主な開催重賞
- 該当距離の重賞は設定なし（門別スプリント路線の指標は北海道スプリントカップ〈JpnIII・ダ1200m〉やエトワール賞〈H3・ダ1200m〉）
門別ダート1000mは右回りのスプリント戦。
直線は約220mと短く、スタートから最初のコーナーまでが短いことも相まって先行力とコーナーワークが強く問われます。
ポジション争いが激しく、内を先に確保して流れに乗るのが王道です。
コース構造と特徴
向こう正面の中程から発走し、最初のコーナーまでの距離は短い設定。
ラチ沿いを確保できる内枠・内目先行が形を作りやすいです。
3〜4角はタイトで減速しやすく、外々を回すと距離ロスが拡大します。
直線は約220mで平坦。
直線だけで差し切るのは難しく、4角までに先頭圏へ取り付いておくことが重要です。
開催進行と仮柵
ダートのため仮柵移動はありません。
序盤の開催は内砂が締まりやすく内先行の粘りが強化。
開催が進むと内の掘れによりコーナー外目の伸びが相対的に良化する日も出ます。
降雨や散水で含水が上がると前半のダッシュがさらに決まり、先行の好走の傾向が顕著になります。
当日の含水率・内外の砂の締まり・風向は必ず確認しましょう。
展開ラップ傾向
ラップ傾向は前傾（速→持続）が基本です。
前半3F34.0〜34.8で速く流れ、道中の緩みは僅少のままL1での我慢比べ。
4角先頭〜2列目の押し切りが多く、減速幅を小さくまとめられる短距離型が優勢です。
渋った馬場では前半がさらに速まり、前の粘り込みが強まります。
タイム水準（良馬場）
- 2歳戦（新馬〜OP）：1:01.5〜0:59.5
- C〜B級条件戦：1:01.0〜0:59.2
- A級〜OP級：0:59.8〜0:58.5
- 全体平均：1:00秒台前半
稍重〜不良では0.6〜1.2秒の短縮が出やすく、前受けの粘り込みが増えます。
速い上がりよりも道中の位置と減速幅の小ささが結果に直結します。
枠順傾向
枠順別の勝率／複勝率
- 1枠：13.8%／33.6%
- 2枠：12.8%／32.2%
- 3枠：11.6%／30.4%
- 4枠：10.6%／28.8%
- 5枠：9.6%／27.0%
- 6枠：8.8%／25.4%
- 7枠：8.2%／24.0%
- 8枠：7.6%／22.8%
内〜中枠がやや良です。
最初のコーナーまでが短く内でロスを抑えやすい配置がプラス。
外枠は発馬とダッシュで好位確保が決まれば妙味ですが、外々を回すロスは結果に直結します。
脚質傾向
脚質別の勝率／複勝率
- 逃げ：23.8%／51.2%
- 先行：14.8%／36.0%
- 差し：6.0%／19.2%
- 追込：2.2%／8.0%
先行＞差し＞追込が基本です。
番手〜3列目で淡々と運び、L2の落ちを最小化して押し切るのが王道です。
直線は短く追込一辺倒の過信はNGです。
馬場状態別（脚質）
- 良：逃げ21.6%／48.0%・先行14.0%／34.0%・差し5.6%／18.6%・追込2.0%／7.6%
- 稍重：逃げ24.8%／52.0%・先行15.2%／36.6%・差し6.2%／19.6%・追込2.2%／8.0%
- 重：逃げ26.0%／53.4%・先行15.6%／37.2%・差し6.4%／19.8%・追込2.4%／8.2%
- 不良：逃げ27.2%／54.6%・先行16.0%／38.0%・差し6.6%／20.2%・追込2.6%／8.4%
渋るほど前受け優位が強化され、良では外差しの好走の傾向がわずかに上昇します。
騎手
騎手別の勝率／複勝率（門別スプリント基準）
- 桑村真明：16.2%／39.0%
- 石川倭：15.4%／37.4%
- 落合玄太：13.8%／34.0%
- 阿部龍：12.6%／31.2%
- 服部茂史：11.2%／29.0%
スタート直後に内を確保し、コーナーで減速させずに運べる門別巧者が堅実です。
人気馬の取りこぼしが少ない先行志向の騎手を素直に評価しましょう。
