主な開催重賞
- 名古屋城ステークス(L)
中京ダート1900mは直線411m+急坂を要する持久力型の中距離ダートです。
条件戦〜Lクラスを中心に、先行力とロングスパート耐性の両立が問われます。
コース構造と特徴
左回り・二ターンのダート。
スタンド前発走で1コーナーまで約390mあり、極端な内争いになりにくい一方でコーナーはタイトです。
向こう正面は緩やかな下りで息が入りやすく、3〜4角からペースが上がって直線へ。
直線は約411mと長くゴール前に急坂。
好位で脚を温存してL3からの持続加速が理想形です。
開催進行と仮柵
ダートは芝と異なり仮柵の設置はありません。
週ごとの砂厚・含水率・路盤整備の影響が大きく、雨後は時計短縮と内先行優勢、乾燥が進むと外差しの好走の傾向が出やすくなります。
当日の含水率と直前の降雨状況は必ず確認しましょう。
展開ラップ傾向
ラップ傾向は後傾(緩→持続)が基本です。
前半1000m63.5前後で入り、道中で息が入ってから3〜4角でロングスパートに移行する形が多数です。
直線は坂の影響でL1が落ち込みやすく、長く脚を使える先行〜好位が優位です。
道悪ではさらに道中が緩み、パワーとトラクションの差が着順に直結します。
タイム水準(良馬場)
- 未勝利:2:01.5〜1:59.5
- 1勝クラス:1:59.5〜1:57.8
- 2勝クラス:1:58.8〜1:56.8
- 3勝・L:1:57.5〜1:55.8
- 全体平均:1:58.8前後
稍重〜不良では1.0〜1.8秒の短縮が入りやすく、見かけのラップは落ちても直線の粘り腰が重要です。
枠順傾向
枠順別の勝率/複勝率
- 1枠:9.8%/26.8%
- 2枠:9.6%/26.2%
- 3枠:9.2%/25.6%
- 4枠:8.8%/24.8%
- 5枠:8.4%/24.2%
- 6枠:7.8%/23.2%
- 7枠:7.2%/22.2%
- 8枠:6.8%/21.4%
内〜中枠がやや良です。
1角までの距離は十分でもコーナーがタイトで、内でロスを抑える利が大きいです。
外は出脚と進路確保が決まれば妙味ですが、3〜4角の外々ロスには注意です。
脚質傾向
脚質別の勝率/複勝率
- 逃げ:13.2%/38.5%
- 先行:12.0%/34.2%
- 差し:7.2%/22.6%
- 追込:3.0%/10.4%
先行>差し>追込が基本です。
L3からの持続加速で押し切る形が多く、追込一辺倒の過信はNGです。
馬場状態別(脚質)
- 良:逃げ12.6%/36.8%・先行11.6%/33.4%・差し7.0%/22.0%・追込2.8%/10.0%
- 稍重:逃げ13.6%/39.6%・先行12.4%/34.6%・差し7.2%/22.8%・追込3.0%/10.6%
- 重:逃げ14.2%/41.0%・先行12.8%/35.4%・差し7.4%/23.0%・追込3.2%/10.8%
- 不良:逃げ15.0%/42.5%・先行13.2%/36.0%・差し7.6%/23.2%・追込3.4%/11.0%
渋るほど前受けの粘りが増し、良では差しの好走の傾向がわずかに上昇します。
騎手
騎手別の勝率/複勝率
- 川田将雅:16.2%/41.0%
- 松山弘平:13.4%/34.6%
- 坂井瑠星:12.2%/31.4%
- 岩田望来:11.4%/29.8%
- 西村淳也:10.6%/28.8%
序盤で位置を取り、3〜4角で待ってから運べる中京ダート巧者が安定。
人気馬の取りこぼしが少ない川田・松山・坂井は軸に据えやすいです。
血統(父/母父/父×母父)
父
種牡馬別の勝率/複勝率
- ドレフォン:13.0%/34.8%
- マジェスティックウォリアー:12.6%/33.6%
- シニスターミニスター:12.2%/32.8%
- ホッコータルマエ:11.8%/31.5%
- パイロ:11.2%/30.4%
- ヘニーヒューズ:10.6%/29.2%
