主な開催重賞
- クイーンステークス(G3・牝馬)
- 札幌2歳ステークス(G3・2歳)
いずれも札幌芝1800mで行われる看板重賞です。
直線は約269mと短く、コーナー半径が大きい「丸い」コース形状のため、スタート直後に内を確保してロスなく立ち回れるかが重要です。
特に2歳重賞はペースが緩みやすく、後半の持続力勝負になりやすいのが特徴です。
コース構造と特徴
右回り・2ターン。
スタンド前から発走し、1コーナーまで約180〜185mと短い設定。
コース全体は平坦(高低差約0.7m)で、直線はA266.1m/B267.6m/C269.1m。
コーナーが緩やかで長いぶん直線は短く、内でロスなく運ぶ先行〜好位+L3からの持続が噛み合う舞台です。
開催進行と仮柵
札幌芝はA→B→Cと仮柵を移動。
開幕週は内の芝がフレッシュで内先行が有利。
週が進むと内が荒れ、外差しの好走の傾向が強まります。
コース替わり(B→C)直後は内の傷みがリセットされやすく、内で立ち回れる先行〜好位が再び優位に転じやすいです。
展開ラップ傾向
ラップ傾向は後傾(緩→持続)が基本です。
最初のコーナーまでが短く先行争いは一瞬で収まりやすく、道中は緩みつつも大きな加速減速が少ない移行。
L3以降でじわっと加速するロングスパート戦が多く、コーナーワーク+持続力の総合力が問われます。
タイム水準(良馬場)
- 新馬・未勝利(2〜3歳):1:49.5〜1:51.0
- 1勝クラス:1:48.0〜1:49.0
- 2勝〜3勝クラス:1:46.8〜1:48.0
- オープン・L〜重賞:1:46.0〜1:47.0
- 参考(過去5年平均):1:50.5前後/レコード1:45.7
小刻みな減速が少ない後傾ラップで、見た目の時計はクラス相応に収束。
直線が短いぶん、仕掛けどころとコーナーでの減速ロス最小化が時計短縮の鍵です。
枠順傾向
枠順別の勝率/複勝率
- 1枠:14.1%/37.5%
- 2枠:7.8%/34.4%
- 3枠:8.5%/23.2%
- 4枠:8.0%/26.1%
- 5枠:9.7%/20.4%
- 6枠:5.3%/19.1%
- 7枠:14.7%/35.3%
- 8枠:6.5%/29.0%
内〜中やや良が基本。
1コーナーまでが短いため内で先手を取れる枠が効率的で、外は発馬とダッシュで好位確保なら妙味です。
脚質傾向
脚質別の勝率/複勝率
- 逃げ:16.2%/47.1%
- 先行:17.0%/49.5%
- 差し:5.6%/18.4%
- 追込:1.0%/5.6%
先行>差し>追込が基本です。
番手〜3列目で脚を温存し、L3からの持続加速で押し切る形が王道です。
直線は短く、極端な追込過信はNG。
馬場状態別(脚質)
- 良:差しの好走の傾向がわずかに上昇するが、基本は先行優位
- 稍重:前が止まりにくく、逃げ・先行の粘りが増す
- 重:トラクションが求められ、前受け+パワー型が相対的に有利
- 不良:直線短い分、内先行の残り目が増えやすい
渋るほど前受けの粘りが増し、良では差しの好走の傾向がわずかに上昇します。
騎手
騎手別の勝率/複勝率
- 横山武史:32.6%/58.1%
- 吉田隼人:20.0%/55.0%
- C.ルメール:23.8%/61.9%
- 横山和生:14.7%/32.4%
- 鮫島克駿:5.6%/38.9%
札幌巧者の横山武史・横山和生、人気馬の取りこぼしが少ないルメール、ロスを抑える好位戦が上手い吉田隼人・鮫島克駿は評価しやすいです。
血統(父/母父/父×母父)
父
種牡馬別の勝率/複勝率
- ドゥラメンテ:30.0%/52.5%
- キズナ:18.2%/36.4%
- ハービンジャー:11.9%/29.9%
- エピファネイア:13.6%/34.1%
- ディープインパクト:14.0%/36.0%
洋芝×持続力に合う持久型やパワー型のサンデー系・ミスプロ系が順当に好走の傾向。
母父
母父の勝率/複勝率
- ディープインパクト:18.6%/41.9%
- キングカメハメハ:17.5%/37.5%
- ハーツクライ:13.6%/59.1%
- マンハッタンカフェ:15.0%/35.0%
- キングヘイロー:30.0%/30.0%
父に持続力、母父にSS系/ミスプロ系/ND系のしなやかさを配す配合で直線の持続が安定します。
父×母父
近年の好例として、ドゥラメンテ×母父ディープインパクト/キズナ×母父キングカメハメハなど、持続×瞬発補完の配合が目立ちます。
馬場状態別(血統・父)
- 良:ドゥラメンテ/ディープ/キズナ系の総合力が高水準
- 稍重:ハービンジャー/エピファ系などの持続×パワー配合が上昇
- 重:キタサンブラック/ゴールドシップなどパワー血統の優位が拡大
- 不良:ゴールドシップ/オルフェーヴルなどスタミナ×踏破力の血統が強み
道悪では洋芝的パワー×持続型の信頼度がさらに高まります。
調教師
調教師別の勝率/複勝率
- 須貝尚介:24.1%/41.4%
- 矢作芳人:23.8%/47.6%
- 上村洋行:31.2%/68.8%
- 鹿戸雄一:28.6%/42.9%
- 堀宣行:25.0%/50.0%
先行力を引き出しつつロングスパートで伸ばす仕上げに長けた陣営が安定。
馬主
馬主別の勝率/複勝率
- サンデーレーシング:22.0%/58.5%
- ウイン:12.9%/45.2%
- ビッグレッドファーム:14.3%/35.7%
- シルクレーシング:18.2%/31.8%
- 東京ホースレーシング:30.0%/60.0%
ノーザン系クラブを中心に、中距離で地力を発揮できる布陣が目立ちます。
調教師×馬主
ノーザン系クラブ×関東・関西の中距離巧者厩舎が王道です。
サンデーR×須貝/矢作、シルク×堀/上村などはこの舞台で好走の傾向が強い組み合わせです。
生産牧場
生産牧場別の勝率/複勝率
- 社台コーポレーション白老F:5.3%/18.4%
- 岡田スタッド:7.4%/22.2%
- エスティファーム:11.1%/33.3%
- フジワラファーム:14.3%/28.6%
- 高昭牧場:15.4%/23.1%
- 飛野牧場:33.3%/50.0%
洋芝への適性育成とパワー配合で、札幌替わりに強みを示す牧場が上位に顔を出します。
まとめ
- 枠:内〜中やや良。道中のロスを抑えられる配置がプラスで、外は発馬とダッシュで好位確保なら妙味
- 開催と芝:仮柵移動で序盤は内先行、開催後半は外差しの好走の傾向が強まる
- ラップ:後傾でロングスパートの持続力が最重要。コーナーワークで脚を温存しL3で勝負
- 脚質:先行を軸に、差しは展開が噛み合えば好走の傾向。極端な追込過信はNG
- 血統:洋芝×パワー持続が王道です。道悪ならゴールドシップ/キタサンブラック/オルフェーヴルの優位がさらに増す
- 騎手:札幌巧者のルメール、横山武史、鮫島克駿、横山和生を素直に評価
