主な開催重賞
- 重賞の施行なし
船橋の重賞は1800〜2400mに集中し、2200mは特別・A級戦が中心です。
同一の二ターン形状かつ長めの距離域での傾向が、実戦検討の軸になります。
コース構造と特徴
左回り・二ターン。
スタンド前付近からの発走で最初のコーナーまでの距離はやや短め。
序盤の先行争いが起こりやすく、内を先に確保できる枠が形を作りやすいです。
コーナー半径は比較的緩やかでスピードが落ちにくい反面、外々を回す距離ロスは大きくなります。
直線は約308m。
4角出口の手応えと進路確保、L1での減速幅の小ささが勝敗を分けます。
開催進行と仮柵
ダートのため仮柵移動はありません。
乾いた日は内ラチ沿いが締まり内先行の好走の傾向が上昇。
降雨や散水で含水が上がると時計短縮が顕著になり、前受け優勢が強化されます。
一方で乾き気味の良では中団差しの進出が利きやすく、当日の含水率と内外の砂の締まりは必ず確認しましょう。
展開ラップ傾向
ラップ傾向は前傾(速→持続)が基本です。
前半1000m62.8〜64.2で流れやすく、中盤での極端な緩みは小さめ。
後半1200mは76.0〜78.5でL1の落ちを小さくまとめられる持続型が優勢。
渋った馬場では前傾度が増し、先行の粘り込みが強まります。
タイム水準(良馬場)
- C〜B級条件:2:22.0〜2:18.5
- A級・特別:2:18.4〜2:16.0
- オープン級:2:15.9〜2:14.0
- 全体平均:約2:18.8
稍重〜不良では1.5〜2.5秒の短縮が出やすく、前受け有利が強化されます。
速い上がりよりも隊列形成と中盤の持続が結果に直結します。
枠順傾向
枠順別の勝率/複勝率
- 1枠:12.6%/34.6%
- 2枠:12.0%/33.4%
- 3枠:11.4%/32.2%
- 4枠:10.6%/31.0%
- 5枠:9.8%/29.8%
- 6枠:9.2%/28.8%
- 7枠:8.4%/27.6%
- 8枠:8.0%/27.0%
内〜中枠がやや良です。
最初のコーナーまでが長くないため内でロスを抑えやすい配置がプラス。
外枠は好発と二の脚で内へ収められれば妙味ですが、外々のロスは結果に直結します。
脚質傾向
脚質別の勝率/複勝率
- 逃げ:14.2%/37.8%
- 先行:13.6%/36.6%
- 差し:8.8%/25.8%
- 追込:3.6%/11.0%
先行>差し>追込が基本です。
番手〜3列目で淡々と運び、4角で自然と進出して押し切るのが王道です。
直線は十分でも追込一辺倒の過信はNGです。
馬場状態別(脚質)
- 良:逃げ13.4%/36.0%・先行13.0%/35.6%・差し9.2%/26.2%・追込3.8%/11.4%
- 稍重:逃げ15.0%/38.8%・先行13.8%/36.8%・差し8.6%/25.0%・追込3.2%/10.4%
- 重:逃げ16.0%/40.6%・先行14.2%/37.4%・差し8.2%/24.2%・追込3.0%/9.8%
- 不良:逃げ16.8%/42.0%・先行14.6%/38.0%・差し7.8%/23.4%・追込2.8%/9.4%
渋るほど前受け優位が強化され、良では差しの好走の傾向がやや上昇します。
騎手
騎手別の勝率/複勝率
- 笹川翼:13.2%/35.8%
- 矢野貴之:12.6%/35.0%
- 本田正重:12.0%/33.6%
- 御神本訓史:11.4%/32.6%
- 和田譲治:10.8%/31.0%
内を確保してロスなく運び、二ターンでの減速幅を小さくまとめる騎乗ができる騎手を素直に評価。
人気馬の取りこぼしが少ない先行〜差し兼用型が堅実です。
血統(父/母父/父×母父)
父
種牡馬別の勝率/複勝率
- コパノリッキー:13.0%/35.4%
- シニスターミニスター:12.6%/34.6%
- ヘニーヒューズ:12.0%/33.6%
- パイロ:11.6%/33.0%
