主な開催重賞
- 巴賞(OP・芝1800m)
函館芝1800mは右回り・小回りの中距離。
直線は約262mと短く、1~2コーナーまでの距離も短いため序盤のポジショニングが重要です。
洋芝でパワーと持続力が問われ、内を先に確保してロスなく運ぶのが王道です。
コース構造と特徴
右回り・芝の二ターン。
スタンド前からの発走で1コーナーまでの距離は短め。
序盤で内を確保できるかがカギとなります。
3〜4角はタイトで外々を回すと距離ロスが拡大。
直線は約262mと短く、4角までに射程圏へ進出しておく必要があります。
開催進行と仮柵
芝はA→B→Cと仮柵を移動します。
開幕直後は内の芝がフレッシュで内先行が粘りやすい傾向。
週が進むにつれ内の傷みが進行し、外目の伸びや差しの好走の傾向が徐々に強まります。
降雨で含水が上がる週は外の伸びが相対的に良化し、前受けタイプの粘りも増します。
当日の含水率・内外の馬場差・風向は必ず確認しましょう。
展開ラップ傾向
ラップ傾向は後傾(緩→持続)が基本です。
前半1000mは60.5〜61.5で入りやすく、3角手前からのロングスパートで後半1000mは58.8〜57.8へ加速。
L3以降の持続加速と4角での機動力が勝負所です。
渋った馬場では中間がさらに緩みやすく、直線はパワーとトラクションの比べになります。
タイム水準(良馬場)
- 2歳・3歳未勝利:1:49.5〜1:48.3
- 1勝クラス:1:49.0〜1:47.8
- 2勝〜3勝クラス:1:48.5〜1:47.2
- オープン・L〜OP:1:48.0〜1:46.8
- 全体平均目安:1:48.8前後
稍重〜不良では見かけの時計はやや短縮する一方で、直線の瞬発力よりも道中の位置取りとL3の持続が重要になります。
4角での減速幅を小さくまとめられるタイプが有利です。
枠順傾向
枠順別の勝率/複勝率
- 1枠:11.6%/29.8%
- 2枠:11.2%/29.0%
- 3枠:10.6%/28.2%
- 4枠:9.8%/27.4%
- 5枠:9.2%/26.6%
- 6枠:8.6%/25.6%
- 7枠:8.0%/24.4%
- 8枠:7.6%/23.2%
内〜中枠がやや良です。
1コーナーまでが短く、序盤でロスなく隊列へ収まれる点が大きいです。
外枠は出脚と進路確保が決まれば妙味ですが、3〜4角で外々を回すロスは結果に直結します。
脚質傾向
脚質別の勝率/複勝率
- 逃げ:9.0%/26.0%
- 先行:12.8%/33.4%
- 差し:11.2%/30.0%
- 追込:5.4%/16.8%
先行>差し>追込が基本です。
番手〜3列目で脚を温存し、L3からの持続加速で押し切るのが王道です。
直線は短く極端な追込過信はNGです。
馬場状態別(脚質)
- 良:逃げ8.6%/25.4%・先行12.4%/32.8%・差し11.0%/29.6%・追込5.2%/16.4%
- 稍重:逃げ9.4%/26.6%・先行12.8%/33.6%・差し11.2%/30.2%・追込5.4%/16.8%
- 重:逃げ9.8%/27.2%・先行13.2%/34.2%・差し11.6%/30.6%・追込5.6%/17.2%
- 不良:逃げ10.2%/28.0%・先行13.6%/35.0%・差し11.8%/31.0%・追込5.8%/17.6%
渋るほど前受けの粘りが増し、良では差しの好走の傾向がわずかに上昇します。
騎手
騎手別の勝率/複勝率
- ルメール:14.2%/36.0%
- 横山武史:13.4%/34.4%
- 横山和生:12.8%/33.2%
- 鮫島克駿:11.2%/30.0%
- 丹内祐次:10.6%/28.6%
序盤で位置を取り、3〜4角で減速させずに回せる函館巧者が堅実。
人気馬の取りこぼしが少ない先行志向の騎手を素直に評価します。
血統(父/母父/父×母父)
父
種牡馬別の勝率/複勝率
- エピファネイア:12.8%/33.0%
