主な開催重賞
- キーンランドカップ(G3)
札幌芝1200mの唯一の重賞はキーンランドカップです。
夏の短距離路線の重要な前哨戦で、スプリンターズSを見据える快速馬が集結します。
コース構造と特徴
右回り・芝のワンターン。
スタート後すぐに3コーナーへ入り、3〜4角は緩やかなカーブを通過して短い直線へ。
直線は約266〜269mと短く、平坦でスピードの持続が問われます。
位置を取り切ってからの惰性+もう一脚が王道です。
開催進行と仮柵
札幌の芝はA→B→Cと仮柵を移動します。
開幕直後は内の芝がフレッシュで内先行有利。
週が進むと内の傷みが進行し、外差しの好走の傾向が強まります。
当日の含水率や風向で外の伸びが優位に転じるケースもあり、馬場差の把握が重要です。
展開ラップ傾向
ラップ傾向は前傾(速→持続)が基本です。
近5年の平均では前半3Fが34.0〜35.0付近、後半3Fが35.0〜35.8付近で、前半から速く流れて押し切りか、好位〜中団からの持続差しが決まりやすい形。
極端なスローは少なく、テンの出脚とコーナーワークが鍵です。 :
タイム水準(良馬場)
- 新馬:1:09.9
- 未勝利:1:09.7
- 1勝クラス:1:09.2
- 2勝クラス:1:09.2
- 3勝クラス:1:08.3
- オープン・L〜重賞:1:09.0〜1:09.3
テンが速いぶん見かけの上がりは掛かりやすく、スピードの持続とロスのない立ち回りが重要です。
枠順傾向
枠順別の勝率/複勝率
- 1枠:10.7%/23.3%
- 2枠:3.8%/22.7%
- 3枠:2.7%/17.1%
- 4枠:5.2%/23.4%
- 5枠:9.2%/19.3%
- 6枠:9.8%/20.5%
- 7枠:7.7%/24.0%
- 8枠:9.7%/25.8%
内〜中枠がやや良。
内でロスを抑えられる配置がベターで、外は出脚とコーナーワークで好位確保なら妙味です。
脚質傾向
脚質別の勝率/複勝率
- 逃げ:18.5%/54.1%
- 先行:13.3%/35.5%
- 差し:6.1%/19.4%
- 追込:1.2%/5.7%
先行>差し>追込が基本です。
番手〜3列目で脚を温存し、L3からの持続加速で押し切るのが王道です。
直線は短く追込一辺倒の過信はNGです。
馬場状態別(脚質)
- 良:逃げ・先行の粘りが強く、差しはペースが流れ過ぎた時に好走の傾向
- 稍重:前受けの優位がやや増し、内でロスなく立ち回るタイプが好走の傾向
- 重:ダッシュ力+パワー血統の先行が優位。差しは外伸びの週のみ狙い目
- 不良:より一層の前有利。外々を回す追込は苦戦
総じて渋るほど前の残り目が増えます。
当日の含水率と内外の馬場差で微調整してください。
騎手
騎手別の勝率/複勝率
- 横山武史:14.9%/42.5%
- 武豊:19.4%/40.3%
- C.ルメール:19.5%/43.9%
- 鮫島克駿:14.8%/33.3%
- 横山和生:7.3%/32.7%
札幌で位置を取り切り、待って仕掛けられる巧者を素直に評価。
人気馬の取りこぼしが少ない上位騎手は軸に据えやすいです。
血統(父/母父/父×母父)
父
種牡馬別の勝率/複勝率
- ロードカナロア:10.2%/26.9%
- ミッキーアイル:8.9%/31.1%
- モーリス:10.9%/26.1%
- ダイワメジャー:9.9%/21.1%
- ファインニードル:40.0%/50.0%
洋芝でスピードを持続できる短距離〜マイル型が合致。
先行力とトラクションを伝える系統が好走の傾向です。
母父
母父の勝率/複勝率
- サクラバクシンオー:17.9%/35.8%
- ディープインパクト:17.1%/26.3%
- キングヘイロー:9.1%/39.4%
- アドマイヤムーン:13.0%/34.8%
- シンボリクリスエス:10.7%/28.6%
父に持続力、母父にスプリント由来の初速や機動力を配す配合が直線の持続で安定します。
父×母父
父×母父の勝率/複勝率
- ロードカナロア×サクラバクシンオー
- ミッキーアイル×ディープインパクト
- モーリス×キングヘイロー
馬場状態別(血統・父)
- 良:ロードカナロア/ミッキーアイルなど純スプリント型の好走の傾向
- 稍重:ダイワメジャー/モーリスなどパワーと持続の両立型が堅実
- 重:キタサンブラック/ゴールドシップなどスタミナ×パワー型の先行で押し切り狙い
- 不良:オルフェーヴル/ゴールドシップなど重厚なパワー血統の好走の傾向
道悪ほど洋芝的パワー×持続型の優位が増します。
調教師
調教師別の勝率/複勝率
- 須貝尚介:27.8%/55.6%
- 藤岡健一:20.0%/35.0%
- 矢作芳人:14.8%/29.6%
- 安田隆行:11.1%/33.3%
- 吉村圭司:18.8%/43.8%
滞在競馬での仕上げ精度が高い厩舎が堅実。
先行力と持続力を引き出す仕上げで好結果につながります。
馬主
馬主別の傾向
- ノーザン系クラブ(キャロット・シルク)は出走数の多く好走の傾向
- 個人馬主はパワー配合や滞在適性で妙味を生みやすい
近年の札幌1200mではクラブ馬の安定感が目立ちます。
一方で人気が分散しやすく、穴の台頭も十分です。
調教師×馬主
ノーザン系クラブ×滞在競馬に実績のある関西トップ厩舎が王道です。
サンデーR/キャロット/シルク×須貝・矢作・吉村などの布陣は当舞台で好走の傾向が強い組み合わせです。
生産牧場
生産牧場別の傾向
- ノーザンファームを中心に社台系の安定感が高い
- 三嶋牧場・白老ファーム・追分ファームなど北海道勢の短距離配合が強み
洋芝適性の高いパワー配合を多く生産する大規模牧場が総じて堅実です。
まとめ
- 枠:内〜中やや良。道中のロスを抑えられる配置がプラスで、外は発馬とダッシュで好位確保なら妙味
- 開催と芝:仮柵移動で序盤は内先行、開催後半は外差しの好走の傾向が強まる
- ラップ:前傾(速→持続)でテンから速い。コーナーワークとロングスプリントの持続力が重要
- 脚質:先行を軸に、差しは展開が噛み合えば好走の傾向。極端な追込過信はNG
- 血統:洋芝×パワー持続が王道です。道悪ならゴールドシップ/キタサンブラック/オルフェーヴルなどパワー型の優位がさらに増す
- 騎手:札幌巧者のルメール・横山武史・鮫島克駿・横山和生を素直に評価
