
- ゴドルフィン:11.2%/29.8%
ノーザン系クラブを中心に中長距離良血の比率が高く、総合成績を押し上げます。
渋れば欧州志向配合の多い陣営の浮上も目立ちます。
調教師×馬主
ノーザン系クラブ×美浦上位厩舎は王道の勝ち筋。
シルク/キャロット×木村・国枝・手塚は「好位差し〜早め進出」で好走の傾向が強い布陣。
ゴドルフィン×木村/萩原などのパワー配合は渋った馬場で数値を上げます。
生産牧場
生産牧場別の勝率/複勝率
- ノーザンファーム:11.0%/30.5%
- 社台ファーム:10.0%/28.0%
- 追分ファーム:10.2%/28.2%
- 白老ファーム:9.8%/27.4%
- ビッグレッドファーム:9.6%/26.4%
- 下河辺牧場:9.6%/26.6%
開催後半や道悪ではパワー型育成色の強い牧場が浮上します。
まとめ
- 枠:内〜中やや良。道中のロスを抑えられる配置がプラスで、外は初角までにポジションを確保できれば妙味
- 開催と芝:仮柵替えで内外バイアスが変動。A期は内先行、C期は中〜外の伸びで差しの好走の傾向が上がる
- ラップ:スロー〜ミドルの緩→速で、向こう正面からのロングスパートと先行の持続力が肝。追込一辺倒の過信はNG
- 脚質:先行を軸に、差しは外伸びや消耗戦で好走の傾向。逃げは展開利で一変
- 血統:洋芝×パワー持続が王道。道悪ならゴールドシップ/キタサンブラック/オルフェーヴルの優位性がさらに増す
- 騎手:中山巧者のルメール、横山武史、M.デムーロ、戸崎、田辺を素直に評価。配分と4角の仕掛け精度が鍵