主な開催重賞
- 小倉記念（G3・芝2000m）
小倉芝2000mは右回り・小回りの中距離戦。
直線は約293mと短く、3〜4角のコーナーワークとコーナー出口での加速力が重要です。
スタートから最初のコーナーまでがやや短く、内を先に確保して好位で立ち回るのが王道です。
コース構造と特徴
スタンド前発走で1コーナーまでの距離は約270m前後。
1〜2角は緩い上り、向こう正面はほぼ平坦、4角〜直線にかけて緩やかな上りがあります。
3〜4角はタイトで減速しやすく、外々を回すと距離ロスが拡大します。
直線は約293mと短く、4角出口での加速とL2〜L1の持続力が求められます。
開催進行と仮柵
芝はA→B→Cの順で仮柵を移動します。
開幕週は内の芝がフレッシュで内先行が粘りやすい傾向。
開催後半は内が荒れて外差しの好走の傾向が徐々に強まります。
降雨で含水が上がると外目の伸びが良化しやすい一方、先行馬の粘りも強くなります。
当日の含水率・内外の馬場差・風向は必ずチェックしましょう。
展開ラップ傾向
ラップ傾向は後傾（緩→加速）が基本です。
前半1000m60.5〜61.7で流れて中盤に緩みを作り、後半1000mは58.6〜59.6の加速勝負。
4角先頭〜2列目の押し切りと、内目で脚を溜めてコーナーで進出する差しが主流です。
道悪時は緩みが減って持続戦になり、前受けの粘りが増します。
タイム水準（良馬場）
- 新馬・未勝利（2〜3歳）：2:02.8〜2:00.8
- 1勝クラス：2:01.8〜1:59.8
- 2勝〜3勝クラス：2:01.0〜1:58.8
- オープン・L〜重賞：1:59.8〜1:57.8
- 全体平均：2:00.8前後
稍重〜不良では1秒前後の時計短縮が出やすく、上がり勝負よりも位置取りとL2〜L1の持続が結果に直結します。
枠順傾向
枠順別の勝率／複勝率
- 1枠：12.8%／31.2%
- 2枠：11.6%／30.4%
- 3枠：10.8%／29.6%
- 4枠：9.8%／28.4%
- 5枠：9.4%／27.6%
- 6枠：8.6%／26.2%
- 7枠：8.0%／25.0%
- 8枠：7.6%／24.2%
内〜中枠がやや良です。
1角までが短く内でロスを抑えやすい配置がプラス。
外枠は好発・二の脚で好位を取れれば妙味ですが、外々を回すロスは結果に直結します。
脚質傾向
脚質別の勝率／複勝率
- 逃げ：14.8%／36.0%
- 先行：12.4%／33.0%
- 差し：7.8%／23.6%
- 追込：4.2%／13.8%
先行＞差し＞追込が基本です。
番手〜3列目でロスなく運び、4角で進出して押し切るのが王道です。
直線が短く追込一辺倒の過信はNGです。
馬場状態別（脚質）
- 良：逃げ13.6%／34.0%・先行12.0%／32.4%・差し7.6%／23.2%・追込4.0%／13.4%
- 稍重：逃げ15.2%／36.6%・先行12.6%／33.2%・差し7.8%／23.6%・追込4.2%／13.8%
- 重：逃げ16.0%／37.2%・先行12.8%／33.8%・差し8.0%／24.0%・追込4.4%／14.2%
- 不良：逃げ17.0%／38.0%・先行13.2%／34.6%・差し8.2%／24.4%・追込4.6%／14.6%
渋るほど前受け優位が強化されますが、良では内で脚を溜めた差しの好走の傾向がやや上昇します。
騎手
騎手別の勝率／複勝率
- 松山弘平：13.6%／34.2%
- 和田竜二：12.8%／32.6%
- 藤岡佑介：12.2%／31.8%
- 団野大成：11.8%／30.8%
- 幸英明：11.0%／29.6%
内をロスなく立ち回り、3〜4角で減速させず進出できる小倉巧者を素直に評価しましょう。
人気馬の取りこぼしが少ない先行志向の騎手が堅実です。
血統（父／母父／父×母父）
父
種牡馬別の勝率／複勝率
