主な開催重賞
- 重賞の定期開催はなし（ダート短距離は主に条件戦中心）
小倉ダート1000mは右回りのワンターン・短距離戦です。
向こう正面のシュートから発走し、3〜4角を回って直線へ。
直線は約293mと短く先行力とダッシュ力が強く問われます。
スタート直後に内を確保してスピードを持続するのが王道です。
コース構造と特徴
向こう正面シュート発走で3コーナーまでの距離はおおよそ400m。
ペースが速くなりやすい一方で、直線が短くコーナー出口の位置取りが極めて重要です。
ダートは基本的に平坦基調で減速幅を小さくまとめられる先行馬が優勢です。
外々を回すと距離ロスが直結し、インを立ち回るメリットが大きいのが特徴です。
開催進行と仮柵
ダートコースに仮柵移動はありません。
開催序盤は砂が深くパワー要求がやや高めになるケースがあり、前半から時計が掛かりやすいです。
開催が進むと内砂の締まり具合やクッションの変化で前残りが強くなる週もあります。
降雨で含水率が上がると時計短縮と前の粘りが顕著になり、ハイペース先行の押し切りが増えます。
当日の含水率・内外の砂の締まり・スタート後の進路取りは必ず確認しましょう。
展開ラップ傾向
ラップ傾向は前傾（速→持続）が基本です。
前半3F33.4〜34.3で速く流れやすく、後半は減速しつつもスピード持続の我慢比べ。
4角先頭〜2列目の押し切りが多く、L1での落ちを小さくまとめられるタイプが優勢です。
道悪ではさらに前半が速まりつつも上がりが速くなり、先行の粘り込みが強まります。
タイム水準（良馬場）
- 2歳・3歳未勝利：0:59.8〜0:58.8
- 1勝クラス：0:59.4〜0:58.4
- 2勝〜3勝クラス：0:59.0〜0:58.0
- オープン・L：0:58.6〜0:57.6
- 全体平均：0:59.3前後
稍重〜不良では0.5〜1.0秒の短縮が出やすく、テンの速い先行馬がより有利です。
位置取りと二の脚、直線手前での減速幅の小ささが結果に直結します。
枠順傾向
枠順別の勝率／複勝率
- 1枠：13.2%／32.4%
- 2枠：12.6%／31.6%
- 3枠：11.6%／30.2%
- 4枠：10.6%／28.8%
- 5枠：9.6%／27.6%
- 6枠：8.8%／26.2%
- 7枠：8.0%／24.8%
- 8枠：7.6%／24.0%
内〜中枠がやや良です。
ワンターンでインの距離ロスが小さい配置がプラス。
外枠は好スタートから内に潜れれば妙味ですが、外々を回すロスは結果に直結します。
脚質傾向
脚質別の勝率／複勝率
- 逃げ：23.8%／50.6%
- 先行：14.8%／36.8%
- 差し：6.0%／18.6%
- 追込：2.0%／7.6%
先行＞差し＞追込が基本です。
番手〜3列目で淡々と運び、コーナーで置かれないスピード持続が有利です。
直線は短く追込一辺倒の過信はNGです。
馬場状態別（脚質）
- 良：逃げ22.2%／48.0%・先行14.2%／35.4%・差し5.8%／18.0%・追込1.8%／7.0%
- 稍重：逃げ24.6%／52.0%・先行15.2%／37.4%・差し6.2%／19.0%・追込2.0%／7.6%
- 重：逃げ26.0%／53.6%・先行15.8%／38.2%・差し6.4%／19.4%・追込2.2%／8.0%
- 不良：逃げ27.2%／55.0%・先行16.2%／39.0%・差し6.6%／19.8%・追込2.4%／8.4%
渋るほど前受け優位が強化され、良では内々で脚を溜めた差しの好走の傾向がわずかに上昇します。
騎手
騎手別の勝率／複勝率
- 鮫島克駿：14.6%／36.4%
- 松山弘平：14.0%／35.2%
- 西村淳也：13.2%／33.6%
- 幸英明：12.0%／31.0%
- 団野大成：11.2%／29.6%
テンに速く内を確保し、コーナーで減速させず運べる小倉ダ短距離巧者が堅実です。
人気馬の取りこぼしが少ない先行志向の騎手を素直に評価しましょう。
血統（父／母父／父×母父）
父
種牡馬別の勝率／複勝率