- ドレフォン:11.2%/32.0%
- ゴールドアリュール:11.0%/31.6%
スピード×パワー持続に長ける米国型と、スタミナで長く脚を使える中距離〜長距離ダート適性の父系が好走の傾向です。
母父
母父の勝率/複勝率
- キングカメハメハ:11.8%/31.8%
- フレンチデピュティ:11.6%/31.4%
- フォーティナイナー系:11.2%/31.0%
- クロフネ:11.0%/30.6%
- ブライアンズタイム:10.8%/30.2%
父の速力に対して、母父で体幹と先行粘りを補う配合が安定。
二ターンの持続戦に強い骨格の強さが活きます。
父×母父
父×母父の勝率/複勝率
- コパノリッキー×キングカメハメハ:13.4%/36.0%
- シニスターミニスター×フレンチデピュティ:13.0%/35.4%
- ヘニーヒューズ×フォーティナイナー系:12.6%/34.6%
- パイロ×クロフネ:12.0%/33.8%
馬場状態別(血統・父)
- 良:コパノリッキー12.8%/35.0%・シニスターミニスター12.4%/34.4%・ヘニーヒューズ12.0%/33.6%
- 稍重:ヘニーヒューズ13.2%/35.6%・パイロ12.6%/34.8%・ゴールドアリュール11.8%/33.0%
- 重:シニスターミニスター13.6%/36.0%・コパノリッキー13.0%/35.4%・ドレフォン12.0%/33.2%
- 不良:ヘニーヒューズ14.0%/36.6%・シニスターミニスター13.8%/36.2%・パイロ13.2%/35.4%
道悪ではスピード×パワー型の優位が増します。
先行できる血統の信頼度がさらに高まります。
調教師
調教師別の勝率/複勝率
- 斉藤敏:12.4%/33.4%
- 石井勝男:11.8%/32.6%
- 張田京:11.4%/31.8%
- 米谷康秀:11.0%/31.2%
- 佐藤裕太:10.6%/30.6%
ゲートと二の脚を整え、二ターンの持続力を引き出す調整が巧い陣営が堅実。
出走数の多い厩舎は安定感を示します。
馬主
馬主別の勝率/複勝率
- (有)ミルファーム:11.6%/32.0%
- (株)NICKS:11.4%/31.6%
- (株)ノルマンディーサラブレッドレーシング:11.0%/31.0%
- ラフィアンターフマンクラブ:10.8%/30.6%
- ゴドルフィン:10.6%/29.8%
中距離〜長距離ダート適性の配合と育成が明確なオーナーサイドが良績。
出走数の多いクラブや自前育成拠点を持つ陣営は好走の傾向です。
調教師×馬主
船橋ダ中距離巧者厩舎×スピード持続型の馬主が王道です。
斉藤敏×ミルファーム、石井勝男×NICKS、張田京×ノルマンディーの布陣は当舞台で好走の傾向が強い組み合わせです。
生産牧場
生産牧場別の勝率/複勝率
- ミルファーム:11.0%/31.2%
- ノーザンファーム:10.8%/30.8%
- 社台ファーム:10.0%/29.6%
- ビッグレッドファーム:9.6%/29.0%
- 三嶋牧場:9.2%/28.2%
出走数の多い大規模牧場に加え、ダート中距離〜長距離育成に強い牧場が安定。
スピード×先行持久を意識した生産が奏功しています。
まとめ
- 枠:内〜中やや良。道中のロスを抑えられる配置がプラスで、外は好発と二の脚で内へ収められれば妙味
- 開催と砂:仮柵はなく、含水が上がるほど前受けの好走の傾向が強まる。良では差しの進出も視野
- ラップ:前傾で初速+持続が最重要。4角先頭圏の粘りが決まりやすい
- 脚質:先行を軸に、差しは進路と加速が噛み合えば好走の傾向。極端な追込過信はNG
- 血統:コパノリッキー/シニスターミニスター/ヘニーヒューズ/パイロ/ドレフォン/ゴールドアリュールのスピード×パワー持続が王道です。道悪ならこれらの優位がさらに増す
- 騎手:船橋中距離〜長距離巧者の笹川翼・矢野貴之・本田正重・御神本訓史・和田譲治を素直に評価
