主な開催重賞
- フェブラリーステークス(G1)
- 武蔵野ステークス(G3)
- ユニコーンステークス(G3)
東京ダート1600mはダートマイルの中心です。
年度の頂点であるフェブラリーSに加え、秋の武蔵野S、3歳春のユニコーンSなどマイル巧者の出世舞台が揃います。
コース構造と特徴
左回り・ダートのワンターン、芝スタート(約150〜170m)からダートへ合流して向こう正面を進み、3〜4コーナーを回って直線へ。
直線は約500mと長く、ラストは緩い上り。
スタート直後は芝でスピードに乗りやすい一方、ダート合流の砂圧で減速が起こりやすく、先行力+持続力の総合力を要求します。
開催進行と仮柵
ダートコースは仮柵の設定なし。
週ごとの含水率・砂厚・路盤整備で内外の有利不利が変動します。
雨後は時計短縮と内先行の粘りが強まり、乾燥が進むと外差しの好走の傾向が出やすくなります。
当日の含水率と直前の降雨は必ずチェックしましょう。
展開ラップ傾向
ラップ傾向は前傾(速→緩)、前半3F35.8〜36.2/上がり3F37.3〜37.8が目安でテンが速くなって直線は持続力勝負になりやすいです。
含水率が高い日は前半がさらに速まり、先行勢がレースを支配しやすくなります。
タイム水準(良馬場)
- 新馬:1:39.5前後
- 未勝利:1:38.4前後
- 1勝クラス:1:37.8〜1:37.3
- 2勝〜3勝クラス:1:37.2〜1:36.6
- オープン:1:36.5前後
- 重賞:1:35.9前後
- 全体平均(過去5年):1:38.0前後
稍重〜不良では1秒以上短縮が入りやすく、前半の短縮幅が大きくなります。
枠順傾向
枠順別の勝率/複勝率
- 1枠:9.2%/25.0%
- 2枠:8.8%/23.8%
- 3枠:8.4%/22.5%
- 4枠:7.9%/21.5%
- 5枠:7.5%/20.8%
- 6枠:6.8%/19.5%
- 7枠:6.3%/18.8%
- 8枠:5.9%/17.5%
内〜中枠がやや良。
芝スタートでスムーズに加速でき、合流後の被砂を受けにくい位置を取りやすい点がプラスです。
外枠は発馬とペースの噛み合いで妙味はありますが、コーナー外々のロスに注意。
脚質傾向
脚質別の勝率/複勝率
- 逃げ:14.0%/38.0%
- 先行:11.5%/33.0%
- 差し:6.8%/20.5%
- 追込:2.6%/8.8%
先行>差し>追込の序列が基本。
直線は長いものの、追込一辺倒の過信はNGで、番手〜3列目からの持続力が勝ち筋です。
馬場状態別
- 良:逃げ13.0%/36.0%・先行10.8%/31.5%・差し6.5%/19.8%・追込2.3%/8.0%
- 稍重:逃げ15.8%/40.5%・先行12.6%/34.8%・差し6.9%/20.6%・追込2.5%/8.6%
- 重:逃げ17.8%/44.0%・先行13.8%/36.8%・差し7.2%/21.2%・追込2.8%/9.0%
- 不良:逃げ19.5%/47.5%・先行15.2%/38.8%・差し7.0%/21.0%・追込3.0%/9.5%
含水率が高いほど先行勢の粘りが増し、良では差しの好走の傾向がやや上がります。
騎手
騎手別の勝率/複勝率
- C.ルメール:18.8%/45.0%
- 戸崎圭太:15.0%/39.0%
- 田辺裕信:12.0%/33.5%
- 三浦皇成:10.2%/28.0%
- 横山武史:11.0%/30.2%
芝スタートを活かす発馬と道中の配分が上手い騎手が堅実。
人気馬の取りこぼしが少ないルメール・戸崎は軸に据えやすいです。
血統(父/母父/父×母父)
父
種牡馬別の勝率/複勝率
- ヘニーヒューズ:12.8%/33.5%
- ドレフォン:13.2%/35.8%
- ゴールドアリュール:11.5%/30.2%
- パイロ:10.6%/29.4%
- シニスターミニスター:10.2%/28.6%
