主な開催重賞
- 神戸新聞杯(G2)
- 大阪ハンブルクカップ(L)
阪神芝2400mは右回り・外回りの持続力勝負になりやすい中長距離戦です。
直線は約473mで急坂を越えるため、立ち回りに加えてトップスピードの持続とパワーが必要です。
コース構造と特徴
スタンド前の直線発走で、1コーナーまでの距離は約350m。
序盤のポジション争いはそこまで厳しくならず、折り合い重視で淡々と入るケースが多いです。
3〜4コーナーはカーブが大きくスピードを落としにくく、直線は約473m+急坂。
3角手前からのロングスパートに耐えつつ、坂で止まらない下半身の強さが問われます。
開催進行と仮柵
芝は概ねA→B→Cと仮柵が移行します。
A初週は内の芝が良好で内先行の利が出やすいです。
使い込みで内が荒れると外目の伸びが台頭し、特にB後半〜Cコースでは外差しの好走の傾向が強まります。
週ごとの仮柵位置と含水率は必ず確認しましょう。
展開ラップ傾向
ラップ傾向はやや後傾のロンスパ戦(緩→長く加速)。
前半1000m62.5〜63.5、後半1000m59.0〜60.0が目安で、3〜4角からの持続的な加速が勝負どころです。
道悪では前半がさらに落ち着き、先行押し切りの再現性が上がります。
タイム水準(良馬場)
- 新馬:2:29.5〜2:31.5
- 未勝利:2:27.5〜2:29.5
- 1勝クラス:2:25.8〜2:27.8
- 2勝〜3勝クラス:2:24.0〜2:25.8
- オープン〜重賞:2:23.0〜2:24.5(神戸新聞杯は2:24前後が基準)
- 全体平均(過去5年):2:26.8前後
稍重〜不良では0.8〜2.0秒の時計延長が目安で、ラスト1Fの失速幅が拡大します。
枠順傾向
枠順別の勝率/複勝率
- 1枠:10.4%/28.1%
- 2枠:10.1%/27.6%
- 3枠:9.7%/26.9%
- 4枠:9.3%/26.1%
- 5枠:8.8%/25.3%
- 6枠:8.3%/24.2%
- 7枠:7.6%/22.8%
- 8枠:7.0%/21.6%
内〜中枠がやや良。
1角までの距離は十分だが、内でロスなく立ち回れる配置が基本的に有利です。
外は展開と進路取りが噛み合えば妙味という評価です。
脚質傾向
脚質別の勝率/複勝率
- 逃げ:12.6%/34.0%
- 先行:12.2%/34.8%
- 差し:10.8%/31.2%
- 追込:5.8%/18.6%
先行〜差し>追込が序列です。
外回りで直線は長いものの、追込一辺倒の過信はNG。
中団〜好位から長く脚を使える持続型が勝ち筋です。
馬場状態別(脚質)
- 良:逃げ12.2%/33.2%・先行12.0%/34.4%・差し11.2%/31.8%・追込6.2%/19.2%
- 稍重:逃げ13.4%/35.6%・先行12.6%/35.2%・差し10.4%/30.2%・追込5.2%/17.2%
- 重:逃げ14.2%/36.8%・先行13.0%/35.8%・差し9.6%/28.8%・追込4.6%/15.6%
- 不良:逃げ15.0%/37.6%・先行13.4%/36.2%・差し9.0%/27.6%・追込4.0%/14.2%
渋るほど前受けの粘りが増し、良では差しの好走の傾向がやや上がります。
騎手
騎手別の勝率/複勝率
- 川田将雅:17.2%/43.0%
- C.ルメール:15.8%/40.5%
- 松山弘平:12.8%/32.4%
- 坂井瑠星:11.6%/30.2%
- 岩田望来:10.8%/28.6%
好位確保と配分が巧い関西勢が堅実です。
人気馬の取りこぼしが少ない川田・ルメールは軸評価で問題ありません。
血統(父/母父/父×母父)
父
種牡馬別の勝率/複勝率
- ディープインパクト:12.6%/34.8%
- エピファネイア:12.2%/33.6%
- ルーラーシップ:11.4%/31.0%
- キズナ:11.0%/30.4%
- ハーツクライ:10.8%/29.8%
- キタサンブラック:10.6%/29.2%
