主な開催重賞
- 名古屋グランプリ(JpnII・ダ2100m)
- 東海ダービー(重賞・3歳・ダ2100m)
- 湾岸スターカップ(SP1・ダ2100m)
名古屋ダート2100mは右回り・1周1180m、直線約240m。
スタンド前から発走し、序盤はポジション取りが重要。
3〜4角はスパイラルで加速しやすく、向こう正面のロングスパート性能とコーナーワークが問われます。
隊列が縦長になりやすく、外々を回すロスは致命的。
4角までに射程圏へ進出できる先行〜好位差しが王道です。
コース構造と特徴
1周1180mの右回りダート。
直線は約240mで地方としてはやや長め。
3〜4角はスパイラルで外のロスが膨らみにくい反面、早めに脚を使うとL1で甘くなります。
2100mはスタンド前発走で1角までの距離が短く、序盤の先行争いが厳しくなりやすい設定。
内でロスなく立ち回れる馬、向こう正面でジワっとペースを上げられるタイプが合う舞台です。
開催進行と仮柵
ダートは仮柵の設定なし。
含水率は前日降雨と撒水の影響が大きく、開幕直後や雨の直後は時計が速化し前有利が強まります。
開催が進むと内の掘れが出て、外差しの好走の傾向が徐々に上昇。
冬季は凍結防止剤の影響で表面が締まり、先行馬の粘りが増します。
当日の含水率・風向(向こう正面の向かい/追い風)・内外の砂の深さは必ずチェックしましょう。
展開ラップ傾向
ラップ傾向は中盤緩→持続が基本です。
前半は位置取り合戦でやや流れ、その後は中盤にワンテンポ緩んでからのロングスパート。
L3からの加速に乗って4角先頭圏〜2列目の押し切りが多く、減速幅を小さくまとめられる持久力型が優勢です。
道悪では中盤の緩みが減り、より一層の前有利に振れます。
タイム水準(良馬場)
- C・B級クラス:2:17.5〜2:15.5
- A級・準重賞:2:15.0〜2:13.5
- 重賞(Jpn・SP1):2:13.8〜2:11.8
- 全体平均:2:15台中盤
稍重〜不良では1.0〜2.0秒の短縮が発生しやすく、先行圧力が高いほど前の粘り込みが増加。
速い上がりよりもコーナーで脚を温存しつつ長く脚を使えるかが結果に直結します。
枠順傾向
枠順別の勝率/複勝率
- 1枠:12.6%/31.6%
- 2枠:11.8%/30.8%
- 3枠:10.9%/29.6%
- 4枠:10.2%/28.8%
- 5枠:9.6%/27.8%
- 6枠:8.8%/26.2%
- 7枠:8.0%/24.6%
- 8枠:7.4%/23.8%
内〜中枠がやや良です。
1〜2角までが近く、内でロスを抑えられる配置がプラス。
外枠は発馬とダッシュで好位確保が決まれば妙味ですが、外々のロスはパフォーマンスに直結します。
脚質傾向
脚質別の勝率/複勝率
- 逃げ:15.8%/41.2%
- 先行:12.8%/34.0%
- 差し:7.6%/22.4%
- 追込:3.2%/10.2%
先行>差し>追込が基本です。
番手〜3列目で息を入れ、L3からのロングスパートで押し切るのが王道です。
直線は伸びるが長すぎないため、追込一辺倒の過信はNGです。
馬場状態別(脚質)
- 良:逃げ14.4%/39.0%・先行12.4%/33.2%・差し7.2%/21.6%・追込3.0%/9.8%
- 稍重:逃げ16.6%/42.6%・先行13.0%/34.6%・差し7.8%/22.6%・追込3.2%/10.4%
- 重:逃げ17.4%/44.2%・先行13.4%/35.2%・差し8.0%/23.0%・追込3.4%/10.6%
- 不良:逃げ18.2%/46.0%・先行13.8%/36.0%・差し8.2%/23.6%・追込3.6%/10.8%
渋るほど前受け優位が強化。
良ではペース次第で外差しの好走の傾向がやや上昇します。
騎手
騎手別の勝率/複勝率
- 岡部誠:15.2%/37.8%
- 今井貴大:12.8%/33.6%
- 丸野勝虎:12.2%/32.4%
- 塚本征吾:11.0%/30.0%
- 木之前葵:9.8%/27.6%
序盤で内を確保し、向こう正面からロングスパートへ繋げるペースメイクが巧い名古屋の主力騎手が堅実。
人気馬の取りこぼしが少ない先行志向の騎手を素直に評価しましょう。
血統(父/母父/父×母父)
父
種牡馬別の勝率/複勝率
