主な開催重賞
- セントウルステークス（G2）
阪神芝1200mは内回りのスプリント舞台で、直線に急坂を擁するのが最大の特徴です。
テンは速くなりやすい一方、最後に脚が上がりやすくスピードの持続力と坂での踏ん張りが問われます。
コース構造と特徴
右回り・芝内回りの２ターンコース。
向こう正面奥のポケットからスタートし、最初のコーナーまでの距離は約300m前後で長くはありません。
3〜4角はタイトで、直線は約356mと短めながら高低差約1.8mの急坂が待ち受けます。
前半は速く入りやすいがラスト1Fで減速するため、好位から長く脚を使えるタイプが最も合います。
開催進行と仮柵
芝はA→B→Cの仮柵替えで開催され、内の傷み具合が隊列と伸びどころに直結します。
Aコース序盤は内先行が狙いやすく、内が荒れると差しの好走の傾向が上がって外目が伸びます。
雨後は内ラチ沿いのグリップが効けば内先行、内が緩むと外差しが台頭という読み替えが必要です。
当日の含水率と直前の降雨、仮柵位置は必ずチェックしましょう。
展開ラップ傾向
ラップ傾向は前傾（速→緩）です。
前半3F33.9〜34.3、上がり3F35.0〜35.6が目安で、前がやや苦しくなる展開が多いです。
道中で息が入りにくく、直線の急坂で減速するため、単純な瞬発力よりもトップスピードの持続とパワーが重要です。
稍重以上では前半が少し緩み、隊列が凝縮して直線での進路取りが勝敗に直結します。
タイム水準（良馬場）
- 新馬・未勝利：1:10.8〜1:09.8
- 1勝クラス：1:10.2〜1:09.0
- 2勝クラス：1:09.4〜1:08.6
- 3勝クラス：1:09.0〜1:08.0
- オープン〜重賞：1:08.0〜1:07.2（セントウルSは1:07台が基準）
- 全体平均（過去5年）：1:09.6前後
稍重〜不良では0.5〜1.5秒程度時計が掛かる傾向で、特にラスト1Fの失速が大きくなります。
枠順傾向
枠順別の勝率／複勝率
- 1枠：9.8%／25.8%
- 2枠：9.5%／25.2%
- 3枠：9.0%／24.6%
- 4枠：8.6%／23.8%
- 5枠：8.1%／22.8%
- 6枠：7.6%／21.6%
- 7枠：7.2%／20.8%
- 8枠：6.8%／19.5%
内〜中枠がやや良です。
最初のコーナーまでが長くないため、内でロスなく立ち回れる利が大きいです。
外枠はスタートと展開が噛み合えば妙味ですが、3〜4角で外々を回すロスが課題です。
脚質傾向
脚質別の勝率／複勝率
- 逃げ：19.0%／43.0%
- 先行：13.2%／34.8%
- 差し：7.4%／22.4%
- 追込：3.0%／9.8%
先行＞差し＞追込が基本です。
直線が短く急坂で減速するため、追込一辺倒の過信はNG。
番手〜3列目から早め進出し、持続させる脚が勝ち筋です。
馬場状態別（脚質）
- 良：逃げ18.0%／41.5%・先行12.8%／33.8%・差し7.2%／22.0%・追込2.8%／9.4%
- 稍重：逃げ19.6%／44.8%・先行13.5%／35.5%・差し7.4%／22.6%・追込3.0%／9.8%
- 重：逃げ20.8%／47.2%・先行14.4%／37.8%・差し7.6%／23.0%・追込3.2%／10.2%
- 不良：逃げ22.0%／49.5%・先行15.2%／39.5%・差し7.5%／23.2%・追込3.4%／10.5%
含水率が高いほど先行勢が粘り込みやすく、良では差しの好走の傾向がやや上がります。
騎手
騎手別の勝率／複勝率
- 川田将雅：17.5%／43.0%
- 松山弘平：14.0%／35.0%
- 坂井瑠星：12.6%／31.2%
- 岩田望来：11.2%／29.0%
- 団野大成：10.4%／27.8%
位置取りの主導権を取り、配分も巧い関西勢が安定します。
人気馬の取りこぼしが少ない川田・松山は軸評価で問題ありません。
血統（父／母父／父×母父）
父
種牡馬別の勝率／複勝率
- ロードカナロア：13.8%／34.6%
- ミッキーアイル：13.0%／33.2%
- キンシャサノキセキ：12.2%／31.0%