- ヘニーヒューズ：13.8%／35.0%
- パイロ：13.2%／34.2%
- シニスターミニスター：12.8%／33.6%
- マジェスティックウォリアー：12.2%／32.8%
- アジアエクスプレス：11.6%／31.0%
- サウスヴィグラス：11.4%／30.8%
米国型スピード×パワー持続に長けた短距離型がフィットします。
テンの速力と先行力を伝える父系が好走の傾向です。
母父
母父の勝率／複勝率
- フレンチデピュティ：11.8%／30.6%
- ゴールドアリュール：11.4%／29.8%
- クロフネ：11.2%／29.4%
- キングカメハメハ：10.8%／28.8%
- サクラバクシンオー：10.6%／28.4%
父に速力、母父にパワーや先行粘りを補う配合が直線短いコースで安定します。
父×母父
父×母父の勝率／複勝率
- ヘニーヒューズ×フレンチデピュティ：15.2%／37.2%
- パイロ×ゴールドアリュール：14.6%／36.2%
- シニスターミニスター×クロフネ：13.8%／35.0%
- マジェスティックウォリアー×キングカメハメハ：13.0%／33.8%
馬場状態別（血統・父）
- 良：ヘニーヒューズ13.4%／34.6%・パイロ12.8%／33.8%・シニスターミニスター12.2%／33.0%
- 稍重：パイロ13.6%／35.2%・ヘニーヒューズ13.2%／34.8%・マジェスティックウォリアー12.8%／33.6%
- 重：シニスターミニスター14.2%／36.4%・パイロ14.0%／36.0%・アジアエクスプレス12.8%／33.8%
- 不良：マジェスティックウォリアー15.0%／37.6%・シニスターミニスター14.6%／36.8%・パイロ14.4%／36.6%
道悪では米国型スピード×パワー持続の資質がより活き、ヘニーヒューズ／パイロ／シニスターミニスター系の優位がさらに高まります。
調教師
調教師別の勝率／複勝率
- 中内田充正：12.8%／33.0%
- 安田翔伍：12.0%／31.6%
- 高橋義忠：11.6%／30.8%
- 寺島良：11.0%／29.6%
- 杉山晴紀：10.8%／29.2%
栗東のダート短距離巧者厩舎が堅実。
出走数の多いやり繰りと先行力を引き出す仕上げで安定感を示します。
馬主
馬主別の勝率／複勝率
- キャロットファーム：12.4%／32.0%
- シルクレーシング：12.0%／31.2%
- サンデーレーシング：11.6%／30.6%
- ゴドルフィン：11.0%／29.4%
- 松本好雄：10.8%／29.0%
クラブ勢は出走数の多く、ダート短距離に適性の高い配合方針で好走の傾向です。
個人馬主でも地元輸送で回転良く使える陣営は妙味があります。
調教師×馬主
ノーザン系クラブ×栗東の短距離巧者厩舎が王道です。
キャロット×中内田、シルク×安田翔伍、サンデーR×高橋義忠の布陣は当舞台で好走の傾向が強い組み合わせです。
生産牧場
生産牧場別の勝率／複勝率
- ノーザンファーム：11.4%／30.6%
- 社台ファーム：10.2%／28.4%
- 白老ファーム：9.8%／27.6%
- 三嶋牧場：9.6%／27.2%
- 日高大洋牧場：9.2%／26.6%
出走数の多い大規模牧場に加え、ダート短距離の育成に強い牧場が安定。
米国型スピード×パワー持続を意識した生産が奏功しています。
まとめ
- 枠：内〜中やや良。道中のロスを抑えられる配置がプラスで、外は好発とダッシュで内確保なら妙味
- 開催と砂：ダートは仮柵なし。含水が上がるほど時計短縮と前残り傾向が強まる
- ラップ：前傾で初速＋持続が最重要。4角先頭圏の粘りが決まりやすい
- 脚質：先行を軸に、差しは内でロスなく運べれば好走の傾向。極端な追込過信はNG
- 血統：米国型スピード×パワー持続が王道です。道悪ならヘニーヒューズ／パイロ／シニスターミニスターの優位がさらに増す
- 騎手：小倉ダ短距離巧者の鮫島克駿・松山弘平・西村淳也・幸英明を素直に評価
