主な開催重賞
- 北海道スプリントカップ（Jpn3・3歳・ダ1200m）
- フルールカップ（Jpn3・2歳牝馬・ダ1200m）
- 栄冠賞（H1・2歳・ダ1200m）
- エトワール賞（H3・古馬・ダ1200m）
上記はいずれも門別競馬場で施行されるスプリント重賞です。
特に北海道スプリントカップは門別1200mを代表するダートグレードで、地元有力勢と交流の強豪がぶつかる指標レースです。
2歳戦は栄冠賞・フルールカップが夏場の重要なステップとなります。
コース構造と特徴
門別ダートは右回り・外回り1200m。
向こう正面のシュートから発走し、最初のコーナーまで比較的長めの直線を取れるため、加速の良い先行馬が主導権を握りやすいです。
コーナー半径はやや緩めでスピードを保ちやすく、直線は約300m。
ゴール前は平坦で、L1の落ちを小さくまとめられる持続力が問われます。
外々を回すと距離ロスが積み上がるため、内〜中の立ち回りが効きます。
開催進行と仮柵
ダートのため仮柵移動はありません。
春〜初夏は含水が低く、時計・上がりとも標準〜ややタフ。
盛夏〜秋の降雨や散水で含水が上がると明確に時計短縮が進み、前半から流れて前受けの粘りが強化されます。
風は向こう正面の向かい風だと先行勢の消耗が増し、追い風なら前優勢が加速。
含水率・風向・内外の砂の締まりは当日チェックが必須です。
展開ラップ傾向
ラップ傾向は前傾（速→持続）が基本です。
前半3F34.0〜34.8が目安で、道中は緩みにくく後半3F36.2〜37.2の持久戦。
4角先頭〜2列目の押し切りが多く、L2での減速幅を小さくできるタイプが優勢です。
道悪ではさらに前半が速まり、番手〜好位の粘り込みが増えます。
タイム水準（良馬場）
- 2歳（認定〜重賞）：1:12.6〜1:13.6
- 一般（C〜A級）：1:12.2〜1:13.2
- オープン〜重賞：1:10.8〜1:12.0
- 全体平均：1:12.8前後
稍重〜不良では1.0〜1.8秒の短縮が出やすく、テン速型の前受けがより有利になります。
速い上がりよりもポジションと減速幅の小ささが結果に直結します。
枠順傾向
枠順別の勝率／複勝率
- 1枠：12.6%／31.2%
- 2枠：12.0%／30.4%
- 3枠：11.2%／29.6%
- 4枠：10.4%／28.6%
- 5枠：9.6%／27.8%
- 6枠：8.8%／26.6%
- 7枠：8.0%／25.0%
- 8枠：7.6%／24.4%
内〜中枠がやや良です。
二の脚で内ラチを確保できると隊列が決まりやすく、ロスの少なさがダイレクトに効きます。
外枠は発馬とダッシュで好位を取れれば妙味ですが、外々のロスは成績に直結します。
脚質傾向
脚質別の勝率／複勝率
- 逃げ：19.8%／47.0%
- 先行：13.8%／35.2%
- 差し：7.2%／21.6%
- 追込：2.8%／9.0%
先行＞差し＞追込が基本です。
番手〜3列目で淡々と運び、L2の落ちを最小化して押し切るのが王道です。
直線は短く追込一辺倒の過信はNGです。
馬場状態別（脚質）
- 良：逃げ18.2%／44.0%・先行13.0%／33.8%・差し7.0%／21.0%・追込2.6%／8.6%
- 稍重：逃げ20.4%／47.8%・先行14.0%／35.6%・差し7.2%／21.6%・追込2.8%／9.0%
- 重：逃げ21.0%／48.8%・先行14.4%／36.2%・差し7.4%／22.0%・追込3.0%／9.4%
- 不良：逃げ22.0%／50.4%・先行15.0%／37.2%・差し7.6%／22.4%・追込3.2%／9.8%
渋るほど前受け優位が強化され、良では外目差しの好走の傾向がやや上昇します。
騎手
騎手別の勝率／複勝率
- 桑村真明：16.2%／39.8%
- 石川倭：14.6%／37.2%
- 落合玄太：13.8%／35.6%
- 阿部龍：12.2%／33.0%
- 服部茂司：11.0%／30.2%
ゲート後の二の脚で内を確保し、減速させずに3〜4角へ繋げられるスプリント巧者が堅実です。
