主な開催重賞
- 仁川ステークス（L）
- ベテルギウスステークス（L）
阪神ダート2000mは関西圏のダート中距離でもっとも持続力を問う舞台です。
準重賞〜オープンの番組も組まれ、先行力とタフなスタミナの両立が求められます。
コース構造と特徴
右回りの内回りダート、2ターン。
スタンド前発走で最初のコーナーまでが比較的短く、序盤は先行争いがタイトになりやすいです。
向こう正面で一息入りやすい一方、3〜4角はスパイラルで再加速。
直線は約352mで急坂を駆け上がってゴールします。
コーナー機動力とパワー持続の合計点が高い馬が好成績です。
開催進行と仮柵
ダートは芝と異なり仮柵の設置はありません。
週ごとの砂厚・含水率・路盤整備の影響が直結し、雨後は時計短縮と内先行優勢、乾くと外差しの好走の傾向が出やすくなります。
当日の含水率と直前の降雨は必ずチェックしましょう。
展開ラップ傾向
ラップ傾向は前傾→中弛み→持続が基本です。
前半3F37.2〜37.8、上がり3F39.5〜40.5が目安。
序盤は位置取り争いで流れ、向こう正面で若干緩み、直線急坂での持続力勝負に移行します。
道悪では前半がさらに速くなり、前々の押し切りが増加します。
タイム水準（良馬場）
- 新馬：2:08.0前後
- 未勝利：2:07.0前後
- 1勝クラス：2:05.8〜2:04.8
- 2勝〜3勝クラス：2:04.5〜2:02.8
- オープン・L：2:02.5〜2:01.0
- 全体平均（過去5年）：2:05.3前後
稍重〜不良では概ね1.2〜2.0秒の短縮が入りやすく、前半の短縮幅が大きくなります。
枠順傾向
枠順別の勝率／複勝率
- 1枠：10.2%／26.8%
- 2枠：9.9%／26.0%
- 3枠：9.4%／25.2%
- 4枠：8.9%／24.6%
- 5枠：8.3%／23.6%
- 6枠：7.7%／22.8%
- 7枠：7.0%／21.6%
- 8枠：6.8%／21.0%
内〜中枠がやや良です。
最初のコーナーが近くロスを抑えやすい配置が有利。
外枠はスタート直後に脚を使いやすく、先行確保できないと外々を回るリスクが増します。
脚質傾向
脚質別の勝率／複勝率
- 逃げ：18.8%／45.2%
- 先行：12.9%／35.6%
- 差し：7.2%／21.6%
- 追込：2.8%／8.8%
先行＞差し＞追込が基本です。
番手〜3列目から長く脚を使えるタイプが勝ち筋で、追込一辺倒の過信はNGです。
馬場状態別（脚質）
- 良：逃げ17.2%／42.0%・先行12.0%／33.8%・差し6.8%／20.6%・追込2.6%／8.2%
- 稍重：逃げ19.8%／46.8%・先行13.2%／36.4%・差し7.1%／21.8%・追込2.9%／8.9%
- 重：逃げ21.2%／49.5%・先行13.8%／37.8%・差し7.4%／22.2%・追込3.0%／9.4%
- 不良：逃げ22.6%／51.0%・先行14.5%／39.0%・差し7.6%／22.8%・追込3.2%／9.8%
渋るほど前受けの粘りが増し、良では差しの好走の傾向がやや上がります。
騎手
騎手別の勝率／複勝率
- 川田将雅：18.0%／44.0%
- 松山弘平：14.0%／36.0%
- 坂井瑠星：12.4%／33.0%
- 和田竜二：11.0%／29.2%
- 岩田望来：10.4%／28.0%
配分と先行作に長けた関西勢が安定。
人気馬の取りこぼしが少ない川田・松山・坂井は軸に据えやすいです。
血統（父／母父／父×母父）
父
種牡馬別の勝率／複勝率
- シニスターミニスター：14.2%／36.8%
- ゴールドアリュール：13.6%／35.2%
- ドレフォン：12.9%／33.8%
- ヘニーヒューズ：12.2%／32.8%
- ホッコータルマエ：11.6%／31.0%