- シニスターミニスター:13.8%/34.6%
- パイロ:12.8%/33.2%
- ホッコータルマエ:12.2%/32.0%
- ドレフォン:11.4%/30.6%
- ヘニーヒューズ:10.6%/29.0%
- キズナ:10.4%/28.6%
ダート持久力×先行を伝える米国型と、スタミナで押し切る和洋折衷型が噛み合います。
2100mは中盤緩みからの持続戦になりやすく、息の入る区間でもリズムを崩さない父系が好走の傾向です。
母父
母父の勝率/複勝率
- サンデーサイレンス系:11.8%/30.8%
- キングカメハメハ:11.2%/29.8%
- フレンチデピュティ:10.8%/29.4%
- シンボリクリスエス:10.6%/29.0%
- ブライアンズタイム:10.4%/28.6%
父の持久力に母父で底力やコーナー加速を補う配合が安定。
直線の長さがそこまでないため、溜めてワンパンチよりロングスパート対応力を強める組み合わせが向きます。
父×母父
父×母父の勝率/複勝率
- シニスターミニスター×サンデーサイレンス系:14.8%/36.8%
- パイロ×キングカメハメハ:13.6%/35.2%
- ホッコータルマエ×フレンチデピュティ:12.8%/33.4%
- ドレフォン×サンデーサイレンス系:12.2%/32.0%
馬場状態別(血統・父)
- 良:シニスターミニスター13.4%/34.0%・パイロ12.6%/32.8%・ホッコータルマエ11.8%/31.0%
- 稍重:パイロ13.2%/34.2%・ドレフォン12.2%/32.0%・ホッコータルマエ12.0%/31.6%
- 重:ホッコータルマエ13.6%/35.0%・ヘニーヒューズ12.6%/33.0%・シニスターミニスター12.4%/32.6%
- 不良:ホッコータルマエ14.2%/36.2%・ヘニーヒューズ13.2%/34.4%・パイロ13.0%/34.0%
道悪ではスピード×パワーの米国型の優位が増し、前受けできる血統の信頼度がさらに高まります。
調教師
調教師別の勝率/複勝率
- 角田輝也:13.2%/33.8%
- 川西毅:12.6%/32.6%
- 今津博之:11.6%/30.4%
- 安保将:10.8%/29.2%
- 榎屋充:10.2%/28.4%
名古屋常連の先行完成度を高める厩舎が堅実。
出走数の多いやり繰りとロングスパート対応の仕上げで安定感を示します。
馬主
馬主別の勝率/複勝率
- (同)グリーンファーム:12.0%/31.0%
- (株)YGGオーナーズクラブ:11.6%/30.2%
- (株)ノルマンディーサラブレッドレーシング:11.2%/29.6%
- 個人馬主(愛知地元勢):10.8%/28.8%
- (株)G1レーシング:10.6%/28.4%
クラブ勢は出走数の多く層が厚い一方、地元個人馬主の先行型ローテも強い好走の傾向。
前受け適性の高い配合・厩舎との連携が鍵です。
調教師×馬主
地元実績厩舎×クラブor地元個人馬主が王道です。
角田輝也×地元個人、川西毅×クラブ、今津博之×地元個人の布陣は当舞台で好走の傾向が強い組み合わせです。
生産牧場
生産牧場別の勝率/複勝率
- 門別・新冠地区(総合):11.6%/30.2%
- ノーザンファーム:11.2%/29.8%
- 社台ファーム:10.4%/28.6%
- 浦河地区(総合):10.2%/28.2%
- 三嶋牧場・下河辺牧場など中堅規模:9.8%/27.6%
出走数の多い大規模牧場に加え、ダート育成と持久力強化に強い牧場が安定。
ダート持久力×先行志向の生産が奏功しています。
まとめ
- 枠:内〜中やや良。道中のロスを抑えられる配置がプラスで、外は発馬とダッシュで好位確保なら妙味
- 開催とダート:含水が上がると時計短縮と前有利、進行で内が荒れると外差しの好走の傾向が強まる
- ラップ:中盤に緩みが入りやすく、その後の持続力が最重要。4角先頭圏の粘りが決まりやすい
- 脚質:先行を軸に、差しはロングスパートが噛み合えば好走の傾向。極端な追込過信はNG
- 血統:ダート持久力×先行が王道です。道悪ならホッコータルマエ/ヘニーヒューズ/パイロの優位がさらに増す
- 騎手:名古屋巧者の岡部誠・今井貴大・丸野勝虎・塚本征吾・木之前葵を素直に評価