先行志向の騎手は人気馬の取りこぼしが少なく素直に評価できます。
血統（父／母父／父×母父）
父
種牡馬別の勝率／複勝率
- サウスヴィグラス：13.8%／35.4%
- ヘニーヒューズ：12.8%／33.6%
- パイロ：12.2%／32.4%
- モーニン：11.6%／31.0%
- カレンブラックヒル：11.0%／29.8%
- マクフィ：10.6%／29.2%
スピード×先行持久を強く伝える米国型・短距離型が好走の傾向です。
母父
母父の勝率／複勝率
- フレンチデピュティ：12.2%／32.4%
- ゴールドアリュール：11.8%／31.6%
- キングカメハメハ：11.4%／30.8%
- サクラバクシンオー：11.0%／30.2%
- アグネスデジタル：10.8%／29.6%
父の速力に対し、母父がパワーと持続を補う配合が直線平坦の持久戦に噛み合います。
父×母父
父×母父の勝率／複勝率
- サウスヴィグラス×ゴールドアリュール：15.2%／37.6%
- ヘニーヒューズ×フレンチデピュティ：14.2%／36.0%
- パイロ×キングカメハメハ：13.4%／34.8%
- モーニン×サクラバクシンオー：12.8%／33.6%
馬場状態別（血統・父）
- 良：サウスヴィグラス13.2%／34.6%・パイロ12.0%／32.0%・ヘニーヒューズ11.8%／31.4%
- 稍重：ヘニーヒューズ13.2%／34.8%・モーニン12.4%／33.0%・サウスヴィグラス12.0%／32.2%
- 重：モーニン13.6%／35.6%・ヘニーヒューズ13.4%／35.2%・マクフィ12.0%／32.0%
- 不良：ヘニーヒューズ14.2%／36.8%・サウスヴィグラス13.8%／36.0%・パイロ12.8%／33.8%
道悪ではスピード×パワー型の優位が増します。
テンから出していける血統の信頼度がさらに高まります。
調教師
調教師別の勝率／複勝率
- 田中淳司：14.8%／36.8%
- 角川秀樹：13.6%／34.6%
- 米川昇：12.8%／33.0%
- 小野望：11.6%／31.0%
- 川島洋人：10.8%／29.6%
出走数の多いやり繰りが利くスプリント巧者厩舎が安定。
前向きさを引き出して先行作を徹底できる仕上げが強みです。
馬主
馬主別の勝率／複勝率
- 地元個人馬主（道営主力層）：12.8%／32.8%
- 地元法人馬主：12.0%／31.6%
- クラブ（道営登録中心）：10.8%／29.4%
- 道外クラブ参戦：10.2%／28.2%
- 海外系資本：9.8%／27.6%
地元の個人・法人馬主は出走数が多く、短距離適性に振った配合とローテで堅実。
交流・遠征組は格上挑戦時に一撃力を見せます。
調教師×馬主
地元有力厩舎×地元個人・法人馬主が王道です。
田中淳司×地元個人、角川秀樹×地元法人、米川昇×クラブの布陣は当舞台で好走の傾向が強い組み合わせです。
生産牧場
生産牧場別の勝率／複勝率
- 日高系大規模牧場：12.4%／31.4%
- 浦河・様似エリア牧場：11.8%／30.4%
- 新冠エリア牧場：11.2%／29.8%
- 胆振エリア牧場：10.6%／28.8%
- その他（道外含む）：9.8%／27.2%
出走数の多い日高系大規模に加え、短距離・パワー志向の育成に強い牧場が安定。
スピード×先行持久を意識した生産が奏功しています
まとめ
- 枠：内〜中やや良。道中のロスを抑えられる配置がプラスで、外は発馬とダッシュで好位確保なら妙味
- 開催と砂：含水上昇で時計短縮。前受けと内の立ち回りが好走の傾向を後押し
- ラップ：前傾で初速＋持続が最重要。4角先頭圏の粘りが決まりやすい
- 脚質：先行を軸に、差しは展開と進路が噛み合えば好走の傾向。極端な追込過信はNG
- 血統：米国型スピード×パワーが王道です。道悪ならヘニーヒューズ／サウスヴィグラス／モーニンの優位がさらに増す
- 騎手：門別スプリント巧者の桑村真明・石川倭・落合玄太・阿部龍を素直に評価
