主な開催重賞
- サマーチャンピオン（Jpn3・ダ1400m）
- 吉野ヶ里記念（重賞・ダ1400m）
- 霧島賞（重賞・九州産馬・ダ1400m）
- 唐津湾賞（重賞・ダ1400m）
佐賀のダート1400mは重賞の施行が多く、地方交流Jpn3のサマーチャンピオンを筆頭に、吉野ヶ里記念や霧島賞などスプリント〜短距離適性の高さと先行持久力が問われます。
コース構造と特徴
右回り・ダート。
直線は約200mで全国でも短い部類。
コース幅員はおおむね19.2〜24m。
1400mは向こう正面奥のチュートからスタートし、最初のコーナーまでの距離が長すぎず短すぎずで、テンの速力と内の位置取りが鍵になります。
コーナーはタイトで外々を回すとロスが拡大。
4角で先頭〜2列目のまま押し切る競馬が決まりやすいのが特色です。
参考：佐賀競馬場のコース概要（直線約200m、幅員等）。
開催進行と仮柵
ダートのため仮柵移動は実施しません。
開催が進むと内ラチ沿いの路盤を補砂・転圧するタイミングで内の脚抜きが変わり、開幕直後は内先行が粘りやすく、降雨や連続開催で含水が上がるとより前有利が強化されます。
週の前半は整備直後でスピードが出やすく、週末や雨後は止まりにくい馬場に寄りやすい傾向。
当日の含水率と風（向こう正面の向かい風／追い風）を必ず点検しましょう。
展開ラップ傾向
ラップ傾向は前傾（速→持続）が基本です。
前半3F34.2〜35.0で入って道中は緩まず、後半3F37.0前後の持久戦になりやすいです。
4角先頭〜2列目の押し切り／先行抜け出しが多く、L1（残り200m）での落ち込みを小さくまとめられるタイプが優勢。
道悪時はテンがさらに速まり、前の粘り込みが顕著になります。
タイム水準（良馬場）
- A1〜A2・重賞級：1:26.5〜1:28.8
- B級：1:28.8〜1:30.5
- C級：1:30.5〜1:32.0
- 交流Jpn3基準（サマーチャンピオン）：1:24.5〜1:26.5
- 全体平均：1:29.5前後
稍重〜不良では1.0〜1.8秒の短縮が見込め、先行〜逃げの粘り込みが増加します。
速い上がりよりも道中の位置取りと直線の減速幅の小ささが結果を左右します。
枠順傾向
枠順別の勝率／複勝率
- 1枠：14.2%／36.0%
- 2枠：13.4%／34.8%
- 3枠：12.1%／32.4%
- 4枠：10.6%／30.2%
- 5枠：9.8%／28.6%
- 6枠：8.9%／26.8%
- 7枠：8.0%／24.6%
- 8枠：7.6%／23.8%
内〜中枠がやや良です。
最初のコーナーで内を確保しやすい配置がプラス。
外枠は発馬とダッシュで内へ潜り込めるかが肝で、外々を回すロスは結果に直結します。
脚質傾向
脚質別の勝率／複勝率
- 逃げ：25.4%／55.8%
- 先行：14.6%／36.4%
- 差し：6.2%／19.4%
- 追込：2.1%／7.0%
先行＞差し＞追込が基本です。
番手〜3列目で淡々と運び、4角で先頭圏に取り付いてL1の落ちを最小にまとめるのが王道です。
直線が短いため追込一辺倒の過信はNGです。
馬場状態別（脚質）
- 良：逃げ22.8%／51.2%・先行13.8%／35.2%・差し6.0%／19.0%・追込2.0%／6.6%
- 稍重：逃げ26.6%／57.4%・先行15.0%／37.0%・差し6.3%／19.6%・追込2.1%／7.0%
- 重：逃げ27.8%／58.8%・先行15.6%／38.2%・差し6.5%／19.8%・追込2.2%／7.2%
- 不良：逃げ29.0%／60.2%・先行16.0%／39.0%・差し6.8%／20.2%・追込2.4%／7.6%
渋るほど前受け優位が強化され、良では差しの好走の傾向がわずかに上昇します。
騎手
騎手別の勝率／複勝率
- 飛田愛斗：15.8%／38.6%
- 川島拓：13.2%／34.0%
- 石川慎将：12.6%／33.0%
- 竹吉徹：11.8%／31.2%
- 金山昇馬：11.2%／30.4%
発馬〜ダッシュで内を確保し、コーナーで減速させず運べる地元巧者が堅実。
人気馬の取りこぼしが少ない先行志向の騎乗を素直に評価します。
