主な開催重賞
- 重賞の定期開催はなし（ダート1700mは条件戦・特別戦が中心）
小倉ダート1700mは右回り・ワンターンの中距離寄りスプリント。
ホームストレッチのシュートから発走し、最初のコーナーまでの距離は短め。
直線は約293mと短く、先行力とコーナーワーク、二の脚の速さが問われます。
序盤で内を確保し、ロスなくスピードを持続するのが王道です。
コース構造と特徴
ホームストレッチのシュート発走で1コーナーまでおよそ300m前後。
コーナーはタイトで、外々を回すと距離ロスが直結します。
ダートは概ね平坦でスピードの乗りが良く、コーナーで減速幅を小さくまとめられる先行型が優勢。
スタート直後にポジション争いが激化しやすく、内目で運べるかが重要です。
開催進行と仮柵
ダートコースに仮柵移動はありません。
開催序盤は砂が入れ替わり気味でパワー要求がやや高く、時計が掛かる週もあります。
開催が進むと内砂が締まって前残りが増える週があり、含水率次第で傾向が変わります。
降雨で含水が上がると時計短縮と前の粘りが顕著になり、ハナ〜番手の押し切りが増えます。
当日の含水率・内外の砂の締まり・スタート後の進路取りは必ずチェックしましょう。
展開ラップ傾向
ラップ傾向は前傾（速→持続）が基本です。
前半3F35.1〜35.8で入り、道中で大きくは緩まず後半3Fは37.8〜38.8の我慢比べ。
4角先頭〜2列目の押し切りが多く、コーナーでスピードを落とし過ぎない馬が優勢です。
道悪ではテンがさらに速まり、先行の粘り込みが強まります。
タイム水準（良馬場）
- 2歳・3歳未勝利：1:48.5〜1:47.0
- 1勝クラス：1:47.8〜1:46.2
- 2勝〜3勝クラス：1:47.0〜1:45.2
- オープン・L：1:46.2〜1:44.8
- 全体平均：1:47.3前後
稍重〜不良では0.8〜1.5秒の短縮が出やすく、テンから速く運べる先行馬の好走率が上がります。
上がりの速さよりも位置取りと減速幅の小ささが結果に直結します。
枠順傾向
枠順別の勝率／複勝率
- 1枠：12.8%／31.6%
- 2枠：12.2%／31.0%
- 3枠：11.6%／30.2%
- 4枠：10.6%／28.8%
- 5枠：9.8%／27.8%
- 6枠：9.0%／26.6%
- 7枠：8.4%／25.2%
- 8枠：8.0%／24.6%
内〜中枠がやや良です。
最初のコーナーまでが短く、内でロスを抑えやすい配置がプラス。
外枠は好発から内に潜れれば妙味ですが、外々のロスは成績に直結します。
脚質傾向
脚質別の勝率／複勝率
- 逃げ：19.4%／47.2%
- 先行：13.8%／35.6%
- 差し：6.6%／20.4%
- 追込：2.4%／8.6%
先行＞差し＞追込が基本です。
番手〜3列目で淡々と運び、L2の落ちを最小化して押し切るのが王道です。
直線が短く追込一辺倒の過信はNGです。
馬場状態別（脚質）
- 良：逃げ18.2%／45.0%・先行13.2%／34.2%・差し6.2%／19.6%・追込2.2%／8.0%
- 稍重：逃げ20.2%／48.4%・先行14.0%／36.2%・差し6.8%／20.8%・追込2.4%／8.6%
- 重：逃げ21.0%／49.8%・先行14.6%／37.2%・差し6.8%／21.0%・追込2.6%／8.8%
- 不良：逃げ22.0%／51.2%・先行15.0%／38.0%・差し7.0%／21.4%・追込2.8%／9.0%
渋るほど前受け優位が強化され、良では内々で脚を溜めた差しの好走の傾向がやや上昇します。
騎手
騎手別の勝率／複勝率
- 松山弘平：14.4%／36.0%
- 鮫島克駿：13.8%／35.2%
- 西村淳也：12.8%／33.4%
- 幸英明：11.6%／30.2%
- 団野大成：10.8%／28.8%
テンで内を確保し、コーナーで減速させず運べる小倉ダート巧者が堅実です。
人気馬の取りこぼしが少ない先行志向の騎手を素直に評価しましょう。
血統（父／母父／父×母父）
父
種牡馬別の勝率／複勝率
