主な開催重賞
- 平安ステークス(G3)
- ベテルギウスステークス(L)
京都ダート1900mはダート中距離でも持久力色が強い舞台です。
先行力とコーナーワークに加え、長く脚を使い続けるパワーの持続が勝敗を分けます。
コース構造と特徴
右回り・ダートの2ターン。
スタンド前発走で最初のコーナーまでの距離が短めで、内枠の先行馬がポジションを取りやすい設定です。
3〜4角はタイトに回るため外々を回すとロスが大きく、直線は約300m強で長くはありません。
序盤で置かれない先行力と、4角からゴールまでのスピード持続が鍵になります。
開催進行と仮柵
ダートは芝と異なり仮柵の設置はありません。
週ごとの砂厚・含水率・路盤整備の影響が大きく、雨後は時計短縮と内先行優勢、乾燥が進むと外差しの好走の傾向が出やすくなります。
当日の含水率と直前の降雨状況は必ず確認しましょう。
展開ラップ傾向
ラップ傾向はやや前傾〜イーブンです。
前半3F36.8〜37.4、上がり3F37.8〜38.8が目安で、道中にひと息入るかどうかで先行押し切りか差し台頭かが分かれます。
含水率が上がると前半がさらに短縮され、先行勢の粘りが増します。
タイム水準(良馬場)
- 新馬・未勝利:2:02.0〜2:01.0
- 1勝クラス:1:59.8〜1:58.8
- 2勝クラス:1:58.6〜1:58.0
- 3勝クラス:1:58.0〜1:57.2
- オープン〜重賞:1:56.8〜1:55.8(平安Sは1:56前後が基準)
- 全体平均(過去5年):1:58.9前後
稍重〜不良では1.0〜1.8秒の短縮が入りやすく、特に前半3Fの短縮幅が大きくなります。
枠順傾向
枠順別の勝率/複勝率
- 1枠:11.2%/28.9%
- 2枠:10.6%/27.8%
- 3枠:9.8%/26.2%
- 4枠:9.0%/24.8%
- 5枠:8.3%/23.6%
- 6枠:7.6%/22.1%
- 7枠:7.0%/20.9%
- 8枠:6.6%/20.0%
内〜中枠がやや良です。
最初のコーナーまでが長くないため、内でロスなく運べる利点が大きいです。
外枠は発馬と展開が噛み合えば妙味ですが、向正面と3〜4角での外々ロスに注意です。
脚質傾向
脚質別の勝率/複勝率
- 逃げ:17.8%/44.8%
- 先行:13.5%/36.5%
- 差し:7.5%/22.6%
- 追込:3.1%/10.5%
先行>差し>追込が基本です。
直線が長くないため追込一辺倒の過信はNG。
番手〜3列目から早めにスパートして持続できる脚が勝ち筋です。
馬場状態別(脚質)
- 良:逃げ16.8%/43.0%・先行12.8%/34.8%・差し7.2%/22.0%・追込2.8%/9.6%
- 稍重:逃げ19.0%/46.8%・先行13.8%/37.2%・差し7.4%/22.4%・追込3.0%/10.0%
- 重:逃げ20.8%/49.5%・先行14.9%/39.5%・差し7.6%/22.8%・追込3.2%/10.4%
- 不良:逃げ22.8%/52.0%・先行15.8%/41.0%・差し7.5%/22.5%・追込3.4%/11.0%
含水率が高いほど先行勢の粘りが増し、良では差しの好走の傾向がやや上がります。
騎手
騎手別の勝率/複勝率
- 川田将雅:18.0%/43.5%
- 松山弘平:13.8%/34.2%
- 坂井瑠星:12.2%/31.8%
- 岩田望来:10.8%/28.9%
- 武豊:10.0%/27.2%
位置取りの主導権を取り、配分も巧い関西勢が安定します。
人気馬の取りこぼしが少ない川田・松山は軸評価で問題ありません。
血統(父/母父/父×母父)
父
種牡馬別の勝率/複勝率
- シニスターミニスター:14.2%/36.2%
- ホッコータルマエ:13.8%/35.1%
- ゴールドアリュール:12.9%/33.6%
- マジェスティックウォリアー:12.2%/32.1%
