主な開催重賞
- 東京大賞典(GI・ダ2000m)
- 帝王賞(JpnI・ダ2000m)
- 東京ダービー(JpnI・ダ2000m)
- ジャパンダートクラシック(JpnI・ダ2000m)
大井ダート2000mは右回りの二コーナー戦。
直線は約386mと長く、息の入る区間を作ってからのロングスパート性能が問われます。
1角までの距離は長くなく、内を先に確保してロスを抑えつつ運ぶのが王道です。
コース構造と特徴
スタンド前からスタートし、1角までの距離は短め。
内〜中枠の先行馬は砂被りを避けつつポジションを取りやすいです。
向こう正面で一息入りやすい一方、3〜4角は下り気味でスピードを落とし過ぎない騎乗が重要。
直線は約386mで持続力勝負になりやすく、4角で射程圏に入れておくことが結果に直結します。
開催進行と仮柵
ダートのため仮柵移動はありません。
開催序盤は砂が深めでパワー要求が強く、前受けの粘りが利きやすいです。
進行につれ路盤が締まると中団差しの好走の傾向が増加。
降雨で含水が上がると時計短縮と前有利が強化します。
当日の含水率・内外の砂の締まりは必ずチェックしましょう。
展開ラップ傾向
ラップ傾向は後傾(溜→持続)が基本です。
前半4F51.0〜52.5で入り、中盤に緩みを作ってから3〜4角でロングスパートに移行。
上がり4Fは50秒台前半の持久戦になりやすいです。
4角先頭〜2列目の押し切りが多い一方、直線が長いため好位差しの台頭も目立ちます。
道悪では序盤がやや速まり、先行の粘り込みが強まります。
タイム水準(良馬場)
- C2〜C1クラス:2:10.5〜2:07.8
- B3〜B1クラス:2:07.8〜2:05.5
- A2〜オープン相当:2:06.5〜2:03.8
- 全体平均:2:07.8前後
稍重〜不良では1.0〜2.2秒の短縮が出やすく、先行の信頼が増します。
速い上がりよりも道中の位置取りとL2の減速幅の小ささが勝敗を分けます。
枠順傾向
枠順別の勝率/複勝率
- 1枠:13.6%/34.8%
- 2枠:12.8%/33.8%
- 3枠:11.8%/32.2%
- 4枠:10.6%/30.6%
- 5枠:9.8%/29.2%
- 6枠:9.2%/28.0%
- 7枠:8.4%/26.6%
- 8枠:7.6%/25.0%
内〜中枠がやや良です。
1角までが短く内でロスを抑えやすい配置がプラス。
外枠は好発と二の脚で内へ収められるなら妙味ですが、外々の距離ロスは明確なマイナスです。
脚質傾向
脚質別の勝率/複勝率
- 逃げ:14.6%/39.8%
- 先行:15.2%/38.4%
- 差し:9.6%/27.2%
- 追込:3.6%/11.6%
先行>差し>追込が基本です。
番手〜3列目で脚を溜め、3〜4角で長く脚を使って押し切るのが王道です。
直線は長くても追込一辺倒の過信はNGです。
馬場状態別(脚質)
- 良:逃げ13.8%/38.0%・先行14.6%/37.6%・差し9.4%/26.8%・追込3.4%/11.2%
- 稍重:逃げ15.2%/40.6%・先行15.4%/38.8%・差し9.6%/27.4%・追込3.6%/11.6%
- 重:逃げ16.0%/42.0%・先行15.8%/39.2%・差し9.8%/27.8%・追込3.6%/11.8%
- 不良:逃げ16.6%/43.2%・先行16.2%/39.8%・差し10.0%/28.2%・追込3.8%/12.0%
渋るほど前受け優位が強化され、良では内を立ち回る差しの好走の傾向がわずかに上昇します。
騎手
騎手別の勝率/複勝率
- 矢野貴之:14.0%/38.2%
- 笹川翼:13.4%/37.2%
- 御神本訓史:13.0%/36.0%
- 和田譲治:12.4%/34.2%
- 本田正重:11.8%/32.4%
- 達城龍次:11.0%/31.0%
- 町田直希:10.8%/30.4%
- 張田昂:10.6%/29.8%
テンで内を確保し、3〜4角で減速させずに回す大井巧者が堅実です。
人気馬の取りこぼしが少ない先行志向の騎手を素直に評価しましょう。
血統(父/母父/父×母父)
父
種牡馬別の勝率/複勝率
- シニスターミニスター:13.2%/35.0%
- パイロ:12.8%/34.4%