- ディープインパクト系（ディープ／キズナ等）：12.8%／33.4%
- ハーツクライ：12.2%／32.2%
- エピファネイア：11.8%／31.6%
- ハービンジャー：11.4%／30.8%
- ルーラーシップ：10.8%／29.8%
- キタサンブラック：10.6%／29.4%
瞬発×持続のバランスに優れた中距離型がフィット。
コーナーで加速できるディープ系・エピファ系、パワー持続のハービンジャー系が好走の傾向です。
母父
母父の勝率／複勝率
- キングカメハメハ：11.6%／31.0%
- フレンチデピュティ：11.2%／30.2%
- サンデーサイレンス：11.0%／29.8%
- ネオユニヴァース：10.8%／29.4%
- シンボリクリスエス：10.6%／29.0%
父に瞬発力、母父にパワーや先行粘りを補う配合が直線短い小倉で安定します。
父×母父
父×母父の勝率／複勝率
- ディープインパクト×キングカメハメハ：14.6%／36.6%
- キズナ×フレンチデピュティ：13.6%／35.0%
- エピファネイア×サンデーサイレンス系：13.0%／34.0%
- ハービンジャー×ネオユニヴァース：12.4%／32.8%
馬場状態別（血統・父）
- 良：ディープ系12.8%／33.6%・エピファネイア11.6%／31.2%・ハービンジャー11.2%／30.6%
- 稍重：ハービンジャー12.4%／33.0%・キタサンブラック11.8%／31.4%・ディープ系11.6%／31.0%
- 重：ゴールドシップ12.8%／33.8%・キタサンブラック12.6%／33.2%・オルフェーヴル12.2%／32.6%
- 不良：ゴールドシップ13.6%／35.0%・オルフェーヴル13.2%／34.4%・キタサンブラック12.8%／33.8%
道悪ではパワー持続型（ゴルシ／キタサン／オルフェ系）の優位が増し、先行粘りの信頼度がさらに高まります。
調教師
調教師別の勝率／複勝率
- 友道康夫：13.2%／34.0%
- 池江泰寿：12.6%／33.2%
- 須貝尚介：11.8%／31.6%
- 矢作芳人：11.2%／30.6%
- 斉藤崇史：10.8%／29.8%
栗東の中距離巧者厩舎が堅実。
出走数の多いやり繰りと先行力を引き出す仕上げで安定感を示します。
馬主
馬主別の勝率／複勝率
- サンデーレーシング：12.8%／33.0%
- キャロットファーム：12.4%／32.4%
- シルクレーシング：12.0%／31.6%
- 社台レースホース：11.0%／29.6%
- ゴドルフィン：10.8%／29.2%
クラブ勢は出走数の多く、中距離適性の明確な配合方針で好走の傾向です。
調教師×馬主
ノーザン系クラブ×栗東の中距離巧者厩舎が王道です。
サンデーR×友道、キャロット×池江、シルク×斉藤崇の布陣は当舞台で好走の傾向が強い組み合わせです。
生産牧場
生産牧場別の勝率／複勝率
- ノーザンファーム：11.8%／31.4%
- 社台ファーム：10.2%／28.4%
- 白老ファーム：9.8%／27.6%
- 追分ファーム：9.6%／27.2%
- ダーレー・ジャパンF：9.4%／27.0%
出走数の多い大規模牧場に加え、中距離育成に強い牧場が安定。
瞬発×持続を意識した生産が奏功しています。
まとめ
- 枠：内〜中やや良。道中のロスを抑えられる配置がプラスで、外は発馬と二の脚で好位確保なら妙味
- 開催と芝：仮柵移動で序盤は内先行、開催後半は外差しの好走の傾向が強まる
- ラップ：後傾で溜め→加速が最重要。4角先頭圏の粘りと内からの進出が決まりやすい
- 脚質：先行を軸に、差しはコーナーで進出できれば好走の傾向。極端な追込過信はNG
- 血統：瞬発×持続が王道です。道悪ならゴールドシップ／キタサンブラック／オルフェーヴルの優位がさらに増す
- 騎手：小倉巧者の松山弘平・和田竜二・藤岡佑介・団野大成を素直に評価
