コース構造と特徴
スタート地点は向こう正面の芝スタートで、最初のコーナー(3角)までおよそ900m前後の長い直線区間。
東京芝1800m(Bコース想定)はワンターン2コーナー型で中盤までリズムを作りやすく、最後は約525mの長い直線とゴール前の緩い上り勾配で瞬発力とトップスピードの持続力が問われます。
道中で無理なく息を入れ、L3(残り600m)からの加速→L2の瞬発→L1の維持という総合力が重要です。
外に進路を取りやすく、内に閉じ込められにくい設計ですが、直線入口の手前で仕掛け遅れが生じると届き損ねます。
ラップ傾向
ラップ傾向は後傾(溜→瞬発)が基本です。
前半が落ち着きやすく、L3から11秒台前半へのロングスパート~L2最速という“加速勝負”が多いレースです。
中団~好位で脚を温存し、直線入口でスムーズにギアを上げて長く良い脚を使う形が王道です。
風や馬場が重くなった年は道中の緩みが減り、やや持続色(フラット)に寄ると差し・先行の両立になります。
タイム水準
- 良馬場の勝ち時計レンジ:1分46秒台前半〜1分47秒台後半
- 上がり最速の目安:33秒0〜34秒5
- 要求能力:トップスピードの質+長く脚を使う持続力+加速局面での機動
高速馬場の年は1分46秒前後まで短縮。
雨や強風でタフ化した年は1分48秒台まで掛かるケースがあります。
枠順傾向
中〜外枠がやや良。
長い直線で進路を確保しやすく、3〜4角の押し上げでも外の自由度が活きます。
内枠はロスは少ない一方で直線入口での進路確保がポイントになり、さばきが遅れると伸び切れない場面があります。
脚質
差し>先行>追込が基本です。
スロー~ミドルからの瞬発戦で差しが決まりやすく、好位差しも強いです。
先行は単騎気味で息が入れば残りますが、直線でのトップスピード勝負で見劣ると差されます。
追込は展開と直線の流れがかみ合えば届きますが、仕掛け遅れは致命的です。
騎手
過去10年で複勝圏に入った主な騎手の傾向
- C.ルメール:道中は温存、直線の進路と加速のタイミングが的確
- 戸崎圭太:ポジション取りと仕掛け待ちのバランスが安定
- 川田将雅:スタートと好位確保が正確で瞬発戦でも崩れにくい
- 石橋脩:溜めを利かせてL2最速の脚を引き出す騎乗
- 団野大成:早仕掛けになり過ぎない見極めで上位進出
直線入口でロスなく加速させ、長く脚を使わせる“溜め→瞬発”の作り方が鍵です。
前走のレース(レース名/距離/競馬場×距離)
新馬(芝1800m・東京/中山/阪神)、未勝利(芝1800m〜2000m・各場)、サウジアラビアRC(芝1600m・東京)、アイビーS(芝1800m・東京)、札幌2歳S(芝1800m・札幌)、新潟2歳S(芝1600m・新潟)が主な臨戦。
同距離(東京1800m)やワンターンで上がり上位を使っている馬、あるいは小回り1800mでもL2基準で鋭い脚を見せた馬の信頼度が高いです。
人気別の傾向
人気別の傾向
- 1番人気:上位決着が多く軸向き
- 2番人気:勝ち負けに加わる確率が高い
- 3番人気:安定して連対圏を確保しやすい
- 4番人気:展開が噛み合えば優勝圏
- 5番人気:末脚の質が高ければ上位進出
- 6〜9番人気:スロー濃厚年は切れ者の台頭余地
- 11番人気以下:展開と馬場の後押しがあれば一撃の余地
血統(父/母父/父×母父)
過去10年で複勝圏に入った主な血統の傾向
- 父:ディープインパクト系、ハーツクライ、エピファネイア、ハービンジャー、モーリス、ロードカナロアなど“瞬発×長い脚”を伝える系統が中心
- 母父:Storm Cat系、キングカメハメハ、フレンチデピュティ、Gone West系、サドラーズウェルズ系などで切れ味や底力を補完
- 父×母父:ディープ系×Storm Catや、ハーツ/エピファ×ミスプロ系などの“瞬発+パワー補完”配合が王道
ワンターンの上がり勝負になりやすく、瞬時の加速とトップスピードの質を高める配合の信頼度が高いです。
道悪寄りでは欧州的パワー/持続力の血を内包した配合が評価を上げます。
調教師
過去10年で複勝圏に入った主な調教師の傾向
- 国枝栄:外回り向きの瞬発力仕上げで直線勝負に強い
- 木村哲也:折り合い重視でL2の爆発力を引き出す
- 堀宣行:位置取りと瞬発の両立を意識した完成度の高い仕上げ
- 手塚貴久:道中の無駄を削り直線で一気に脚を使う設計
- 中内田充正:先行力を担保しつつ瞬発性能も高めるバランス型
馬主
過去10年で複勝圏に入った主な馬主の傾向
- サンデーレーシング:ワンターン瞬発型で上位常連
- キャロットファーム:切れと持続のバランスが良い馬で安定
- シルクレーシング:L2最速に強い配合で好走が多い
- ゴドルフィン:東京型の持続スピードで存在感
- 金子真人ホールディングス:馬場を問わず終いの質で勝負
調教師×馬主
過去10年で複勝圏に入った主な調教師×馬主の傾向
- 国枝栄×サンデーレーシング:瞬発戦適性を高水準で引き出す組み合わせ
- 木村哲也×シルクレーシング:ワンターンの切れ勝負で好相性
- 堀宣行×キャロットファーム:位置取りと決め脚の両立で上位常連
生産牧場
過去10年で複勝圏に入った主な生産牧場の傾向
- ノーザンファーム:上がり勝負への対応力が高く勝ち星が多い
- 社台ファーム:持続力型でも切れを補う配合で上位進出
- 白老ファーム:スピード持続型で台頭
- 追分ファーム:決め脚を引き出す配合で健闘
- ノースヒルズ:パワー寄りの年に強み
まとめ
- 枠:中〜外枠やや良。内は進路確保が鍵
- ラップ:後傾でL2最速の瞬発戦が肝。トップスピードの質を重視
- 脚質:差し・好位差しが軸。先行は息が入れば粘る
- 血統:ディープ系/ハーツ/エピファ/モーリスなど“瞬発+長い脚”配合が王道
- ローテ:東京1800mの新馬・アイビーS・サウジRC・札幌2歳Sなどからの臨戦を重視
- 騎手:C.ルメール、戸崎圭太、川田将雅、石橋脩、団野大成が好相性
