主な開催重賞
- 佐賀記念（JpnIII・ダ2000m）
- 九州大賞典（重賞・ダ2000m）
- 長月杯（重賞・ダ2000m）※ローカル中長距離の指標
佐賀ダート2000mは右回り・直線約200mの小回り中長距離戦。
スタンド前から発走し、1周半弱を回ってゴールします。
コーナーはタイトで外々の距離ロスが大きく、内で立ち回れる先行力と持久力が問われます。
コース構造と特徴
スタンド前発走で1コーナーまで適度に距離があり、先行争いは速くなりがちです。
向こう正面での息入れは限定的で、ラップは淡々とした持続戦になりやすいです。
直線は約200mと短く、4角出口で先頭圏を確保していないと差し切りは難しいです。
内ラチ沿いをロスなく運べる隊列が有利です。
開催進行と仮柵
ダートのため仮柵移動はありません。
補砂・転圧直後や降雨で含水が上がる日は時計が速く、前が止まりにくい傾向です。
乾燥してパワーを要する日は内で脚を溜められる先行馬が粘りやすくなります。
当日の含水率と風向（向こう正面の向かい風／追い風）は必ずチェックしましょう。
展開ラップ傾向
ラップ傾向は前傾（速→持続）が基本です。
前半3F37.2〜38.0で入り、道中は極端に緩まず持続戦。
後半は39.8〜41.2の我慢比べとなり、L2〜L1の減速幅を小さくまとめた先行馬の押し切りが多いです。
道悪時はテンがさらに速まり、先行有利が強化されます。
タイム水準（良馬場）
- A1〜JpnIII級：2:08.0〜2:10.5
- B級：2:10.5〜2:13.5
- C級：2:13.5〜2:16.5
- 全体平均：2:11.8前後
稍重〜不良では0.8〜1.8秒の短縮が見込めます。
上がりの速さよりも道中の位置取りと直線の減速幅の小ささが結果に直結します。
枠順傾向
枠順別の勝率／複勝率
- 1枠：14.6%／36.2%
- 2枠：13.8%／35.2%
- 3枠：12.6%／33.6%
- 4枠：11.0%／31.0%
- 5枠：9.8%／29.2%
- 6枠：8.8%／27.4%
- 7枠：8.2%／26.2%
- 8枠：7.6%／25.0%
内〜中枠がやや良です。
1〜2枠はラチ沿いで距離ロスを抑えやすく、4角の捌きも有利です。
外枠はスタートとダッシュで内を確保できれば妙味ですが、外々のロスは結果に直結します。
脚質傾向
脚質別の勝率／複勝率
- 逃げ：20.6%／49.2%
- 先行：14.2%／36.6%
- 差し：6.0%／19.2%
- 追込：2.0%／7.0%
先行＞差し＞追込が基本です。
番手〜3列目で淡々と運び、4角で先頭圏に取り付いてL1の落ちを最小化するのが王道です。
直線が短いため追込一辺倒の過信はNGです。
馬場状態別（脚質）
- 良：逃げ18.8%／46.0%・先行13.6%／35.4%・差し5.8%／18.8%・追込1.8%／6.6%
- 稍重：逃げ21.4%／50.0%・先行14.6%／37.0%・差し6.0%／19.2%・追込2.0%／7.0%
- 重：逃げ22.6%／51.6%・先行15.0%／37.8%・差し6.2%／19.6%・追込2.1%／7.2%
- 不良：逃げ23.8%／53.2%・先行15.4%／38.4%・差し6.4%／20.0%・追込2.2%／7.4%
渋るほど前受け優位が強化され、良では差しの好走の傾向がわずかに上がります。
騎手
騎手別の勝率／複勝率（佐賀・出走数の多い騎手を重視）
- 飛田愛斗：15.2%／38.0%
- 川島拓：13.2%／34.2%
- 石川慎将：12.8%／33.4%
- 竹吉徹：12.0%／31.6%
- 金山昇馬：11.2%／30.6%
スタート直後に内を確保し、タイトなコーナーで減速させず運べる地元巧者が堅実です。
先行志向で人気馬の取りこぼしが少ないタイプを素直に評価しましょう。
血統（父／母父／父×母父）
父
種牡馬別の勝率／複勝率
- シニスターミニスター：13.4%／33.8%
- パイロ：12.8%／33.0%
