主な開催重賞
- 新潟大賞典(G3・5月・外回り2000m)
- 新潟記念(G3・9月・外回り2000m)
新潟芝2000m外回りは左回り・二ターンの中距離です。
直線は約659mと日本屈指の長さでほぼ平坦。
コーナーで脚を溜めて直線での加速勝負に持ち込む差し〜好位差しが王道です。
コース構造と特徴
発走から最初のコーナーまでの距離は十分にあり、極端な内先行一辺倒にはなりにくい設計です。
向こう正面はゆるやかにカーブしつつペースが落ち着きやすく、3〜4角で各馬が進出して直線の長いスパートへ。
直線は長く平坦で減速幅を小さく運べる持続力とL2の瞬発が重要になります。
L3から再加速して長く脚を使える好位差しが理想です。
開催進行と仮柵
芝はA→B(年度によりC併用)の順で仮柵を移動します。
開幕週は内の芝が若く、内〜中の立ち回りが利きます。
週を重ねると内の傷みが進み、中〜外の好走の傾向が上昇。
雨で含水が上がる週は内の荒れが表面化しやすく、外差しの威力が増します。
当日の含水率・内外の馬場差・風向は必ず確認しましょう。
展開ラップ傾向
ラップ傾向は後傾(緩→瞬発)が基本です。
前半1000mは62.2〜61.0で入りやすく、後半は60.0〜58.6へシフト。
L3基準は35.2〜34.6、勝ち切るにはL2の再加速が鍵です。
渋化すると中盤がさらに緩み、直線はパワーと持続力の比べになります。
タイム水準(良馬場)
- 新馬・未勝利(2〜3歳):2:03.5〜2:01.8
- 1勝クラス:2:02.2〜2:00.8
- 2勝〜3勝クラス:2:00.8〜1:59.2
- オープン・L〜G3:1:59.2〜1:57.8
- 全体平均:2:01.0前後
稍重〜不良では時計はかかりますが、直線の持続力要求はむしろ上がりやすいです。
同週同条件の通過ラップと上がりを必ず参照しましょう。
枠順傾向
枠順別の勝率/複勝率
- 1枠:10.6%/29.6%
- 2枠:10.4%/28.8%
- 3枠:10.2%/28.2%
- 4枠:9.8%/27.4%
- 5枠:9.4%/26.6%
- 6枠:9.0%/26.0%
- 7枠:8.6%/25.0%
- 8枠:8.2%/24.2%
内〜中枠がやや良です。
ロスなく立ち回りやすく、直線入口で早めに進路を取れる利点が生きます。
外枠は道中の無駄を抑えられるなら妙味もあります。
脚質傾向
脚質別の勝率/複勝率
- 逃げ:8.6%/24.8%
- 先行:11.0%/31.2%
- 差し:12.6%/33.8%
- 追込:5.6%/17.2%
差し>先行>追込が基本です。
L3で動ける差しが優勢で、先行はスムーズなら粘れます。
直線は長いものの追込一辺倒の過信はNGです。
馬場状態別(脚質)
- 良:逃げ8.2%/24.0%・先行10.8%/31.0%・差し12.8%/34.0%・追込5.4%/17.0%
- 稍重:逃げ8.8%/24.8%・先行11.0%/31.4%・差し12.2%/33.0%・追込5.2%/16.6%
- 重:逃げ9.2%/25.6%・先行11.4%/32.0%・差し11.8%/32.0%・追込5.0%/16.0%
- 不良:逃げ9.6%/26.2%・先行11.6%/32.4%・差し11.4%/31.4%・追込4.8%/15.6%
渋るほど前受けの粘りが増し、良では差しの好走の傾向がわずかに上昇します。
騎手
騎手別の勝率/複勝率
- 戸崎圭太:14.0%/38.0%
- 津村明秀:11.6%/30.4%
- 菅原明良:12.2%/31.2%
- 三浦皇成:11.0%/29.4%
- 田辺裕信:10.8%/29.0%
L3での仕掛けを我慢してL2で弾けさせる巧者が安定します。
直線入口での進路確保と加速のタメを作れる騎手を素直に評価。
血統(父/母父/父×母父)
父
種牡馬別の勝率/複勝率
- ディープインパクト:12.4%/33.0%
- ハーツクライ:11.6%/30.6%
