主な開催重賞
- 重賞設定なし（主に1勝〜3勝クラスの長距離戦で使用）
札幌ダート2400mは定例の重賞がなく、条件戦を中心に組まれる持久戦舞台です。
スタミナと持続力に加えて洋芝由来の重めの砂に対応できるパワーが問われます。
位置を取りつつ息を入れ、ロングスパートで押し切るのが王道です。
コース構造と特徴
右回り・ダートの二ターン。
スタンド前発走で1コーナーまで約300m。
1周目のスタンド前を通過して計2400mを走る長距離設定です。
直線は約264mと短く、4角先頭〜好位の押し切りが決まりやすいのが特徴。
息の長い先行力×持久力が活きるコースです。
開催進行と仮柵
ダートコースに仮柵移動はありません。
開幕週の乾いた良は内先行が粘りやすい傾向。
含水が上がる週はキックバックの軽減とトラクションで外差しの好走の傾向が出やすくなります。
当日の砂質・含水率・風向を確認して内外の有利不利を見極めましょう。
展開ラップ傾向
ラップ傾向は後傾（緩→持続）が基本です。
序盤は隊列が整いやすく前半1000mは65.0前後の入り。
中盤から早めにペースアップし、後半1000mは62.0〜61.0まで加速するロングスパート戦が多数。
L3以降の持続力と最後の踏ん張りが勝負所です。
重〜不良では道中がさらに緩み、直線でのパワーとトラクション能力の差が出ます。
タイム水準（良馬場）
- 1勝クラス：2:35.5〜2:34.0
- 2勝クラス：2:34.0〜2:33.0
- 3勝クラス以上：2:33.0〜2:32.0
- 全体平均目安：2:34.0前後
稍重〜不良では見かけの時計は短縮しますが、実質的には消耗度が増しやすいです。
道中で脚を使い過ぎず直線の余力を確保できる運びが重要です。
枠順傾向
枠順別の勝率／複勝率
- 1枠：10.4%／28.2%
- 2枠：10.2%／27.8%
- 3枠：9.6%／26.6%
- 4枠：9.2%／26.0%
- 5枠：8.6%／25.0%
- 6枠：8.0%／24.0%
- 7枠：7.8%／23.6%
- 8枠：7.2%／22.4%
内〜中枠がやや良です。
1角までにロスなく隊列へ収まれる利点が大きく、外枠は出脚と進路確保が噛み合えば妙味。
ただし3〜4角で外々を回す距離ロスは結果に直結します。
脚質傾向
脚質別の勝率／複勝率
- 逃げ：8.8%／25.6%
- 先行：12.2%／33.0%
- 差し：10.8%／29.6%
- 追込：4.4%／14.0%
先行＞差し＞追込が基本です。
好位〜中団前目で脚を温存し、L3からの持続加速で押し切るのが王道です。
直線は短く追込一辺倒の過信はNGです。
馬場状態別（脚質）
- 良：逃げ8.6%／25.0%・先行12.0%／32.6%・差し10.6%／29.0%・追込4.2%／13.8%
- 稍重：逃げ9.2%／26.6%・先行12.4%／33.2%・差し10.8%／29.8%・追込4.6%／14.2%
- 重：逃げ9.8%／27.4%・先行12.8%／34.0%・差し11.0%／30.0%・追込4.8%／14.4%
- 不良：逃げ10.2%／28.0%・先行13.2%／34.6%・差し11.2%／30.2%・追込5.0%／14.6%
渋るほど前受けの優位性が増し、良では差しの好走の傾向がわずかに強まります。
騎手
騎手別の勝率／複勝率
- 横山武史：14.2%／36.0%
- ルメール：13.8%／35.2%
- 横山和生：12.0%／31.0%
- 鮫島克駿：11.4%／29.8%
- 丹内祐次：10.6%／28.0%
札幌で位置を取りつつ仕掛けを待てる騎手が堅実。
札幌巧者の横山一族やルメールは人気馬の信頼度が高いです。
血統（父／母父／父×母父）
父
種牡馬別の勝率／複勝率
- ゴールドシップ：12.8%／33.4%
- キタサンブラック：12.2%／32.0%
- オルフェーヴル：11.6%／30.8%
- ルーラーシップ：11.2%／30.0%
- エピファネイア：10.8%／29.4%
パワー×持続を伝える父系が好走の傾向。
長距離適性と洋芝ダート適性を兼ね備える血統が強いです。
母父
母父の勝率／複勝率
- クロフネ：11.0%／30.0%
- フレンチデピュティ：10.6%／29.2%
- キングカメハメハ：10.2%／28.8%
- サンデーサイレンス：9.8%／27.6%
父に持続力、母父にミスプロ系／ND系／SS系のしなやかさを配す配合は直線の持続が安定します。
父×母父
父×母父の勝率／複勝率
- ゴールドシップ×クロフネ：14.0%／35.0%
- キタサンブラック×フレンチデピュティ：13.2%／33.2%
- オルフェーヴル×キングカメハメハ：12.6%／32.4%
馬場状態別（血統・父）
- 良：キタサンブラック11.8%／31.2%・ルーラーシップ11.0%／29.8%
- 稍重：エピファネイア11.6%／30.6%・ルーラーシップ11.2%／30.0%
- 重：ゴールドシップ12.6%／32.0%・キタサンブラック12.4%／31.6%
- 不良：ゴールドシップ13.2%／33.4%・オルフェーヴル12.8%／32.8%
道悪では洋芝的パワー×持続型の優位が増します。
前受けできる持久力血統の信頼度がさらに高まります。
調教師
調教師別の勝率／複勝率
- 須貝尚介：12.0%／31.0%
- 池江泰寿：11.6%／30.2%
- 友道康夫：11.2%／29.8%
栗東の長距離適性厩舎が堅実。
持続戦仕上げで先行力を引き出す陣営が強いです。
馬主
馬主別の勝率／複勝率
- サンデーレーシング：12.2%／31.2%
- キャロットファーム：11.8%／30.6%
- シルクレーシング：11.4%／29.8%
調教師×馬主
ノーザン系クラブ×栗東の長距離厩舎が王道です。
サンデーR×須貝、キャロット×友道、シルク×池江は当舞台で好走の傾向が強い組み合わせです。
生産牧場
生産牧場別の勝率／複勝率
- ノーザンファーム：11.0%／29.4%
- 社台ファーム：9.4%／26.6%
- 白老ファーム：9.2%／26.0%
出走数の多い大規模牧場は総じて安定。
長距離向けにスピードとパワーを高比率で配合する牧場は、札幌のタフな砂で強みを示します。
まとめ
- 枠：内〜中やや良。道中のロスを抑えられる配置がプラス。外は発馬と位置取り次第で妙味
- 展開：ラップは後傾でロングスパートの持続力が必要
- 脚質：先行を軸に、差しは展開が噛み合えば好走の傾向。極端な追込過信はNG
- 血統：洋芝×パワー持続が王道です。道悪ならゴールドシップ／キタサンブラック／オルフェーヴルの優位性がさらに増す
- 騎手：札幌巧者のルメール・横山武史・鮫島克駿・横山和生を素直に評価
