主な開催重賞
- 札幌記念(G2)
札幌芝2000mの顔となるのが夏の古馬G2・札幌記念です。
例年8月に行われ、洋芝適性と持続力が問われます。
コース構造と特徴
右回り・2ターン。
4コーナー奥のポケットからスタートし、1コーナーまで約380〜385mと札幌1800mより長い助走があります。
直線はA266.1m/B267.6m/C269.1mと短めで、高低差は約0.7mの平坦。
コーナー半径が大きく減速ロスを抑えやすいため、内で立ち回る先行〜好位勢が運びやすいのが特徴です。
開催進行と仮柵
札幌芝は開催に応じてA→B→Cと内柵を外へ移動します。
A開始直後は内の芝がフレッシュで内先行が優位。
B・Cと進むにつれて内が傷み、外差しの好走の傾向が強まります。
コース替わり直後は内のダメージがリセットされやすく、再び内で捌ける先行〜好位が有利に転じやすい点も押さえたいところです。
展開ラップ傾向
ラップ傾向は後傾(緩→持続)が基本です。
1コーナーまでの距離が長いぶん前半が落ち着きやすく、L3以降でのロングスパート戦に移行しやすい設定。
札幌記念のラップ像も前半1000m60〜61秒台→後半は59〜60秒台の持続型が中心で、コーナーワーク+持続力が重要になります。
タイム水準(良馬場)
- 新馬・未勝利:2:02.0〜2:05.0
- 1勝クラス:2:01.0〜2:02.0
- 2勝〜3勝クラス:2:00.0〜2:01.8
- オープン・L〜重賞:1:59.0〜2:00.5
- 参考(レコード/古馬):1:58.6(タスカータソルテ)
近5年平均では各クラスとも前半は緩め、後半で締まる時計に収束します。
札幌記念周辺の重賞域は概ね2:00前後が目安です。
枠順傾向
枠順別の勝率/複勝率
- 1枠:10.4%/26.0%
- 2枠:7.5%/22.6%
- 3枠:9.9%/22.5%
- 4枠:6.0%/18.8%
- 5枠:8.9%/22.0%
- 6枠:5.6%/23.2%
- 7枠:4.8%/23.2%
- 8枠:7.6%/19.8%
内〜中やや良が基本。
助走が長い分、外枠も出脚と進路確保が決まれば妙味はありますが、直線が短いので内でロスなく立ち回れる利点は大きいです。
脚質傾向
脚質別の勝率/複勝率
- 逃げ:24.0%/44.0%
- 先行:13.2%/41.7%
- 差し:4.4%/17.2%
- 追込:0.7%/2.9%
先行>差し>追込が基本です。
番手〜3列目で脚を温存し、L3からの持続加速で押し切る形が王道です。
直線が短く、極端な追込過信はNG。
馬場状態別(脚質)
- 良:基本は先行優位だが、展開が噛み合えば差しの好走の傾向も
- 稍重:前が止まりにくく、逃げ・先行の粘りが増す
- 重:内が荒れると外差しが台頭しやすいが、位置取りが重要
- 不良:パワーと先行力が物を言い、内先行の残り目が増える
札幌記念の近年ラップもロングスパート色が強く、渋るほど前受けの粘りが増します。
騎手
騎手別の勝率/複勝率
- 横山武史:17.3%/44.2%
- 丹内祐次:12.3%/40.4%
- 鮫島克駿:15.0%/37.5%
- 横山和生:12.2%/34.1%
- C.ルメール:20.0%/32.0%
札幌巧者の横山武史・横山和生、積極策でロスを抑える丹内、人気馬の取りこぼしが少ないルメール、持続戦に強い鮫島克駿は素直に評価できます。
血統(父/母父/父×母父)
父
種牡馬別の勝率/複勝率
- ゴールドシップ:11.1%/29.2%
- オルフェーヴル:15.6%/43.8%
- ドゥラメンテ:12.5%/20.0%
- ハービンジャー:7.4%/31.5%
- キズナ:10.0%/25.0%
- エピファネイア:6.8%/22.7%
洋芝×パワー持続に強いパワー型・持久型が好走の傾向。
特にゴールドシップやオルフェーヴルなどスタミナと踏ん張りの血は信頼度が高いです。
母父
母父の勝率/複勝率
- ハーツクライ:14.8%/37.0%
- シンボリクリスエス:13.6%/27.3%
- キングカメハメハ:4.0%/28.0%
- サクラバクシンオー:14.3%/42.9%
- ディープインパクト:6.3%/14.3%
父に持続力、母父にSS系/ミスプロ系/ND系のしなやかさを配す配合で直線の持続が安定します。
父×母父
パワー型(ゴールドシップ/オルフェーヴル/キタサンブラック)×母父に柔らかさ(ディープ、キングカメハメハ、ハーツ)など、持続と瞬発の補完配合が目立ちます。
馬場状態別(血統・父)
- 良:ドゥラメンテ/ディープ/キズナなど総合力型
- 稍重:ハービンジャー/エピファネイアなどの持続×パワー配合が上昇
- 重:キタサンブラック/ゴールドシップなどパワー血統の優位が拡大
- 不良:ゴールドシップ/オルフェーヴルなどスタミナ×踏破力の血が強み
道悪では洋芝的パワーと持続力に比重が置かれます。
調教師
調教師別の勝率/複勝率
- 和田正一郎:42.9%/85.7%
- 鈴木伸尋:50.0%/66.7%
- 鹿戸雄一:20.0%/70.0%
- 武幸四郎:20.0%/50.0%
- 須貝尚介:20.0%/50.0%
先行力を引き出しつつロングスパートに耐える仕上げが鍵。
札幌滞在でコンディションを安定させる陣営が強みを示します。
馬主
馬主別の勝率/複勝率
- サラブレッドクラブ・ラフィアン:9.9%/29.7%
- G1レーシング:14.3%/28.6%
- 社台レースホース:9.4%/34.0%
- ウイン:14.7%/29.4%
- シルクレーシング:10.3%/30.8%
- キャロットファーム:13.3%/33.3%
ノーザン系クラブを中心に、中距離で地力を発揮できる布陣が目立ちます。
調教師×馬主
ノーザン系クラブ×関東・関西の中距離巧者厩舎が王道です。
札幌滞在策や洋芝実績のある厩舎×クラブの組み合わせはこの舞台で好走の傾向が強いです。
生産牧場
生産牧場別の勝率/複勝率
- 追分ファーム:11.8%/26.5%
- レイクヴィラファーム:11.5%/30.8%
- 三嶋牧場:12.0%/28.0%
- 岡田スタッド:3.8%/17.0%
- フジワラファーム:11.8%/23.5%
- 杵臼牧場:14.3%/42.9%
洋芝適性の高い配合と育成を施す牧場が上位に顔を出します。
札幌替わりでパワーと持続力を発揮できる系統に注目です。
まとめ
- 枠:内〜中やや良。道中のロスを抑えられる配置がプラスで、外は発馬とダッシュで好位確保なら妙味
- 開催と芝:仮柵移動で序盤は内先行、開催後半は外差しの好走の傾向が強まる
- ラップ:後傾でロングスパートの持続力が最重要。コーナーワークで脚を温存しL3から押し切る
- 脚質:先行を軸に、差しは展開が噛み合えば好走の傾向。極端な追込過信はNG
- 血統:洋芝×パワー持続が王道です。道悪ならゴールドシップ/キタサンブラック/オルフェーヴルの優位がさらに増す
- 騎手:札幌巧者のルメール、横山武史、鮫島克駿、横山和生を素直に評価