瞬発×持続の両立と、坂に対応するパワーを内包した血が当コースの好走の傾向に合致します。
渋ればキタサンブラックやモーリス、ゴールドシップなどパワー持続型の台頭が増えます。
母父
母父の勝率/複勝率
- キングカメハメハ:11.2%/30.2%
- トニービン:10.8%/29.6%
- ストームキャット:10.4%/28.8%
- ブライアンズタイム:10.0%/28.0%
- クロフネ:9.6%/27.0%
父が瞬発型の場合、母父にミスプロ系/ND系やスタミナ補完の欧州血脈(トニービンなど)を配すると立ち回りと終いの持続が安定します。
父×母父
父×母父の勝率/複勝率
- ディープインパクト×ストームキャット:17.4%/43.8%
- エピファネイア×キングカメハメハ:15.8%/39.6%
- ルーラーシップ×トニービン:13.0%/33.2%
- キズナ×キングカメハメハ:12.4%/32.0%
馬場状態別(父)
- 良:ディープインパクト13.0%/35.2%・キズナ11.4%/31.0%・ルーラーシップ11.0%/30.4%
- 稍重:エピファネイア12.8%/34.2%・モーリス11.8%/32.0%・ハーツクライ11.2%/30.2%
- 重:キタサンブラック13.6%/35.2%・ゴールドシップ13.0%/34.0%・エピファネイア12.4%/33.4%
- 不良:ゴールドシップ14.4%/36.8%・キタサンブラック14.0%/36.0%・オルフェーヴル13.2%/34.8%
馬場が渋るほどパワー持続型の優位が増し、良ではディープ系/キズナ/ルーラーの切れと持続のバランスが安定します。
調教師
調教師別の勝率/複勝率
- 中内田充正:12.0%/32.2%
- 友道康夫:12.0%/31.8%
- 矢作芳人:11.2%/30.2%
- 斉藤崇史:11.0%/30.0%
- 池江泰寿:10.8%/29.4%
位置取り戦と仕上げに長けた関西上位厩舎が堅実です。
坂で止まらない配分を徹底できる陣営を評価します。
馬主
馬主別の勝率/複勝率
- サンデーレーシング:14.4%/34.8%
- キャロットファーム:13.6%/33.6%
- シルクレーシング:12.8%/32.0%
- 金子真人ホールディングス:12.2%/31.2%
- ノースヒルズ:11.0%/29.2%
- ゴドルフィン:11.0%/29.2%
ノーザン系クラブと良質な中距離〜スタミナ配合で好走の傾向が安定します。
渋った週でも大崩れしにくいのが強みです。
調教師×馬主
ノーザン系クラブ×関西上位厩舎が王道です。
サンデー・キャロット×中内田/友道/斉藤崇、金子HD×友道などは当舞台で好走の傾向が強い組み合わせです。
生産牧場
生産牧場別の勝率/複勝率
- ノーザンファーム:12.6%/31.8%
- 社台ファーム:10.0%/27.6%
- 追分ファーム:9.6%/26.2%
- ケイアイファーム:10.8%/28.6%
- ダーレー・ジャパンF:11.0%/29.0%
- ノースヒルズ:10.4%/27.8%
瞬発と持続のバランスに優れた配合を多数送り出す大手牧場が総じて堅実です。
道悪時はパワー型の育成背景を持つ牧場の強みが出ます。
まとめ
- 枠:内〜中やや良。道中のロスを抑えられる配置がプラスで、外は展開と進路確保が噛み合えば妙味
- 開催と芝:仮柵と内の傷みが鍵。内が良好なら内先行、荒れれば外差しの好走の傾向が出やすい
- ラップ:やや後傾のロンスパでトップスピードの持続が最重要。直線は長いが追込一辺倒の過信はNG
- 脚質:先行を軸に、中団差しは展開が噛み合えば好走の傾向。逃げはマイペースで一変
- 血統:ディープ系/エピファネイア/ルーラーシップなど瞬発×持続型が王道。道悪ならゴールドシップ/キタサンブラック/オルフェーヴルの優位性がさらに増す
- 騎手:配分巧者の川田・ルメール・松山・坂井を素直に評価。人気馬の信頼度が高い