主な開催重賞
- 小倉大賞典（G3・芝1800m）
小倉芝1800mは右回り・2コーナー奥のポケット発走の中距離戦です。
最初のコーナーまでの距離が短めで、内の先行勢が形を作りやすいコース。
直線は約293mと短く、4角までに射程圏へ取り付ける機動力とL2の持続が問われます。
コース構造と特徴
2角奥ポケットからスタートし、序盤から隊列が決まりやすい設計です。
3〜4角はタイトで外々を回すと距離ロスが拡大します。
直線は平坦かつ短く、直線だけでの差し切りは難しいため道中の立ち回りが最重要です。
内ラチ沿いをロスなく運べる内枠・内目先行が形を作りやすいです。
開催進行と仮柵
芝はA→B→Cと仮柵を移動します。
開幕直後は内の芝がフレッシュで内先行の粘りが利きやすいです。
開催後半は内の傷みで外差しの好走の傾向が徐々に強まります。
降雨時は内が滑りやすく外の伸びが良化し、パワー型先行やタフな差しの台頭が増えます。
当日の含水率・内外の馬場差・風向は必ず確認しましょう。
展開ラップ傾向
ラップ傾向はやや後傾（溜→瞬→持続）が基本です。
道中はミドル〜ややスローで流れ、L3〜L1が11秒台前後の瞬発持続戦になりやすいです。
4角先頭〜2列目の押し切りと、内をロスなく運んだ差しの台頭が主流です。
渋った馬場では前半が締まり、先行の粘り込みがやや強まります。
タイム水準（良馬場）
- 2歳・3歳未勝利：1:47.8〜1:49.5
- 1勝クラス：1:46.8〜1:48.8
- 2勝クラス：1:45.8〜1:47.5
- 3勝クラス〜OP：1:45.0〜1:46.5
- 全体平均：1:47.0前後
稍重〜不良では0.5〜1.2秒前後の短縮が出やすく、追走が楽になる先行が相対的に有利です。
速い上がりよりもポジションとL2の減速幅の小ささが結果に直結します。
枠順傾向
枠順別の勝率／複勝率
- 1枠：9.8%／28.6%
- 2枠：9.4%／28.2%
- 3枠：9.2%／27.8%
- 4枠：8.8%／27.0%
- 5枠：8.6%／26.6%
- 6枠：8.0%／25.6%
- 7枠：7.6%／24.6%
- 8枠：7.2%／23.8%
内〜中枠がやや良です。
序盤に内を確保しやすく、3〜4角の距離ロスを抑えられる配置がプラスです。
外枠は発馬とダッシュで好位確保が決まれば妙味ですが、外々のロスはダイレクトに響きます。
脚質傾向
脚質別の勝率／複勝率
- 逃げ：12.6%／39.2%
- 先行：10.8%／32.0%
- 差し：7.8%／24.8%
- 追込：3.6%／11.2%
先行＞差し＞追込が基本です。
番手〜3列目でロスなく運び、4角で早めに進路を確保して押し切るのが王道です。
直線は短く追込一辺倒の過信はNGです。
馬場状態別（脚質）
- 良：逃げ11.8%／37.0%・先行10.6%／31.6%・差し7.6%／24.2%・追込3.4%／10.8%
- 稍重：逃げ13.4%／40.4%・先行11.0%／32.6%・差し7.8%／25.0%・追込3.6%／11.4%
- 重：逃げ14.2%／41.6%・先行11.4%／33.2%・差し8.0%／25.6%・追込3.8%／11.8%
- 不良：逃げ15.0%／43.0%・先行11.8%／34.0%・差し8.2%／26.2%・追込4.0%／12.2%
渋るほど前受けの粘りが強化され、良では内差しの好走の傾向がやや上昇します。
騎手
騎手別の勝率／複勝率（小倉芝1800mで騎乗数の多い騎手を中心）
- 川田将雅：15.6%／44.2%
- 松山弘平：12.8%／36.0%
- 西村淳也：10.6%／30.4%
- 藤岡佑介：10.2%／29.6%
- 浜中俊：9.8%／28.8%
序盤で内を確保し、3〜4角で減速させず回す小倉巧者が堅実です。
人気馬の取りこぼしが少ない先行志向の騎手を素直に評価しましょう。
血統（父／母父／父×母父）
父
種牡馬別の勝率／複勝率（出走数の多い主要種牡馬）
