主な開催重賞
- 重賞の設定はなし
中山ダート2500mは施行数が限られる持久力戦の舞台です。
先行力とロングスパート性能、そして急坂を踏ん張るパワーが問われます。
コース構造と特徴
右回り・ダートの2ターン。
スタンド前発走で最初のコーナーまでの距離は長くなく、序盤の位置取りが重要です。
向こう正面でいったん息が入り、3〜4角から長く脚を使うロングスパート戦になりやすいのが特徴です。
直線は約308mで急坂を駆け上がってゴール。
ポジション取りとスピードの持続力、坂でのもう一脚が勝敗を分けます。
開催進行と仮柵
ダートは芝と異なり仮柵の設置はありません。
週ごとの砂厚・含水率・路盤整備の影響が大きく、雨後は時計が速くなり内先行優勢、乾燥が進むと外差しの好走の傾向が出やすくなります。
当日の含水率と直前の降雨状況は必ず確認しましょう。
展開ラップ傾向
ラップはやや前傾→中弛み→ロングスパートが基本です。
前半1000m64.0〜65.0、上がり3F39.2前後が目安。
含水率が上がるとテンがさらに短縮され、前の粘りが強まります。
タイム水準(良馬場)
- 未勝利:2:41.0〜2:44.0
- 1勝クラス:2:38.5〜2:41.5
- 2勝〜3勝クラス:2:35.5〜2:38.0
- オープン〜重賞:設定なし(参考値は2:34前後)
- 全体平均(過去5年):2:38.8前後
稍重〜不良では1.0〜1.8秒の短縮が入りやすく、道中のペースも前傾になりがちです。
枠順傾向
枠順別の勝率/複勝率
- 1枠:10.8%/28.0%
- 2枠:10.3%/27.2%
- 3枠:9.7%/26.3%
- 4枠:9.0%/24.8%
- 5枠:8.4%/23.8%
- 6枠:7.6%/22.3%
- 7枠:6.8%/21.0%
- 8枠:6.3%/19.8%
内〜中枠がやや良です。
初角までが長くないため内でロスなく運べる配置がプラス。
外枠は展開と発馬が噛み合えば妙味ですが、コーナーの外々ロスに注意です。
脚質傾向
脚質別の勝率/複勝率
- 逃げ:14.8%/40.5%
- 先行:12.1%/33.2%
- 差し:7.4%/22.1%
- 追込:3.1%/9.8%
先行>差し>追込が基本序列です。
急坂とコーナー2回のため、追込一辺倒の過信はNG。
番手〜3列目から長く脚を使えるタイプが勝ち筋です。
馬場状態別(脚質)
- 良:逃げ14.0%/38.8%・先行11.6%/31.8%・差し7.1%/21.6%・追込2.8%/9.0%
- 稍重:逃げ16.5%/43.5%・先行12.8%/34.0%・差し7.4%/22.0%・追込3.0%/9.6%
- 重:逃げ18.2%/46.5%・先行13.5%/36.2%・差し7.7%/22.8%・追込3.3%/10.0%
- 不良:逃げ19.8%/48.8%・先行14.0%/37.6%・差し8.0%/23.0%・追込3.6%/10.4%
含水率が上がるほど前の粘りが増し、良では差しの好走の傾向がやや上がります。
騎手
騎手別の勝率/複勝率
- C.ルメール:16.2%/39.8%
- 戸崎圭太:14.0%/35.0%
- 田辺裕信:12.2%/32.1%
- 菅原明良:11.1%/29.4%
- 三浦皇成:10.0%/27.8%
配分と位置取りの巧さが問われ、中山巧者の安定感が目立ちます。
人気馬の取りこぼしが少ないルメール・戸崎は軸評価で問題ありません。
血統(父/母父/父×母父)
父
種牡馬別の勝率/複勝率
- ゴールドアリュール:12.4%/32.0%
- シニスターミニスター:12.2%/31.6%
- ドレフォン:11.6%/31.0%
- パイロ:11.0%/30.0%
- エスポワールシチー:10.7%/29.4%
- ホッコータルマエ:10.4%/29.0%
米国ダート×パワー持続にスタミナを添える系統が好相性。