米国ダート×パワー持続が王道です。
先行して長く脚を使える血が当コースの好走の傾向に合致します。
母父
母父の勝率/複勝率
- キングカメハメハ:10.8%/29.6%
- フレンチデピュティ:10.6%/29.0%
- クロフネ:10.2%/28.2%
- ゴールドアリュール:9.8%/27.4%
- サンデーサイレンス:9.6%/26.8%
父が米国型の場合、母父にミスプロ系/ND系/SS系のしなやかさを配すると直線の持続が安定します。
父×母父
父×母父の勝率/複勝率
- ドレフォン×フレンチデピュティ:16.0%/41.0%
- マジェスティックウォリアー×キングカメハメハ:15.2%/39.0%
- シニスターミニスター×サンデーサイレンス:13.8%/35.6%
- パイロ×クロフネ:12.8%/33.2%
馬場状態別(血統・父)
- 良:ドレフォン12.4%/33.0%・マジェスティックウォリアー12.0%/32.4%・パイロ10.6%/29.0%
- 稍重:ドレフォン13.8%/36.8%・シニスターミニスター12.8%/34.0%・ホッコータルマエ12.0%/32.0%
- 重:マジェスティックウォリアー15.8%/39.2%・シニスターミニスター14.6%/37.0%・ドレフォン14.0%/36.2%
- 不良:シニスターミニスター16.5%/41.0%・マジェスティックウォリアー16.0%/40.2%・ホッコータルマエ15.2%/38.6%
含水率が高いほど米国ダート×パワー持続の優位性が増します。
先行できる血の信頼度がさらに高まります。
調教師
調教師別の勝率/複勝率
- 矢作芳人:12.8%/33.2%
- 杉山晴紀:12.2%/32.0%
- 松永幹夫:11.8%/30.8%
- 牧浦充徳:11.2%/29.6%
- 松永昌博:10.8%/28.8%
栗東のダート路線に強い厩舎が堅実。
出走数の多いやり繰りと仕上げ精度で、先行力と持続力を引き出す陣営が強いです。
馬主
馬主別の勝率/複勝率
- ゴドルフィン:13.6%/32.8%
- ノースヒルズ:12.8%/31.2%
- キャロットファーム:11.6%/29.6%
- シルクレーシング:11.2%/29.0%
- サンデーレーシング:10.8%/28.2%
- G1レーシング:10.4%/27.6%
外資系・生産直結型のオーナーは米国型配合比率が高く、時計短縮局面で好走の傾向。
クラブ勢も出走数の多く、安定して上位に顔を出します。
調教師×馬主
ゴドルフィン×栗東上位厩舎が王道です。
ゴドルフィン×矢作/杉山、ノースヒルズ×松永幹/牧浦、ノーザン系クラブ×ダート巧者厩舎の布陣は当舞台で好走の傾向が強い組み合わせです。
生産牧場
生産牧場別の勝率/複勝率
- ダーレー・ジャパンF:13.8%/33.4%
- ノーザンファーム:11.4%/29.6%
- 社台ファーム:9.6%/26.8%
- 三嶋牧場:9.4%/26.2%
- 新冠橋本牧場:9.2%/25.8%
- 下河辺牧場:9.0%/25.6%
出走数の多い大規模牧場は総じて安定。
米国型配合の比率が高い牧場は渋馬場や時計短縮時に強みを示します。
まとめ
- 枠:内〜中やや良。道中のロスを抑えられる配置がプラスで、外は発馬とダッシュで好位確保なら妙味
- 開催と砂:仮柵の影響はなく、含水率と砂厚が鍵。雨後は内先行の粘りが増し、乾けば外差しの好走の傾向が出やすい
- ラップ:後傾でロングスパートの持続力が最重要。直線の急坂で最後の踏ん張りが必要
- 脚質:先行を軸に、差しは展開が噛み合えば好走の傾向。極端な追込過信はNG
- 血統:米国ダート×パワー持続が王道です。道悪ならマジェスティックウォリアー/シニスターミニスター/ドレフォンなど含水率に強い血の優位がさらに増す
- 騎手:中京ダ1900巧者の川田・松山・坂井・岩田望来・西村淳也を素直に評価。人気馬の信頼度が高い
