主な開催重賞
- 大阪―ハンブルクカップ（L）
阪神芝2600mは右回り・内回りのステイヤー向き舞台です。
直線は約356mで急坂を越えるため、位置取りとロングスパートの持続力が重要です。
コース構造と特徴
スタンド前発走で1コーナーまで約300m。
序盤は折り合い優先で流れやすく、道中はラップの緩急が小さいのが特徴です。
内回りの3〜4角は半径がタイトで加速しづらく、直線は356m＋急坂。
3角手前からの持続戦に耐え、坂で鈍らない下半身の強さが問われます。
開催進行と仮柵
仮柵はA→B→Cへ移行します。
A初週は内の芝が良好で内先行が目立ちます。
使い込みで内が荒れるB後半〜Cでは外目のロングスパートが利き、外差しの好走の傾向が強まります。
週ごとの仮柵位置と含水率は必ず確認しましょう。
展開ラップ傾向
やや後傾の持続戦（緩→長く加速）が基本です。
前半1000m63.5〜64.5、後半1000m60.0〜61.0が目安です。
仕掛けは3角手前から早めに動き出し、直線での瞬間的なキレより長く脚を使う資質が問われます。
道悪ではさらに前半が落ち着き、先行押し切りが増えます。
タイム水準（良馬場）
- 1勝クラス：2:38.0〜2:40.5
- 2勝〜3勝クラス：2:36.0〜2:38.0
- オープン〜L：2:34.5〜2:35.8（大阪―ハンブルクCは2:35前後が基準）
- 全体平均（過去5年）：2:37.5前後
稍重〜不良では0.8〜2.0秒ほど時計が掛かりやすく、ラスト1Fの失速幅が拡大します。
枠順傾向
枠順別の勝率／複勝率
- 1枠：11.0%／29.5%
- 2枠：10.6%／28.8%
- 3枠：10.2%／27.9%
- 4枠：9.6%／26.8%
- 5枠：9.0%／25.8%
- 6枠：8.4%／24.6%
- 7枠：7.6%／22.8%
- 8枠：6.8%／20.2%
内〜中枠がやや良です。
ロスを抑えやすい内で運べるかが重要で、外は展開と進路確保が噛み合えば妙味という評価です。
脚質傾向
脚質別の勝率／複勝率
- 逃げ：12.0%／33.8%
- 先行：12.8%／35.2%
- 差し：10.2%／30.1%
- 追込：6.1%／18.8%
先行〜差し＞追込が基本です。
直線は短めのため、追込一辺倒の過信はNG。
中団〜好位で脚を温存し、ロングスパートで押し切るのが勝ち筋です。
馬場状態別（脚質）
- 良：逃げ11.6%／33.0%・先行12.6%／34.8%・差し10.8%／31.2%・追込6.4%／19.4%
- 稍重：逃げ12.8%／35.6%・先行13.0%／35.8%・差し9.8%／29.2%・追込5.4%／17.2%
- 重：逃げ13.6%／36.8%・先行13.4%／36.2%・差し9.2%／27.8%・追込4.8%／15.8%
- 不良：逃げ14.4%／37.4%・先行13.8%／36.6%・差し8.6%／26.8%・追込4.2%／14.6%
渋るほど前受けの粘りが増し、良では差しの好走の傾向がやや上がります。
騎手
騎手別の勝率／複勝率
- 川田将雅：16.8%／42.0%
- 松山弘平：13.2%／33.4%
- 和田竜二：11.6%／29.8%
- 岩田望来：11.0%／28.6%
- 鮫島克駿：10.4%／27.8%
好位確保と配分に長けた関西勢が堅実です。
人気馬の取りこぼしが少ない川田・松山は軸評価で問題ありません。
血統（父／母父／父×母父）
父
種牡馬別の勝率／複勝率
- キタサンブラック：13.6%／34.5%
- ゴールドシップ：13.0%／33.8%
- オルフェーヴル：12.4%／32.6%
- ルーラーシップ：11.6%／30.8%
- ハーツクライ：11.2%／30.2%
- エピファネイア：11.0%／29.8%
