アイルランドトロフィー(G2)のレース傾向【2025年版データ】

アイルランドトロフィー(G2)のレース傾向【2025年版データ】
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コース構造と特徴

スタートは向こう正面の芝ポケットで、最初のコーナー(3角)まで約300m弱。

東京芝1800mは直線約525.9mと長く、直線手前から緩い上り勾配が続くフラット寄りのタフなレイアウト。

道中で無理をせず、L3(残り600m)からの加速とトップスピードの持続、そして長い直線での再加速が問われます。

内で脚をためて直線でスムーズに外へ持ち出す、あるいは中〜外の進路を確保して長くいい脚を使えるかが鍵です。

ラップ傾向

ラップ傾向は後傾(溜→瞬発)が基本です。

前半は極端に速くなりにくく、道中は息が入り、L4〜L2でのロングスパート戦に移行しやすいのが特徴。

中団の外で脚を温存し、直線半ばまでにトップスピードへ乗せ切る形が王道です。

ハイラップで締まった年は先行の粘り込みもありますが、逃げ切りは難しく、ゴール前での瞬発力と持続力のバランスが求められます。

タイム水準

  • 良馬場の勝ち時計レンジ:1分44秒前後〜1分45秒台前半
  • 上がり最速の目安:33秒台後半〜34秒台中盤
  • 要求能力:ギアチェンジ性能+トップスピードの維持+直線の再加速

馬場が速い年は1分44秒を切る決着も射程。
雨や強風で時計が掛かると1分46秒台まで延びるケースがあります。
いずれも直線での持続力が必須です。

枠順傾向

中〜外枠がやや良。

コーナー進入までの距離が短く、内は包まれて捌き待ちになるリスクがある一方、中〜外はスムーズに加速ラインを取りやすく直線勝負に持ち込みやすいです。

ただし内でロスなく運べれば互角以上に戦えるため、隊列と仕掛けのタイミング次第で着順は変動します。

脚質

差し>先行>追込が基本です。

勝ち切りは差しの決め手が中心で、好位勢はスムーズに直線へ向ければ粘り込みも可能。

追込は届く年もありますが、仕掛けのタイミングと進路確保がシビアです。

逃げ一手は相手関係と馬場恩恵がないと苦戦しやすいです。

騎手

過去10年で複勝見に入った主な騎手の傾向

  • C.ルメール:道中ポジションを取り過ぎず、直線でスムーズに加速帯へ導く巧さ
  • 川田将雅:出し入れのメリハリと瞬発局面のタイミングが的確
  • 戸崎圭太:東京向きの捌きで直線のロスを最小化
  • M.デムーロ:コーナーで脚を溜め、直線半ばでのもう一段の伸びを引き出す
  • 岩田康誠:内で脚を温存して直線外へ切り替える判断が光る

直線まで脚を温存しつつL3で弾けさせる“溜め→瞬発”の運びを作れるタイプが好成績です。

前走のレース(レース名/距離/競馬場×距離)

クイーンS(芝1800m・札幌)関屋記念(芝1600m・新潟)札幌記念(芝2000m・札幌)ヴィクトリアマイル(芝1600m・東京)が王道です。

他では小倉日経OP(芝1800m・小倉)米子S(芝1600m・京都/阪神)中京記念(芝1600m・小倉/中京)エプソムC(芝1800m・東京)など多様な臨戦から好走が出ています。

前走でオープンクラス(重賞・OP)3着以内がある馬の信頼度が高い傾向です。

人気別の傾向

人気別の傾向

  • 1番人気:勝ち切れない年もあり、相手本線の扱いが妥当
  • 2番人気:連対圏は多いが、取りこぼしも想定
  • 3番人気:妙味と安定のバランス。勝ち負けまで
  • 4番人気:展開と枠順が噛み合えば優勝圏
  • 5番人気:差し脚の裏付けがあれば一発圏
  • 6〜9番人気:上がり上位を出せるタイプが台頭
  • 11番人気以下:極端な波乱は少なく、ハマり待ち

血統(父/母父/父×母父)

過去10年で複勝圏に入った主な血統の傾向

  • 父:ディープインパクト、ハーツクライ、ドゥラメンテ、エピファネイア、モーリス、ロードカナロアなど“瞬発+持続”のマイル〜中距離型が中心
  • 母父:Storm Cat、キングカメハメハ、フレンチデピュティ、クロフネ、サドラーズウェルズ系など先行力や底力を補う配合が目立つ
  • 父×母父:瞬発型×パワー/先行力型の補完配合が王道。高速馬場はディープ系×ミスプロ系、時計が掛かる年は欧州持久力内包が好相性

非根幹距離1800m特有の“スピード持続+ギアチェンジ”の両立がポイント。
欧州的な粘りや中距離的スタミナを背景に持つ血統はタフな流れで強みを発揮します。

調教師

過去10年で複勝見に入った主な調教師の傾向

  • 国枝栄:東京マイル〜中距離での瞬発力仕上げに長所
  • 友道康夫:直線勝負向きのフォーム完成と折り合い重視
  • 矢作芳人:中間緩めず“持続伸び”を引き出す設計
  • 高野友和:折り合いを優先し終いにウリを作る調整
  • 池添学:中盤で脚を温存してL3加速を狙うローテ構築

馬主

過去10年で複勝見に入った主な馬主の傾向

  • サンデーレーシング:上がり上位を出せる良血の投入が多く上位常連
  • キャロットファーム:中距離寄り素質馬を東京仕様へフィット
  • シルクレーシング:切れと持続の両立型で好走多数
  • 金子真人ホールディングス:舞台を問わない総合力で存在感
  • 社台レースホース:先行・差し両面で安定感

調教師×馬主

過去10年で複勝見に入った主な調教師×馬主の傾向

  • 国枝栄×サンデー/キャロット:東京の瞬発戦で相性良好
  • 友道康夫×シルク/金子真人HD:高速馬場での伸び切りが強み
  • 矢作芳人×キャロット/社台RH:多彩な臨戦で持続力を引き出す

生産牧場

過去10年で複勝見に入った主な生産牧場の傾向

  • ノーザンファーム:勝ち星・連対の比重が大きく舞台適性が高い
  • 社台ファーム:中距離配合の持続力で上位進出
  • 白老ファーム・追分ファーム:瞬発寄りの配合で台頭
  • 下河辺牧場・三嶋牧場:時計の掛かる年での粘りが目立つ

まとめ

  • 枠:中〜外枠わずかに良。内は捌き次第で互角
  • ラップ:後傾でL3の瞬発→持続が肝。直線で再加速できる余力を確保
  • 脚質:差し優位。好位はロスなく運べれば粘り込み
  • 血統:ディープインパクトやハーツクライ、ドゥラメンテ、エピファネイアなど“瞬発×持続”配合が王道。タフ化で欧州的スタミナ内包を加点
  • ローテ:クイーンS・関屋記念・札幌記念・ヴィクトリアマイル経由が主流
  • 騎手:C.ルメール、川田将雅、戸崎圭太、M.デムーロ、岩田康誠の東京巧者が有力
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