- マジェスティックウォリアー:10.8%/29.8%
米国ダート×スピード持続が王道。
先行して長く脚を使える血が当コースの好走の傾向に合致します。
母父
母父の勝率/複勝率
- キングカメハメハ:10.2%/28.8%
- フレンチデピュティ:10.5%/29.6%
- クロフネ:9.6%/27.5%
- アグネスデジタル:10.0%/28.0%
- エーピーインディ系(Pulpit等):9.8%/27.2%
父が米国型の場合、母父にミスプロ系/ND系など速度血脈を配すると直線の持続が安定。
日本型ではゴールドアリュールの底力継承もプラスです。
父×母父
父×母父の勝率/複勝率
- ヘニーヒューズ×キングカメハメハ:16.5%/41.0%
- ドレフォン×フレンチデピュティ:16.0%/40.0%
- パイロ×クロフネ:12.0%/33.0%
- ゴールドアリュール×アグネスデジタル:11.2%/31.5%
馬場状態別(
- 良:ヘニーヒューズ12.2%/32.5%・ドレフォン12.5%/34.0%・ゴールドアリュール10.8%/29.5%
- 稍重:ドレフォン14.5%/37.8%・マジェスティックウォリアー12.8%/33.5%・ヘニーヒューズ13.0%/35.2%
- 重:ヘニーヒューズ15.8%/39.0%・ドレフォン16.0%/40.0%・パイロ12.0%/32.0%
- 不良:マジェスティックウォリアー17.0%/41.5%・ヘニーヒューズ16.8%/40.8%・ドレフォン16.2%/40.2%
含水率が高いほど米国ダート×パワー持続の優位性が増します。
先行できる血の信頼度がさらに高まります。
調教師
調教師別の勝率/複勝率
- 萩原清:12.8%/33.8%
- 林徹:12.2%/32.8%
- 田中博康:11.6%/31.2%
- 宮田敬介:11.2%/30.5%
- 大竹正博:10.8%/29.6%
先行力を引き出す仕上げと輸送管理が安定した美浦上位厩舎が堅実。
ダート適性の見極めとローテが巧い陣営を評価します。
馬主
馬主別の勝率/複勝率
- シルクレーシング:14.0%/34.5%
- ゴドルフィン:13.6%/32.0%
- キャロットファーム:12.0%/30.5%
- サンデーレーシング:12.5%/31.0%
- 東京ホースレーシング:12.8%/32.0%
- G1レーシング:11.0%/28.8%
クラブ勢の分母とダート短距離〜マイル適性馬の投入で勝ち上がりがスムーズ。
米国型血統に強いゴドルフィンは時計短縮時に存在感が増します。
調教師×馬主
ノーザン系クラブ×美浦上位厩舎は王道の勝ち筋。
先行策を徹底できる布陣(例:シルク/キャロット×萩原・林・田中博)や、ゴドルフィン×宮田/大竹は当舞台で好走の傾向が強いです。
生産牧場
生産牧場別の勝率/複勝率
- ノーザンファーム:10.8%/28.5%
- 社台ファーム:8.8%/25.0%
- ダーレー・ジャパンF:13.8%/32.8%
- 三嶋牧場:11.2%/29.0%
- 千代田牧場:10.0%/27.0%
- 新冠橋本牧場:11.8%/28.0%
米国型配合の比率が高い牧場は道悪・高速ダートで強みを発揮します。
まとめ
- 枠:内〜中やや良。芝スタートからダート合流までにロスを抑えやすい配置がプラス。外は展開と発馬が噛み合えば妙味
- 開催と砂:仮柵の影響はなく、含水率と砂厚が鍵。雨後は内先行の粘りが増し、乾けば外差しの好走の傾向が出やすい
- ラップ:前傾で先行の持続力が最重要。直線は長いが追込一辺倒の過信はNG
- 脚質:先行を軸に、差しは展開次第で好走の傾向。逃げは展開利で一変
- 血統:米国ダート×パワー持続が王道。道悪ならヘニーヒューズ/ドレフォン/マジェスティックウォリアーなど含水率に強い血の優位がさらに増す
- 騎手:府中ダート巧者のルメール・戸崎・田辺・横山武史を素直に評価。人気馬の信頼度が高い