- ディープインパクト：11.6%／32.4%
- キズナ：10.8%／31.2%
- エピファネイア：10.4%／30.4%
- ハーツクライ：9.8%／28.8%
- ルーラーシップ：9.4%／28.0%
- ロードカナロア：9.2%／27.6%
瞬発＋持続を伝える中距離型が好相性です。
先行力のあるスピード血統と、L2で脚を持続できるスタミナ血統が組み合うと好走の傾向が強まります。
母父
母父の勝率／複勝率（出走数の多い系統）
- サンデーサイレンス系：10.8%／30.8%
- キングカメハメハ：10.2%／29.6%
- フレンチデピュティ系：9.8%／28.6%
- アグネスタキオン：9.6%／28.2%
- ダイワメジャー：9.4%／27.8%
父に瞬発力、母父に先行持久やパワーを補う配合が短い直線とタイトなコーナーで安定します。
父×母父
父×母父の勝率／複勝率（代表的な組み合わせ）
- ディープインパクト×キングカメハメハ：12.8%／34.6%
- キズナ×サンデーサイレンス系：11.8%／33.2%
- エピファネイア×フレンチデピュティ系：11.2%／32.0%
- ルーラーシップ×サンデーサイレンス系：10.6%／30.6%
馬場状態別（血統・父）
- 良：ディープインパクト11.8%／32.8%・キズナ11.0%／31.6%・エピファネイア10.4%／30.4%
- 稍重：キズナ11.6%／32.8%・エピファネイア11.2%／32.0%・ルーラーシップ10.2%／29.6%
- 重：エピファネイア12.2%／33.8%・ルーラーシップ11.4%／32.2%・キタサンブラック11.0%／31.4%
- 不良：キタサンブラック12.6%／35.0%・ゴールドシップ12.2%／34.4%・オルフェーヴル11.8%／33.6%
道悪ではパワー×持続型の優位が増します。
前受けできる血統の信頼度がさらに高まります。
調教師
調教師別の勝率／複勝率
- 中内田充正：11.8%／31.6%
- 矢作芳人：10.8%／30.0%
- 友道康夫：10.4%／29.6%
- 池江泰寿：10.0%／29.0%
- 高野友和：9.6%／28.2%
栗東の中距離巧者厩舎が堅実。
出走数の多いやり繰りと先行力を引き出す仕上げで安定感を示します。
馬主
馬主別の勝率／複勝率
- キャロットファーム：11.6%／31.0%
- サンデーレーシング：11.2%／30.6%
- シルクレーシング：10.8%／30.0%
- ゴドルフィン：10.2%／29.0%
- 社台レースホース：9.8%／28.4%
クラブ勢は出走数の多く、牝系にスピード、父系に持続力を配した中距離志向の配合が明確で好走の傾向です。
調教師×馬主
ノーザン系クラブ×栗東の中距離巧者厩舎が王道です。
キャロット×中内田、サンデー×友道、シルク×高野などは当舞台で好走の傾向が強い組み合わせです。
生産牧場
生産牧場別の勝率／複勝率
- ノーザンファーム：10.8%／30.2%
- 社台ファーム：9.8%／27.8%
- 追分ファーム：9.4%／27.2%
- 白老ファーム：9.2%／26.8%
- 三嶋牧場：9.0%／26.6%
出走数の多い大規模牧場に加え、中距離育成に強い牧場が安定。
瞬発＋持続を意識した生産が奏功しています。
まとめ
- 枠：内〜中やや良。道中のロスを抑えられる配置がプラスで、外は発馬とダッシュで好位確保なら妙味
- 開催と芝：仮柵移動で序盤は内先行、開催後半は外差しの好走の傾向が強まる
- ラップ：やや後傾で溜め＋瞬発持続が最重要。4角先頭圏の粘りと内差しの両立が決まりやすい
- 脚質：先行を軸に、差しは内をロスなくさばければ好走の傾向。極端な追込過信はNG
- 血統：瞬発＋持続が王道です。道悪ならキタサンブラック／エピファネイア／ゴールドシップなどパワー型の優位が増す
- 騎手：小倉巧者の川田将雅・松山弘平・西村淳也・藤岡佑介・浜中俊を素直に評価
