主な開催重賞
- 毎日杯（G3）
- ローズステークス（G2）
阪神芝1800mは右回り・外回りのワンターン性が強い中距離。
直線は約470mで急坂を越えるため、スピードの持続力と坂で止まらないパワーが要求されます。
コース構造と特徴
右回り・外回り。
向こう正面奥のポケットから発走し、最初のコーナーまでおよそ350〜400mを確保。
3〜4角は大回りでコーナー半径が大きく、直線は約470m、ラストに高低差約1.8mの急坂があります。
コーナーでの減速を抑え、直線入口で加速しつつ坂で踏ん張れる好位〜中団の持続型がフィットします。
開催進行と仮柵
芝はA→B→Cの仮柵替えで実施。
A序盤は内の芝質が良く内先行有利になりやすいです。
使い込みで内が荒れてくると進路は外へシフトし、差しの好走の傾向が上がります。
降雨週は内ラチ沿いの水はけ次第で内有利が復活するケースもあるため、仮柵位置と含水率の確認が重要です。
展開ラップ傾向
ラップ傾向はイーブン〜やや後傾（緩→速）。
前半3F36.0〜36.8、上がり3F34.8〜35.6が目安で、直線の急坂前後での再加速と持続力の両立が求められます。
渋化すると前半がさらにスロー寄りになり、直線の押し切り・差し切りの再現性は馬場の進路差に左右されます。
タイム水準（良馬場）
- 新馬：1:48.5〜1:50.0
- 未勝利：1:47.8〜1:49.5
- 1勝クラス：1:46.8〜1:47.8
- 2勝〜3勝クラス：1:45.8〜1:46.8
- オープン〜重賞：1:44.8〜1:45.6（毎日杯は1:45前後が基準）
- 全体平均（過去5年）：1:47.2前後
稍重〜不良では0.6〜1.5秒延長が一般的で、特にラスト1Fの失速幅が拡大します。
枠順傾向
枠順別の勝率／複勝率
- 1枠：9.6%／26.2%
- 2枠：9.4%／25.8%
- 3枠：9.1%／25.2%
- 4枠：8.8%／24.6%
- 5枠：8.4%／24.0%
- 6枠：7.8%／22.8%
- 7枠：7.3%／21.8%
- 8枠：6.9%／21.0%
内〜中枠がやや良。
最初のコーナーまでにロスなく隊列へ入れる利が大きく、立ち回り型に追い風。
外枠は道中のコーナーワークで外々を回らされやすく、展開と進路が噛み合えば妙味という評価です。
脚質傾向
脚質別の勝率／複勝率
- 逃げ：14.8%／37.5%
- 先行：12.6%／34.2%
- 差し：8.8%／27.0%
- 追込：4.8%／14.8%
先行〜差し＞追込が基本。
直線が長くても急坂での減速があるため、追込一辺倒の過信はNG。
中団から長く良い脚を使えるタイプが勝ち筋です。
馬場状態別（脚質）
- 良：逃げ14.4%／36.8%・先行12.4%／33.8%・差し9.0%／27.4%・追込4.9%／15.0%
- 稍重：逃げ15.6%／38.6%・先行13.0%／34.8%・差し8.4%／26.0%・追込4.2%／13.6%
- 重：逃げ16.2%／39.4%・先行13.6%／35.6%・差し7.8%／24.6%・追込3.8%／12.6%
- 不良：逃げ16.8%／40.2%・先行14.0%／36.0%・差し7.2%／23.8%・追込3.5%／12.0%
渋るほど前受けの粘りが増しやすく、良では差しの好走の傾向がやや上がります。
騎手
騎手別の勝率／複勝率
- 川田将雅：16.8%／42.0%
- C.ルメール：15.6%／40.2%
- 松山弘平：12.6%／32.8%
- 坂井瑠星：11.8%／30.4%
- 岩田望来：10.8%／28.6%
好位を取りつつ配分が巧い関西勢が安定。
人気馬の取りこぼしが少ない川田・ルメールは軸評価で問題ありません。
血統（父／母父／父×母父）
父
種牡馬別の勝率／複勝率
- ディープインパクト：13.4%／35.8%
- エピファネイア：12.6%／33.4%
- モーリス：11.6%／31.0%
- ロードカナロア：10.8%／29.2%