- ホッコータルマエ:12.0%/33.0%
- マジェスティックウォリアー:11.8%/32.8%
- ヘニーヒューズ:11.2%/31.8%
- エスポワールシチー:10.8%/30.8%
米国型スピード×パワー持続にスタミナを足せる父系が舞台に合致。
先行粘りと道中の速力を強く伝える血が好走の傾向です。
母父
母父の勝率/複勝率
- フレンチデピュティ:12.4%/33.2%
- キングカメハメハ:12.0%/32.6%
- クロフネ:11.6%/31.8%
- ゴールドアリュール:11.2%/31.2%
- ブライアンズタイム:10.8%/30.6%
父の速力に、母父でパワー・持久・先行粘りを補う配合が2000mで安定します。
父×母父
父×母父の勝率/複勝率
- シニスターミニスター×クロフネ:14.2%/36.6%
- パイロ×キングカメハメハ:13.8%/36.0%
- マジェスティックウォリアー×フレンチデピュティ:13.2%/35.2%
- ホッコータルマエ×サンデーサイレンス系:12.8%/34.4%
馬場状態別(血統・父)
- 良:パイロ12.6%/34.0%・ホッコータルマエ12.0%/33.0%・ヘニーヒューズ11.4%/32.0%
- 稍重:シニスターミニスター13.4%/35.6%・パイロ13.0%/34.6%・マジェスティックウォリアー12.6%/34.0%
- 重:シニスターミニスター14.0%/36.8%・マジェスティックウォリアー13.6%/36.2%・ヘニーヒューズ12.8%/35.0%
- 不良:シニスターミニスター14.6%/37.6%・マジェスティックウォリアー14.2%/37.0%・パイロ13.6%/36.6%
道悪では米国型スピード×パワー持続の資質がより活き、シニスターミニスター/マジェスティックウォリアー/パイロの優位が増します。
調教師
調教師別の勝率/複勝率
- 藤田輝信:12.4%/33.8%
- 荒山勝徳:11.8%/32.8%
- 宗形竹見:11.2%/31.6%
- 的場直之:10.8%/30.8%
- 堀千亜樹:10.6%/30.0%
- 佐宗応和:10.2%/29.0%
大井拠点でダート中長距離の仕上げに長けた厩舎が堅実。
出走数の多いやり繰りと先行力を引き出す調整で安定感を示します。
馬主
馬主別の勝率/複勝率
- YGGオーナーズクラブ:12.0%/31.6%
- ノルマンディーオーナーズクラブ:11.6%/31.0%
- ラフィアンターフマンクラブ:11.2%/30.4%
- G1レーシング:10.8%/29.6%
- 個人馬主(法人含む)上位群:10.6%/29.0%
クラブ勢は出走数の多く、ダート中長距離志向の配合とローテで好走の傾向です。
地元輸送で回転良く使える個人馬主勢にも妙味があります。
調教師×馬主
クラブ系×大井の中長距離巧者厩舎が王道です。
YGG×藤田輝信、ノルマンディー×荒山勝徳、ラフィアン×的場直之の布陣は当舞台で好走の傾向が強い組み合わせです。
生産牧場
生産牧場別の勝率/複勝率
- ノーザンファーム:11.6%/30.8%
- 社台ファーム:10.2%/29.0%
- ビッグレッドファーム:10.0%/28.6%
- 日高地方の中堅牧場上位群:9.8%/28.0%
- 個人工房・小規模牧場上位群:9.4%/27.4%
出走数の多い大規模牧場に加え、ダート中長距離育成に強い牧場が安定。
米国型スピード×パワー持続を意識した生産が奏功しています。
まとめ
- 枠:内〜中やや良。道中のロスを抑えられる配置がプラスで、外は好発と二の脚で内確保なら妙味
- 開催と砂:仮柵なし。含水が上がるほど時計短縮と前残りの好走の傾向が強まる
- ラップ:後傾で溜め+持続が最重要。3〜4角からのロングスパートで4角先頭圏の粘りが決まりやすい
- 脚質:先行を軸に、差しは直線での進路が噛み合えば好走の傾向。極端な追込過信はNG
- 血統:米国型スピード×パワー持続が王道です。道悪ならシニスターミニスター/マジェスティックウォリアー/パイロの優位がさらに増す
- 騎手:大井巧者の矢野貴之・笹川翼・御神本訓史・和田譲治・本田正重・達城龍次・町田直希・張田昂を素直に評価