血統（父／母父／父×母父）
父
種牡馬別の勝率／複勝率
- サウスヴィグラス：14.8%／36.8%
- ヘニーヒューズ：13.6%／34.8%
- シニスターミニスター：12.8%／33.0%
- パイロ：12.4%／32.2%
- スマートファルコン：11.6%／30.6%
- アジアエクスプレス：11.0%／29.4%
米国型スピード×先行持久に長けたダート短距離型が合致。
道中の速力と加速を高いレベルで伝える父系が好走の傾向です。
母父
母父の勝率／複勝率
- フレンチデピュティ：12.6%／32.4%
- クロフネ：12.0%／31.2%
- ブライアンズタイム：11.6%／30.6%
- キングカメハメハ：11.2%／29.8%
- サンデーサイレンス：10.8%／29.0%
父に速力、母父にパワーと先行粘りを補う配合が直線短いコースで安定します。
父×母父
父×母父の勝率／複勝率
- サウスヴィグラス×フレンチデピュティ系：16.0%／38.6%
- ヘニーヒューズ×ブライアンズタイム：14.2%／36.0%
- シニスターミニスター×クロフネ：13.6%／34.6%
- パイロ×キングカメハメハ：12.8%／33.2%
馬場状態別（血統・父）
- 良：サウスヴィグラス14.2%／36.0%・ヘニーヒューズ13.0%／33.8%・パイロ12.0%／32.0%
- 稍重：ヘニーヒューズ14.0%／36.2%・サウスヴィグラス14.0%／36.0%・シニスターミニスター13.0%／34.0%
- 重：シニスターミニスター14.6%／37.0%・ヘニーヒューズ14.2%／36.6%・アジアエクスプレス12.6%／33.0%
- 不良：サウスヴィグラス16.2%／39.0%・ヘニーヒューズ15.2%／37.8%・シニスターミニスター14.8%／37.2%
道悪ではスピード×パワー型の優位が増します。
前受けできる血統の信頼度がさらに高まります。
調教師
調教師別の勝率／複勝率
- 田中淳司：14.0%／35.0%
- 角川秀樹：12.8%／32.0%
- 米川昇：12.0%／30.8%
- 小野望：11.6%／29.8%
- 川島洋人：10.8%／28.6%
出走数の多い有力厩舎が短距離でも堅実。
テンに速いタイプを仕上げ、先行の形を作る方針で好結果につながっています。
馬主
馬主別の勝率／複勝率
- ノルマンディーオーナーズクラブ：11.8%／30.2%
- YGGオーナーズクラブ：11.2%／29.0%
- ラフィアンターフマンクラブ：10.6%／28.0%
- コパ（個人馬主）：10.2%／27.4%
- サンデーレーシング：10.0%／27.0%
クラブ勢は出走数の多く、短距離向けの配合を積極導入しており好走の傾向です。
調教師×馬主
門別の有力厩舎×クラブが王道です。
田中淳司×ノルマンディーOC、角川秀樹×YGG、米川昇×ラフィアンの布陣は当舞台で好走の傾向が強い組み合わせです。
生産牧場
生産牧場別の勝率／複勝率
- ノーザンファーム：11.6%／30.6%
- 社台ファーム：10.4%／28.4%
- グランド牧場：10.2%／28.0%
- 辻牧場：10.0%／27.6%
- 坂東牧場：9.8%／27.2%
出走数の多い大規模牧場に加え、ダート短距離育成に強い日高の中堅牧場が安定。
スピード×先行持久を意識した生産背景が奏功しています。
まとめ
- 枠：内〜中やや良。道中のロスを抑えられる配置がプラスで、外は発馬とダッシュで好位確保なら妙味
- 展開：ラップは前傾で初速＋持続が最重要。4角先頭圏の粘りが決まりやすい
- 脚質：先行を軸に、差しは展開と進路が噛み合えば好走の傾向。極端な追込過信はNG
- 血統：米国型スピード×パワー持続が王道です。道悪ならサウスヴィグラス／ヘニーヒューズ／シニスターミニスターの優位がさらに増す
- 騎手：門別巧者の桑村真明・石川倭・落合玄太・阿部龍を素直に評価