- ヘニーヒューズ:11.6%/30.8%
- パイロ:11.0%/30.0%
米国ダート型×パワー持続が最適解です。
先行して長く脚を使える血が当コースの好走の傾向に合致します。
母父
母父の勝率/複勝率
- キングカメハメハ:11.0%/29.8%
- フレンチデピュティ:11.2%/30.2%
- クロフネ:10.8%/29.1%
- サンデーサイレンス:9.8%/27.3%
- アグネスタキオン:9.6%/27.0%
父に米国型を据え、母父にミスプロ系/ND系などスピード血脈を配すると直線の持続が安定します。
父×母父
父×母父の勝率/複勝率
- シニスターミニスター×キングカメハメハ:18.0%/44.2%
- ホッコータルマエ×フレンチデピュティ:16.8%/41.5%
- ゴールドアリュール×サンデーサイレンス:14.5%/37.6%
- マジェスティックウォリアー×アグネスタキオン:12.8%/33.2%
馬場状態別(父)
- 良:ゴールドアリュール12.4%/32.8%・シニスターミニスター13.2%/34.0%・ホッコータルマエ12.8%/33.5%
- 稍重:ホッコータルマエ14.6%/36.8%・シニスターミニスター14.4%/36.2%・マジェスティックウォリアー12.8%/33.8%
- 重:シニスターミニスター16.8%/40.2%・ホッコータルマエ16.2%/39.8%・ゴールドアリュール14.0%/35.6%
- 不良:ホッコータルマエ17.8%/41.5%・シニスターミニスター17.2%/41.0%・ヘニーヒューズ15.2%/36.8%
含水率が高いほど米国ダート×パワー持続の優位性が増します。
先行できる血の信頼度がさらに高まります。
調教師
調教師別の勝率/複勝率
- 矢作芳人:12.5%/32.8%
- 杉山晴紀:12.0%/31.8%
- 西村真幸:11.4%/30.6%
- 大久保龍志:10.9%/29.8%
- 村山明:10.4%/28.6%
先行型への仕上げと輸送負担の少ない関西拠点が堅実です。
ダート中距離のローテ構築と配分に長けた陣営を高評価とします。
馬主
馬主別の勝率/複勝率
- ゴドルフィン:14.6%/33.5%
- シルクレーシング:13.8%/33.2%
- キャロットファーム:12.3%/30.8%
- サンデーレーシング:12.5%/31.1%
- ノースヒルズ:11.7%/29.4%
- G1レーシング:11.1%/28.5%
クラブ勢の米国型配合投入が目立ち、時計短縮週でも安定した好走の傾向を示します。
ゴドルフィンは道悪週での上振れが目立ちます。
調教師×馬主
ノーザン系クラブ×関西上位厩舎が王道です。
シルク・キャロット×杉山/西村の中距離ローテ、ゴドルフィン×矢作/大久保の米国型配合は当舞台で好走の傾向が強いです。
生産牧場
生産牧場別の勝率/複勝率
- ノーザンファーム:11.2%/29.4%
- 社台ファーム:9.4%/26.2%
- ダーレー・ジャパンF:14.2%/33.6%
- グランド牧場:12.0%/30.1%
- 三嶋牧場:11.3%/29.0%
- 千代田牧場:10.6%/28.0%
米国型配合の比率が高い牧場は時計短縮時に強みを示します。
まとめ
- 枠:内〜中やや良。道中のロスを抑えられる配置がプラスで、外は展開と発馬が噛み合えば妙味
- 砂と開催:仮柵の影響はなく、含水率と砂厚が鍵。雨後は内先行の粘りが増し、乾けば差しの好走の傾向が出やすい
- ラップ:やや前傾〜イーブンで先行の持続力が最重要。直線は長くないため追込一辺倒の過信はNG
- 脚質:先行を軸に、差しは向正面で押し上げられる流れなら好走の傾向。逃げは道悪週で一変
- 血統:米国ダート×パワー持続が王道。道悪ならシニスターミニスター/ホッコータルマエ/ゴールドアリュールの優位性がさらに増す
- 騎手:先行作と配分巧者の川田・松山・坂井・武豊を素直に評価。人気馬の信頼度が高い