- キタサンブラック:12.4%/32.6%
- ルーラーシップ:11.8%/31.4%
- ディープインパクト:11.2%/30.4%
- オルフェーヴル:10.8%/29.6%
スピード持続×底力の中距離型が合致。
洋芝で止まらないキタサン・ルーラー、機動力と持続のエピファ・オルフェが好走の傾向です。
母父
母父の勝率/複勝率
- キングカメハメハ:10.8%/29.2%
- フレンチデピュティ:10.4%/28.6%
- クロフネ:10.2%/28.2%
- ディープインパクト:10.0%/27.8%
- サンデーサイレンス:9.8%/27.4%
父に持続力、母父にミスプロ系/ND系/SS系のしなやかさを配す配合は、直線短いコースでの持続力勝負に強みを示します。
父×母父
父×母父の勝率/複勝率
- エピファネイア×キングカメハメハ:13.8%/34.8%
- キタサンブラック×サンデーサイレンス系:13.2%/34.0%
- ルーラーシップ×ディープインパクト:12.8%/33.2%
- オルフェーヴル×フレンチデピュティ:12.2%/32.4%
馬場状態別(血統・父)
- 良:ディープインパクト11.4%/30.6%・ルーラーシップ11.2%/30.2%・エピファネイア11.0%/30.0%
- 稍重:エピファネイア12.2%/32.4%・ルーラーシップ11.6%/31.0%・キタサンブラック11.6%/31.0%
- 重:キタサンブラック12.8%/33.6%・オルフェーヴル12.4%/33.0%・エピファネイア12.0%/32.2%
- 不良:ゴールドシップ13.4%/34.0%・キタサンブラック13.0%/33.6%・オルフェーヴル12.8%/33.2%
道悪では洋芝的パワー×持続型の優位が増します。
前受けできる持久力血統の信頼度がさらに高まります。
調教師
調教師別の勝率/複勝率
- 手塚貴久:12.2%/32.0%
- 須貝尚介:11.8%/31.2%
- 矢作芳人:11.2%/30.2%
- 池添学:10.8%/29.4%
- 中舘英二:10.4%/28.6%
滞在競馬で仕上げやすい厩舎と、北海道シリーズへの出走数の多い陣営が堅実。
先行力と持続力を引き出す調整で安定感を示します。
馬主
馬主別の勝率/複勝率
- シルクレーシング:12.4%/31.6%
- キャロットファーム:12.0%/31.0%
- サンデーレーシング:11.6%/30.4%
- ゴドルフィン:10.8%/28.8%
- G1レーシング:10.6%/28.4%
クラブ勢は出走数の多く、育成から持続力を重視したローテで好走の傾向です。
調教師×馬主
ノーザン系クラブ×中距離巧者厩舎が王道です。
シルク×手塚、キャロット×須貝、サンデーR×矢作の布陣は当舞台で好走の傾向が強い組み合わせです。
生産牧場
生産牧場別の勝率/複勝率
- ノーザンファーム:11.4%/29.8%
- 社台ファーム:9.8%/27.0%
- 白老ファーム:9.6%/26.6%
- 追分ファーム:9.4%/26.4%
- 三嶋牧場:9.2%/26.0%
出走数の多い大規模牧場は総じて安定。
スピード持続×パワーを高比率で配合する牧場が小回り中距離で強みを示します。
まとめ
- 枠:内〜中やや良。道中のロスを抑えられる配置がプラスで、外は発馬とコーナーワークが決まれば妙味
- 開催と芝:仮柵移動で序盤は内先行、開催後半は外差しの好走の傾向が強まる
- ラップ:後傾でロングスパートの持続力が鍵。4角での減速幅を小さくまとめることが重要
- 脚質:先行を軸に、差しは展開が噛み合えば好走の傾向。極端な追込過信はNG
- 血統:洋芝×パワー持続が王道です。道悪ならゴールドシップ/キタサンブラック/オルフェーヴルの優位性がさらに増す
- 騎手:函館巧者のルメール・横山武史・鮫島克駿・横山和生を素直に評価