- ダイワメジャー：11.6%／30.2%
- モーリス：10.4%／28.6%
- ビッグアーサー：10.2%／28.0%
短距離スピード×持続が王道です。
前半の行き脚と坂でのパワーを兼備する血が好走の傾向に合致します。
母父
母父の勝率／複勝率
- サクラバクシンオー：11.8%／31.0%
- キングカメハメハ：10.8%／29.5%
- フレンチデピュティ：10.6%／29.0%
- フジキセキ：10.2%／28.6%
- クロフネ：9.8%／27.8%
父がスピード型の場合、母父にミスプロ系／ND系／バクシンオーなどの短距離血脈を配すると立ち回りの安定感が増します。
父×母父
父×母父の勝率／複勝率
- ロードカナロア×サクラバクシンオー：16.5%／41.2%
- ミッキーアイル×キングカメハメハ：15.8%／39.5%
- キンシャサノキセキ×フレンチデピュティ：14.2%／36.8%
- ダイワメジャー×サクラバクシンオー：13.6%／35.0%
馬場状態別（父）
- 良：ロードカナロア13.2%／33.5%・ミッキーアイル12.6%／32.6%・キンシャサノキセキ11.8%／30.2%
- 稍重：ダイワメジャー12.8%／33.8%・キンシャサノキセキ12.4%／32.8%・ロードカナロア12.0%／31.5%
- 重：キンシャサノキセキ13.8%／35.8%・ダイワメジャー13.2%／35.0%・モーリス11.8%／31.2%
- 不良：ダイワメジャー14.5%／37.2%・キンシャサノキセキ14.0%／36.5%・ロードカナロア12.8%／33.0%
含水率が上がるほどパワー型スピード血統の優位が増し、良ではカナロア・ミッキーアイル系のスピード持続が安定します。
調教師
調教師別の勝率／複勝率
- 中内田充正：12.8%／33.0%
- 高野友和：12.2%／31.6%
- 安田隆行：11.8%／30.8%
- 西村真幸：11.0%／29.6%
- 音無秀孝：10.6%／28.8%
スプリント仕上げに長けた関西上位厩舎が堅実です。
先行力を引き出しつつ坂で止まらない配分の厩舎を高評価とします。
馬主
馬主別の勝率／複勝率
- サンデーレーシング：13.8%／33.0%
- キャロットファーム：12.8%／31.2%
- シルクレーシング：12.6%／31.0%
- ゴドルフィン：12.2%／30.2%
- ロードホースクラブ：11.6%／29.0%
- G1レーシング：11.0%／28.4%
クラブ勢の分母とスプリント適性の高い配合で、安定した好走の傾向を示します。
ゴドルフィンは馬場が渋った週でも大崩れが少ないのが特徴です。
調教師×馬主
ノーザン系クラブ×関西上位厩舎が王道です。
サンデー・キャロット×中内田／高野、ロードHC×安田隆行などは当舞台で好走の傾向が強い組み合わせです。
生産牧場
生産牧場別の勝率／複勝率
- ノーザンファーム：11.0%／29.0%
- 社台ファーム：9.2%／26.0%
- ケイアイファーム：12.2%／30.5%
- 三嶋牧場：11.4%／29.2%
- 千代田牧場：10.6%／28.0%
- ダーレー・ジャパンF：12.0%／30.0%
スプリント適性の高い配合を多く送り出す牧場は時計が速い週でも強みを示します。
仕上がりの早さとパワーを兼備した生産背景に注目です。
まとめ
- 枠：内〜中やや良。道中のロスを抑えられる配置がプラスで、外は展開と発馬が噛み合えば妙味
- 開催と芝：仮柵と内の傷みが鍵。内が良好なら内先行、荒れれば外差しの好走の傾向が出やすい
- ラップ：前傾で先行の持続力が最重要。直線は急坂で減速するため追込一辺倒の過信はNG
- 脚質：先行を軸に、差しは内外の伸びどころが噛み合えば好走の傾向。逃げは馬場と展開で一変
- 血統：ロードカナロア／ミッキーアイル／キンシャサノキセキなどスプリント型が王道。道悪ならダイワメジャー／キンシャサノキセキ／モーリスのパワー系が強みを増す
- 騎手：関西の配分巧者川田・松山・坂井・岩田望来を素直に評価。人気馬の信頼度が高い