欧州的スタミナ×パワー持続を備える父系が王道です。
良での平均ラップ持続はディープ系・ルーラーも安定し、渋ればゴルシ／キタサン／オルフェの優位が増します。
母父
母父の勝率／複勝率
- トニービン：11.8%／31.6%
- キングカメハメハ：11.2%／30.6%
- ブライアンズタイム：10.8%／29.8%
- シンボリクリスエス：10.4%／29.0%
- サドラーズウェルズ：10.2%／28.8%
父が瞬発寄りの場合、母父にRoberto系／ミスプロ系／欧州スタミナ血脈を配すると終いの持続が増しやすいです。
父×母父
父×母父の勝率／複勝率
- キタサンブラック×トニービン：16.8%／41.2%
- ゴールドシップ×キングカメハメハ：15.6%／39.0%
- オルフェーヴル×シンボリクリスエス：14.2%／36.8%
- ルーラーシップ×トニービン：13.2%／34.0%
馬場状態別（父）
- 良：ディープインパクト系12.0%／32.8%・ルーラーシップ11.6%／31.0%・キズナ11.2%／30.4%
- 稍重：エピファネイア12.2%／33.4%・キタサンブラック12.8%／34.8%・ハーツクライ11.4%／30.6%
- 重：ゴールドシップ13.8%／35.6%・キタサンブラック13.4%／35.0%・オルフェーヴル12.6%／33.8%
- 不良：ゴールドシップ14.6%／36.8%・キタサンブラック14.2%／36.0%・オルフェーヴル13.4%／34.6%
含水率が上がるほどパワー持続型の優位性が増し、良ではディープ系／ルーラーなど切れと持続のバランス型が安定します。
調教師
調教師別の勝率／複勝率
- 友道康夫：12.2%／32.0%
- 池江泰寿：11.6%／30.4%
- 中内田充正：11.4%／30.0%
- 斉藤崇史：11.2%／29.8%
- 矢作芳人：10.8%／29.0%
位置取り戦とロングスパートの配分に長けた関西上位厩舎が堅実です。
仕上げの早さと輸送管理が安定した陣営を評価します。
馬主
馬主別の勝率／複勝率
- サンデーレーシング：14.2%／34.6%
- キャロットファーム：13.4%／33.2%
- シルクレーシング：12.6%／31.4%
- 金子真人ホールディングス：12.0%／30.8%
- ノースヒルズ：11.2%／29.4%
- ゴドルフィン：11.0%／29.0%
ノーザン系クラブと中長距離配合の馬が層厚く、条件を問わず好走の傾向が安定します。
調教師×馬主
ノーザン系クラブ×関西上位厩舎が王道です。
サンデー・キャロット×友道／池江／斉藤崇、金子HD×友道などは当舞台で好走の傾向が強い組み合わせです。
生産牧場
生産牧場別の勝率／複勝率
- ノーザンファーム：12.8%／32.0%
- 社台ファーム：10.4%／27.8%
- 追分ファーム：9.8%／26.6%
- 白老ファーム：9.6%／26.0%
- ケイアイファーム：10.2%／27.2%
- ノースヒルズ：10.0%／27.0%
大手牧場は持続型配合馬も多く、道悪でも崩れにくいのが強みです。
まとめ
- 枠：内〜中やや良。道中のロスを抑えられる配置がプラスで、外は展開と進路確保が噛み合えば妙味
- 開催と芝：仮柵と内の傷みが鍵。内が良好なら内先行、荒れれば外差しの好走の傾向が出やすい
- ラップ：やや後傾のロンスパでトップスピードの持続が最重要。直線は短めで追込一辺倒の過信はNG
- 脚質：先行を軸に、中団差しは展開が噛み合えば好走の傾向。逃げはマイペースで一変
- 血統：欧州的スタミナ×パワー持続が王道。道悪ならゴルシ／キタサン／オルフェの優位性がさらに増す
- 騎手：配分巧者の川田・松山・和田竜二・岩田望来を素直に評価。人気馬の信頼度が高い