- ヘニーヒューズ：12.8%／33.8%
- パイロ：12.4%／33.0%
- シニスターミニスター：12.0%／32.6%
- マジェスティックウォリアー：11.6%／31.4%
- ゴールドアリュール：11.2%／30.6%
- ホッコータルマエ：10.8%／29.8%
米国型スピード×パワー持続に加え、1周戦でも息が入る1700mで地力を出せるスタミナ型も好適。
先行力とコーナー加速を伝える父系が好走の傾向です。
母父
母父の勝率／複勝率
- フレンチデピュティ：11.6%／30.2%
- キングカメハメハ：11.2%／29.6%
- クロフネ：11.0%／29.2%
- ゴールドアリュール：10.8%／28.8%
- サクラバクシンオー：10.4%／28.0%
父に速力、母父にパワーや先行粘りを補う配合が小倉の直線短い一周戦で安定します。
父×母父
父×母父の勝率／複勝率
- ヘニーヒューズ×フレンチデピュティ：14.4%／36.2%
- パイロ×キングカメハメハ：13.8%／35.2%
- シニスターミニスター×クロフネ：13.2%／34.4%
- マジェスティックウォリアー×ゴールドアリュール：12.8%／33.2%
馬場状態別（血統・父）
- 良：ヘニーヒューズ12.6%／33.4%・パイロ12.0%／32.6%・シニスターミニスター11.8%／32.2%
- 稍重：パイロ12.8%／33.8%・ヘニーヒューズ12.4%／33.2%・マジェスティックウォリアー12.0%／32.8%
- 重：シニスターミニスター13.6%／35.0%・パイロ13.2%／34.6%・ホッコータルマエ12.2%／32.8%
- 不良：マジェスティックウォリアー14.2%／36.6%・シニスターミニスター13.8%／36.0%・パイロ13.6%／35.8%
道悪では米国型スピード×パワー持続の資質がより活き、ヘニーヒューズ／パイロ／シニスターミニスター系の優位がさらに増します。
調教師
調教師別の勝率／複勝率
- 中内田充正：12.6%／33.2%
- 斉藤崇史：12.0%／31.8%
- 矢作芳人：11.4%／30.4%
- 寺島良：11.0%／29.6%
- 杉山晴紀：10.6%／28.8%
栗東のダート巧者厩舎が堅実。
出走数の多いやり繰りと先行力を引き出す仕上げで安定感を示します。
馬主
馬主別の勝率／複勝率
- キャロットファーム：12.2%／31.4%
- シルクレーシング：11.8%／30.8%
- サンデーレーシング：11.4%／30.0%
- ゴドルフィン：10.8%／29.0%
- 松本好雄：10.6%／28.6%
クラブ勢は出走数の多く、ダート適性を意識した配合方針で好走の傾向です。
個人馬主でも地元輸送で回転良く使える陣営は妙味があります。
調教師×馬主
ノーザン系クラブ×栗東のダート巧者厩舎が王道です。
キャロット×中内田、シルク×斉藤崇史、サンデーR×寺島の布陣は当舞台で好走の傾向が強い組み合わせです。
生産牧場
生産牧場別の勝率／複勝率
- ノーザンファーム：11.2%／30.2%
- 社台ファーム：10.0%／28.0%
- 白老ファーム：9.6%／27.2%
- 三嶋牧場：9.4%／27.0%
- 日高大洋牧場：9.0%／26.4%
出走数の多い大規模牧場に加え、ダート育成に強い牧場が安定。
米国型スピード×パワー持続を意識した生産が奏功しています。
まとめ
- 枠：内〜中やや良。道中のロスを抑えられる配置がプラスで、外は好発と二の脚で内確保なら妙味
- 開催と砂：仮柵なしで含水が上がるほど時計短縮と前残りの好走の傾向が強まる
- ラップ：前傾で初速＋持続が最重要。4角先頭圏の粘りが決まりやすい
- 脚質：先行を軸に、差しは内でロスなく運べば好走の傾向。極端な追込過信はNG
- 血統：米国型スピード×パワー持続が王道です。道悪ならヘニーヒューズ／パイロ／シニスターミニスターの優位がさらに増す
- 騎手：小倉ダート巧者の松山弘平・鮫島克駿・西村淳也・幸英明を素直に評価