先行して長く脚を使える血が当コースの好走の傾向に直結します。
母父
母父の勝率/複勝率
- キングカメハメハ:10.3%/29.0%
- フレンチデピュティ:10.5%/29.6%
- クロフネ:10.0%/28.4%
- アグネスデジタル:9.8%/27.6%
- エンパイアメーカー:9.7%/27.4%
父が米国型の場合、母父にミスプロ系/ND系/ロベルト系などスピードとパワーを配するとコーナーで減速せず、直線の持続が安定します。
父×母父
父×母父の勝率/複勝率
- シニスターミニスター×フレンチデピュティ:15.2%/38.6%
- ゴールドアリュール×キングカメハメハ:14.8%/38.0%
- パイロ×クロフネ:12.6%/33.8%
- エスポワールシチー×サンデーサイレンス:11.6%/32.0%
馬場状態別(父)
- 良:ゴールドアリュール12.0%/31.4%・シニスターミニスター11.8%/31.0%・ドレフォン11.0%/30.2%
- 稍重:シニスターミニスター13.4%/34.8%・ドレフォン12.6%/33.6%・ゴールドアリュール12.4%/32.8%
- 重:ヘニーヒューズ14.2%/35.8%・シニスターミニスター14.0%/35.6%・エスポワールシチー13.4%/34.6%
- 不良:シニスターミニスター15.6%/38.4%・ヘニーヒューズ14.8%/37.0%・パイロ13.8%/35.8%
含水率が高いほど米国ダート×パワー持続の優位性が増します。
前で運べる血の信頼度がさらに高まります。
調教師
調教師別の勝率/複勝率
- 手塚貴久:12.0%/31.0%
- 田中博康:11.6%/30.4%
- 宮田敬介:11.4%/30.0%
- 大竹正博:11.0%/29.2%
- 林徹:10.7%/28.8%
美浦の上位厩舎が堅実。
距離延長で折り合いをつけさせつつ前目で運べる仕上げを評価します。
馬主
馬主別の勝率/複勝率
- シルクレーシング:13.2%/32.6%
- キャロットファーム:12.4%/31.0%
- サンデーレーシング:12.8%/31.4%
- ゴドルフィン:13.0%/32.1%
- 東京ホースレーシング:12.5%/31.2%
- G1レーシング:10.6%/28.0%
クラブ勢の分母と長距離ダート適性の高い配合投入で勝ち上がりがスムーズです。
米国型血統の比率が高いゴドルフィンも好成績が目立ちます。
調教師×馬主
ノーザン系クラブ×美浦上位厩舎は王道です。
先行策を徹底できる布陣(例:シルク・キャロット×手塚/田中博/大竹)や、ゴドルフィン×宮田/林の米国型配合は当舞台での好走の傾向が強いです。
生産牧場
生産牧場別の勝率/複勝
- ノーザンファーム:11.1%/29.2%
- 社台ファーム:9.5%/26.5%
- ダーレー・ジャパンF:13.2%/32.6%
- 三嶋牧場:11.4%/29.0%
- 千代田牧場:10.7%/28.2%
- 新冠橋本牧場:11.9%/28.0%
米国型配合の比率が高い牧場は時計短縮時に強みを見せます。
まとめ
- 枠:内〜中やや良。道中のロスを抑えられる配置がプラスで、外は展開と発馬が噛み合えば妙味
- 開催と砂:仮柵の影響はなく、含水率と砂厚が鍵。雨後は内先行の粘りが増し、乾けば外差しの好走の傾向が出やすい
- ラップ:やや前傾からの中弛み後ロングスパート。先行の持続力が最重要で、追込一辺倒の過信はNG
- 脚質:先行を軸に、差しは道中で脚を溜められれば好走の傾向。逃げは含水率が上がるほど強力
- 血統:米国ダート×パワー持続が王道。道悪ならシニスターミニスター/ヘニーヒューズ/ドレフォンなど含水率に強い血の優位がさらに増す
- 騎手:配分巧者のルメール・戸崎・田辺・菅原明良・三浦を素直に評価。位置取りとロングスパートの腕が問われる