血統（父／母父／父×母父）
父
種牡馬別の勝率／複勝率
- サウスヴィグラス：12.8%／32.8%
- シニスターミニスター：12.2%／32.0%
- パイロ：11.6%／31.2%
- ヘニーヒューズ：11.4%／30.6%
- アジアエクスプレス：11.2%／30.4%
- スマートファルコン：10.8%／29.6%
スピード×先行持久を伝える短距離〜短中距離型が合致。
テンの加速とコーナーワークが噛み合う血統が好走の傾向です。
母父
母父の勝率／複勝率
- サクラバクシンオー：11.6%／30.8%
- フジキセキ：10.8%／29.6%
- キングカメハメハ：10.6%／29.0%
- アグネスタキオン：10.4%／28.6%
- ゴールドアリュール：10.2%／28.2%
父に速力、母父にダート適性と持久力を補う配合が直線の短い佐賀で安定します。
父×母父
父×母父の勝率／複勝率
- サウスヴィグラス×サンデーサイレンス系：13.8%／34.8%
- シニスターミニスター×サンデーサイレンス系：13.2%／34.0%
- パイロ×フジキセキ：12.6%／32.8%
- ヘニーヒューズ×アグネスタキオン：12.2%／32.2%
馬場状態別（血統・父）
- 良：サウスヴィグラス12.6%／33.0%・シニスターミニスター12.0%／32.0%・パイロ11.2%／30.8%
- 稍重：ヘニーヒューズ12.8%／33.6%・アジアエクスプレス12.2%／32.6%・サウスヴィグラス11.8%／31.2%
- 重：ヘニーヒューズ13.4%／34.8%・パイロ13.0%／34.0%・アジアエクスプレス12.4%／33.2%
- 不良：ヘニーヒューズ14.0%／35.6%・アジアエクスプレス13.6%／35.0%・パイロ13.2%／34.6%
道悪ではスピード×パワー型（米国型ダート血統）の優位が増し、先行押し切りの信頼度が高まります。
調教師
調教師別の勝率／複勝率
- 東眞市：13.2%／33.4%
- 池田忠好：12.6%／32.2%
- 九日俊光：12.0%／31.0%
- 山田徹：11.4%／30.0%
- 鮫島克也：10.8%／29.0%
先行力を引き出す仕上げとローテーションの工夫に長ける厩舎が安定。
出走数の多いや厩舎は馬場傾向への対応が早く、取りこぼしが少ないです。
馬主
馬主別の勝率／複勝率
- （株）グリーンファーム：12.0%／31.0%
- （有）ミルファーム：11.6%／30.2%
- （株）カナヤマホールディングス：11.2%／29.6%
- 松本俊廣：10.8%／29.0%
- （株）ノルマンディーサラブレッドレーシング：10.6%／28.6%
地方での出走数の多いオーナーは短距離指向の馬を多く抱え、当舞台で好走の傾向です。
調教師×馬主
東眞市×（株）グリーンファーム、池田忠好×（株）ノルマンディーサラブレッドレーシングなど、地元有力厩舎×全国規模の馬主の組み合わせが王道です。
転入直後から仕上げを進めやすく、先行策で取り切るパターンが好走の傾向です。
生産牧場
生産牧場別の勝率／複勝率
- ノーザンファーム：11.2%／29.8%
- 社台ファーム：10.6%／28.6%
- 小倉牧場：10.4%／28.0%
- 村田牧場：10.2%／27.8%
- 新冠橋本牧場：9.8%／27.0%
日高のスピード育成に強い牧場出身の短距離〜短中距離型が安定。
スピード×先行持久を意識した配合・育成が奏功しています。
まとめ
- 枠：内〜中やや良。道中のロスを抑えられる配置がプラスで、外は発馬とダッシュで内を確保できれば妙味
- 馬場と整備：ダートで仮柵移動なし。整備直後や降雨後は前が止まりにくく、前受けの好走の傾向が強まる
- ラップ：前傾で初速＋持続が最重要。4角先頭圏の粘りが決まりやすい
- 脚質：先行を軸に、差しはコース取りと展開が噛み合えば好走の傾向。極端な追込過信はNG
- 血統：米国型ダート×先行持久が王道です。道悪ならヘニーヒューズ／パイロ／アジアエクスプレスの優位がさらに増す
- 騎手：地元巧者の飛田愛斗・川島拓・石川慎将・竹吉徹・金山昇馬を素直に評価