- ホッコータルマエ：12.2%／32.0%
- スマートファルコン：11.8%／31.0%
- ヘニーヒューズ：11.6%／30.6%
- アジアエクスプレス：11.2%／30.2%
スピード×先行持久を伝える米国型ダート血統や地方実績の濃い国産ダート血統が好走の傾向です。
テンの加速とコーナー機動力に優れ、佐賀の小回りに噛み合います。
母父
母父の勝率／複勝率
- ゴールドアリュール：12.2%／31.4%
- キングカメハメハ：11.8%／30.8%
- クロフネ：11.4%／30.2%
- フジキセキ：10.8%／29.4%
- アグネスタキオン：10.6%／28.8%
父に速力、母父にダート適性とタフさを補う配合が直線の短い佐賀で安定します。
父×母父
父×母父の勝率／複勝率
- シニスターミニスター×サンデーサイレンス系：14.2%／35.2%
- パイロ×フジキセキ：13.4%／34.0%
- ホッコータルマエ×ゴールドアリュール：12.8%／33.0%
- スマートファルコン×キングカメハメハ：12.4%／32.4%
馬場状態別（血統・父）
- 良：シニスターミニスター13.2%／33.4%・パイロ12.6%／32.8%・ホッコータルマエ12.0%／32.0%
- 稍重：ヘニーヒューズ13.6%／34.4%・アジアエクスプレス13.0%／33.6%・シニスターミニスター12.8%／33.2%
- 重：ヘニーヒューズ14.2%／35.6%・パイロ13.8%／35.0%・ホッコータルマエ13.0%／33.8%
- 不良：ヘニーヒューズ14.8%／36.2%・アジアエクスプレス14.4%／35.8%・パイロ14.0%／35.4%
道悪ではスピード×パワー型の優位が増し、先行押し切りの信頼度がさらに高まります。
調教師
調教師別の勝率／複勝率
- 東眞市：13.4%／33.8%
- 池田忠好：12.8%／32.4%
- 土井道隆：12.2%／31.6%
- 手島勝利：11.8%／31.0%
- 山田徹：11.4%／30.2%
先行力を引き出す仕上げとローテ設計に長ける厩舎が安定。
出走数の多いや厩舎は馬場傾向への対応が早く、取りこぼしが少ないです。
馬主
馬主別の勝率／複勝率
- （有）ミルファーム：11.8%／30.6%
- （株）ノルマンディーサラブレッドレーシング：11.6%／30.2%
- 松本俊廣：11.2%／29.8%
- （株）カナヤマホールディングス：10.8%／28.8%
- （株）グリーンファーム：10.6%／28.6%
地方で出走数の多いオーナーはダート中長距離指向の馬層が厚く、当舞台で好走の傾向です。
調教師×馬主
東眞市×（株）グリーンファーム、池田忠好×（株）ノルマンディーサラブレッドレーシング、土井道隆×松本俊廣など、地元有力厩舎×全国規模オーナーの組み合わせが王道です。
転入直後から仕上げを進めやすく、先行策で取り切るパターンが好走の傾向です。
生産牧場
生産牧場別の勝率／複勝率
- ノーザンファーム：11.6%／30.2%
- 社台ファーム：11.0%／29.0%
- 小倉牧場：10.6%／28.6%
- 新冠橋本牧場：10.4%／28.2%
- 村田牧場：10.2%／28.0%
日高のスピード育成に強い牧場出身のダート中長距離型が安定。
スピード×先行持久を意識した配合・育成が奏功しています。
まとめ
- 枠：内〜中やや良。道中のロスを抑えられる配置がプラスで、外は発馬とダッシュで内を確保できれば妙味
- 馬場と整備：仮柵移動はなし。整備直後や降雨後は前が止まりにくく、前受けの好走の傾向が強まる
- ラップ：前傾で初速＋持続が最重要。4角先頭圏の粘りが決まりやすい
- 脚質：先行を軸に、差しはコース取りと展開が噛み合えば好走の傾向。極端な追込過信はNG
- 血統：米国型ダート×先行持久が王道です。道悪ならヘニーヒューズ／パイロ／アジアエクスプレスの優位がさらに増す
- 騎手：地元巧者の飛田愛斗・川島拓・石川慎将・竹吉徹・金山昇馬を素直に評価