- キズナ：10.6%／29.0%
- ハーツクライ：10.2%／28.2%
瞬発×持続の両立が王道。
坂で止まらない底力を内包したディープ系・パワー型マイラー〜中距離血統が好走の傾向に合致します。
母父
母父の勝率／複勝率
- キングカメハメハ：11.2%／30.0%
- フレンチデピュティ：10.6%／29.2%
- ストームキャット：10.4%／28.8%
- クロフネ：10.0%／28.0%
- サクラバクシンオー：9.6%／27.0%
父が瞬発型の場合、母父にミスプロ系／ND系などのスピード血脈を配すると立ち回りと直線の伸びが安定します。
父×母父（主な好配合・目安）
父×母父の勝率／複勝率
- ディープインパクト×ストームキャット：17.2%／43.2%
- エピファネイア×キングカメハメハ：15.0%／39.0%
- モーリス×フレンチデピュティ：14.2%／36.8%
- キズナ×クロフネ：12.8%／33.2%
馬場状態別（血統）
- 良：ディープインパクト13.6%／36.0%・キズナ10.8%／29.2%・ロードカナロア10.6%／28.8%
- 稍重：エピファネイア13.4%／35.4%・モーリス12.6%／33.2%・ハーツクライ11.0%／30.0%
- 重：モーリス13.6%／35.0%・エピファネイア13.2%／34.6%・キタサンブラック12.2%／32.8%
- 不良：ゴールドシップ14.2%／36.2%・キタサンブラック13.6%／35.0%・オルフェーヴル12.8%／33.8%
馬場が渋るほどパワー持続型の優位が増し、良ではディープ系／キズナ／カナロアの切れと持続が安定します。
調教師
調教師別の勝率／複勝率
- 中内田充正：12.6%／33.2%
- 友道康夫：12.0%／31.6%
- 斉藤崇史：11.6%／30.8%
- 矢作芳人：11.2%／30.0%
- 池江泰寿：10.6%／29.0%
マイル〜中距離の仕上げと位置取り戦に強い関西上位厩舎が堅実。
坂で止まらない配分を徹底できる陣営を高評価とします。
馬主
馬主別の勝率／複勝率
- サンデーレーシング：14.0%／34.4%
- キャロットファーム：13.2%／33.0%
- シルクレーシング：12.8%／32.0%
- 金子真人ホールディングス：12.0%／31.0%
- ロードホースクラブ：11.4%／29.6%
- ゴドルフィン：11.0%／29.0%
ノーザン系クラブと個人名義の良質な中距離配合馬が安定した好走の傾向。
渋った週でも大崩れしにくいのが強みです。
調教師×馬主
ノーザン系クラブ×関西上位厩舎が王道。
サンデー・キャロット×中内田／友道／斉藤崇、金子HD×友道などは当舞台で好走の傾向が強い組み合わせです。
生産牧場
生産牧場別の勝率／複勝率
- ノーザンファーム：12.2%／31.2%
- 社台ファーム：9.6%／26.8%
- 追分ファーム：9.0%／25.2%
- ケイアイファーム：10.8%／28.6%
- ダーレー・ジャパンF：11.2%／29.6%
- ノースヒルズ：10.0%／27.4%
瞬発と持続のバランスに優れた配合を多数送り出す大手牧場が総じて堅実。
道悪時はパワー型の育成背景を持つ牧場の強みが出ます。
まとめ
- 枠：内〜中やや良。道中のロスを抑えられる配置がプラスで、外は展開と進路確保が噛み合えば妙味
- 開催と芝：仮柵と内の傷みが鍵。内が良好なら内先行、荒れれば外差しの好走の傾向が出やすい
- ラップ：イーブン〜やや後傾でトップスピードの持続が最重要。急坂での失速管理が勝敗を分け、追込一辺倒の過信はNG
- 脚質：先行を軸に、中団差しは展開が噛み合えば好走の傾向。逃げはマイペースで一変
- 血統：ディープ系／エピファネイア／モーリスなど瞬発×持続型が王道。道悪ならゴールドシップ／キタサンブラック／オルフェーヴルなどパワー型の優位がさらに増す
- 騎手：配分巧者の川田・ルメール・松山・坂井を素直に評価。人気馬の信頼度が高い