- パイロ：11.0%／30.2%
米国ダート型×パワー持続が王道。
長く脚を使える資質が急坂と相性良好です。
母父
母父の勝率／複勝率
- キングカメハメハ：11.0%／30.2%
- フレンチデピュティ：10.8%／29.8%
- クロフネ：10.2%／28.8%
- アグネスデジタル：10.0%／28.2%
- ブライアンズタイム：9.6%／27.5%
父が米国型の場合、母父にミスプロ系／ND系などのスピード血脈を配するとコーナー機動力と直線の持続が安定します。
父×母父
父×母父の勝率／複勝率
- シニスターミニスター×フレンチデピュティ：17.2%／42.0%
- ドレフォン×キングカメハメハ：16.0%／40.0%
- ヘニーヒューズ×ブライアンズタイム：12.8%／34.0%
- ホッコータルマエ×クロフネ：12.4%／33.2%
馬場状態別（父）
- 良：シニスターミニスター13.4%／35.0%・ゴールドアリュール12.8%／34.2%・パイロ11.0%／30.0%
- 稍重：ドレフォン14.4%／36.6%・ヘニーヒューズ13.6%／35.4%・ホッコータルマエ12.2%／32.0%
- 重：ヘニーヒューズ16.4%／40.2%・ドレフォン16.0%／40.0%・シニスターミニスター14.8%／37.8%
- 不良：ゴールドアリュール17.2%／41.0%・ヘニーヒューズ16.8%／41.0%・ドレフォン16.5%／40.5%
含水率が高いほど米国ダート×パワー持続の優位性が増し、先行できる血の信頼度がさらに高まります。
調教師
調教師別の勝率／複勝率
- 矢作芳人：12.6%／31.2%
- 斉藤崇史：12.2%／30.6%
- 音無秀孝：11.8%／29.8%
- 渡辺薫彦：11.2%／29.0%
- 寺島良：10.8%／28.4%
在阪の栗東上位厩舎が堅実。
ダッシュ力を引き出しつつ前受けで粘らせる仕上げと輸送負担の少なさが成績に反映されます。
馬主
馬主別の勝率／複勝率
- ゴドルフィン：14.6%／33.6%
- シルクレーシング：13.4%／31.8%
- キャロットファーム：12.6%／30.8%
- サンデーレーシング：12.8%／31.0%
- ノースヒルズ：12.0%／30.0%
- ダノックス：11.8%／29.6%
クラブ勢の中距離型の米国血統馬が総じて好走の傾向。
自前生産比率の高いゴドルフィンは道悪でも強さが際立ちます。
調教師×馬主
ノーザン系クラブ×栗東上位厩舎が王道です。
シルク・キャロット×斉藤崇／音無／寺島、ゴドルフィン×藤原英昭／渡辺薫彦／安田翔伍などは当舞台で好走の傾向が強い組み合わせです。
生産牧場
生産牧場別の勝率／複勝率
- ノーザンファーム：11.2%／29.6%
- 社台ファーム：9.4%／26.6%
- ダーレー・ジャパンF：14.4%／33.6%
- 三嶋牧場：11.8%／29.8%
- 千代田牧場：10.6%／28.2%
- 新冠橋本牧場：12.2%／28.4%
米国型配合の比率が高い牧場は道悪や高速化で強みを見せます。
まとめ
- 枠：内〜中やや良。最初のコーナーが近くロスを抑えられる配置がプラスで、外は発馬とダッシュで好位を取れれば妙味
- 開催と砂：仮柵なしで含水率と砂厚が鍵。雨後は内先行の粘りが増し、乾けば外差しの好走の傾向が出やすい
- ラップ：前傾〜中弛みからの持続戦で先行の持続力が最重要。直線は急坂で惰性は利かず最後の踏ん張りが必要
- 脚質：先行を軸に、差しは展開が噛み合えば好走の傾向。極端な追込過信はNG
- 血統：米国ダート×パワー持続が王道。道悪ならシニスターミニスター／ヘニーヒューズ／ドレフォン／ゴールドアリュールの優位性が増す
- 騎手：配分巧者の川田・松山・坂井・和田を素直に評価。人気馬の信頼度が高い