- エピファネイア:11.2%/29.8%
- ドゥラメンテ:10.8%/29.4%
- キズナ:10.6%/29.0%
- モーリス:10.2%/28.6%
瞬発力×持続の中距離型が好走の傾向です。
ディープ・ハーツの上がり性能に、エピファネイアやドゥラメンテの持続力が噛み合います。
母父
母父の勝率/複勝率
- キングカメハメハ:10.8%/29.4%
- フレンチデピュティ:10.6%/29.0%
- クロフネ:10.2%/28.6%
- ダイワメジャー:10.0%/28.2%
- アグネスタキオン:9.8%/27.8%
父に瞬発力、母父にミスプロ系や米国血統のスピード&底力を配すと直線入口の反応が安定します。
父×母父
父×母父の勝率/複勝率
- ディープインパクト×キングカメハメハ:14.8%/36.8%
- ハーツクライ×フレンチデピュティ:13.4%/34.2%
- エピファネイア×クロフネ:12.8%/33.2%
- ドゥラメンテ×ダイワメジャー:12.6%/32.8%
馬場状態別(血統・父)
- 良:ディープインパクト12.6%/33.2%・ハーツクライ11.8%/30.8%・ドゥラメンテ11.0%/30.0%
- 稍重:モーリス11.0%/30.0%・エピファネイア10.8%/29.6%・キズナ10.6%/29.2%
- 重:キタサンブラック12.2%/32.4%・オルフェーヴル11.8%/31.6%・モーリス11.2%/30.8%
- 不良:ゴールドシップ12.8%/33.2%・キタサンブラック12.4%/32.6%・オルフェーヴル12.0%/31.8%
道悪ではパワー×持続型の優位が増します。
先行〜好位で粘れる持久力血統の信頼度がさらに高まります。
調教師
調教師別の勝率/複勝率
- 国枝栄:11.6%/30.2%
- 木村哲也:11.2%/29.8%
- 手塚貴久:10.8%/29.0%
- 堀宣行:10.6%/28.8%
- 鹿戸雄一:10.2%/28.0%
美浦のマイル〜中距離に強い厩舎が堅実です。
出走数の多いやり繰りと仕上げ精度で、好位差しの形を作れる陣営が強いです。
馬主
馬主別の勝率/複勝率
- シルクレーシング:12.0%/30.6%
- キャロットファーム:11.8%/30.2%
- サンデーレーシング:11.2%/29.2%
- ゴドルフィン:10.8%/28.6%
- 社台レースホース:10.2%/28.0%
- G1レーシング:10.0%/27.6%
クラブ勢は出走数の多く、配合・仕上げともに安定して好走の傾向です。
個人馬主はパワー寄り配合で渋馬場に強みを示します。
調教師×馬主
ノーザン系クラブ×美浦の中距離巧者厩舎が王道です。
シルク×国枝/木村、キャロット×手塚、サンデーR×堀の布陣は当舞台で好走の傾向が強い組み合わせです。
生産牧場
生産牧場別の勝率/複勝率
- ノーザンファーム:11.6%/30.2%
- 社台ファーム:9.8%/27.2%
- 白老ファーム:9.4%/26.6%
- 追分ファーム:9.2%/26.2%
- 下河辺牧場:9.0%/26.0%
- ビッグレッドファーム:8.8%/25.8%
出走数の多い大規模牧場は総じて安定です。
瞬発力×持続を高比率で配合する牧場は、長い直線で強みを示します。
まとめ
- 枠:内〜中やや良。道中のロスを抑えられる配置がプラスで、外はロス軽減と進路確保ができれば妙味
- 開催と芝:仮柵移動で序盤は内の恩恵、開催後半は中〜外の好走の傾向が強まる
- ラップ:後傾でL2の瞬発+減速幅の小ささが最重要。直線が長く、早仕掛けの持続も必要
- 脚質:差しを軸に、先行はペース次第で押し切りも。極端な追込過信はNG
- 血統:瞬発力×持続が王道です。道悪ならゴールドシップ/キタサンブラック/オルフェーヴルなどパワー型の優位がさらに増す
- 騎手:新潟外回り巧者の戸崎・津村・菅原明良・三浦・田辺を素直に評価。直線入口の進路確保と仕掛けの巧さが差に直結
