主な開催重賞
- 札幌日経オープン(L)
- 丹頂ステークス(OP)
札幌芝2600mは洋芝の長距離で、スタミナと持続力の総合戦。
主に夏開催で施行され、オープンでは札幌日経オープンや丹頂ステークスがコースの指標になります。
コース構造と特徴
右回り・芝の周回でコーナーを6回通過。
スタートは向こう正面中ほどで、最初のコーナーまで約160m。
直線はAコース約266m、B約268m、C約269m、高低差0.7mでほぼ平坦。
コーナーが大きく、全体に丸いレイアウトのためスピードの惰性を保ちやすい一方、道中のロスを抑える立ち回りが重要です。
フルゲートは各コース14頭です。
開催進行と仮柵
札幌の芝は開催内でA→B→Cと仮柵を外へ移動。
開幕週は内がフレッシュで内先行が機能しやすく、週を経ると内が荒れて外差しの好走の傾向が強まります。
道悪週は内の傷みが表面化しやすく、外伸びや馬場の良いラチ沿いに進路を取れる馬が優位に転じます。
当日の含水・クッション値は必ずチェックしましょう。
展開ラップ傾向
ラップ傾向は後傾(緩→持続)が基本です。
前半は淡々、3角手前からロングスパートで持続力勝負に移行するケースが多数。
L4〜L2での長い脚を要求され、最後はしぶとさとトラクションが物を言います。
道悪ではさらに道中が緩みやすい一方、終盤のパワーと踏ん張りの比べになります。
タイム水準(良馬場)
- 1勝クラス:2:44前後
- 2勝クラス:2:43前後
- 3勝クラス〜OP:2:41〜2:42台
- 全体平均(近年目安):2:43.7
- レコード:2:37.6(札幌日経オープン)
時計は馬場の含水に大きく依存します。
良での基準は上記目安、渋れば表面上のラップは落ちても終いは持久力の比べになりやすいです。
枠順傾向
枠順別の勝率/複勝率
- 1枠:11.5%/30.8%
- 2枠:19.2%/38.5%
- 3枠:6.8%/18.2%
- 4枠:8.7%/21.7%
- 5枠:6.7%/31.1%
- 6枠:4.2%/12.5%
- 7枠:2.0%/17.6%
- 8枠:9.8%/25.5%
内〜中枠がやや良です。
コーナー6回でロスが直結するため、内で経済コースを回れる利点が大きい一方、外枠でも出脚と進路確保が決まれば妙味。
脚質傾向
脚質別の評価
- 逃げ:序盤スローなら粘り込みに注意
- 先行:持続戦で安定の主役
- 差し:L4からのロングスパート適性で台頭
- 追込:届けば妙味だが過信は禁物
先行>差し>追込が基本です。
番手〜3列目で脚を温存し、L3からの持続加速で押し切るのが王道です。
一団で直線を迎えても追込一辺倒の過信はNG。
馬場状態別(脚質)
- 良:先行と差しがバランス良好。持続脚が生きる
- 稍重:前受けの粘りが増す。外目のロングスパートも有効
- 重:内の傷み次第で外差し優位にシフト
- 不良:先行有利が強まり、パワー型のしぶとさが鍵
道悪ほど前受けの粘りが増し、良では差しの好走の傾向がわずかに上昇します。
騎手
騎手別の勝率/複勝率
- C.ルメール:30.0%/55.0%
- 池添謙一:25.0%/37.5%
- 横山和生:18.2%/45.5%
- 武豊:8.7%/43.5%
- 横山武史:8.3%/33.3%
札幌巧者の手綱は素直に加点。
流れを読み、温存から長く脚を使わせる采配が安定します。
血統(父/母父/父×母父)
父
種牡馬別の勝率/複勝率
- ドゥラメンテ:35.3%/64.7%
- ハーツクライ:9.4%/28.1%
- ディープインパクト:6.7%/33.3%
- キズナ:16.7%/33.3%
- キングカメハメハ:16.7%/25.0%
洋芝×持続を素直にこなす血は総じて信頼。
ドゥラメンテやハーツ系のスタミナ持続、ディープ系の立ち回り+持久力が好走の傾向です。
母父
母父の勝率/複勝率
- Unbridled’s Song:50.0%/75.0%
- サンデーサイレンス:18.2%/18.2%
- Monsun:100.0%/100.0%※少頭数例
- ジャングルポケット:10.0%/30.0%
- Mr. Greeley:20.0%/60.0%
母父は欧州型スタミナやミスプロ系の底力補完が効果的。
長丁場での持続とトラクションに寄与します。
父×母父
父×母父の相性では、スタミナ型父にミスプロ系・欧州型スタミナ(例:Monsun系)を合わせる配合が好走の傾向。
3000m級まで視野の配合は信頼度が増します。
調教師
所属別の概況
- 美浦所属:9.2%/22.9%
- 栗東所属:7.1%/25.3%
長距離で鍛えの効くローカル滞在策が奏功。
仕上げ精度と先行作戦の徹底が鍵です。
馬主
クラブ勢は出走数の多く、洋芝適性の高い配合で好走の傾向。
個人オーナーは自前生産のパワー配合で道悪に強みを見せます。
調教師×馬主
ノーザン系クラブ×札幌滞在の巧者厩舎が王道です。
滞在でコンディションを維持しつつ、先行作戦を徹底できる布陣は信頼度が高い組み合わせです。
生産牧場
大規模牧場は出走数の多い分、複勝圏の厚みが安定。
洋芝・ローカル向きのパワー配合を高比率で生産する牧場の強みが出やすい舞台です。
馬場状態別(血統・父)
- 良:ドゥラメンテ・ハーツクライ・ディープ系が安定
- 稍重:エピファネイア・キズナなど持続力型が強み
- 重:キタサンブラック・ゴールドシップなどパワー型の台頭
- 不良:ゴールドシップ・オルフェーヴルなどスタミナ+パワー型の上昇
道悪では洋芝的パワー×持続の血がさらに優位。
前受けできる持久力血統の信頼が高まります。
まとめ
- 枠:内〜中やや良。道中のロスを抑えられる配置がプラスで、外は発馬とダッシュで好位確保なら妙味
- 開催と芝:仮柵移動で序盤は内先行、開催後半は外差しの好走の傾向が強まる
- ラップ:後傾でロングスパートの持続力が最重要。平坦直線でも最後は踏ん張り比べ
- 脚質:先行を軸に、差しは展開が噛み合えば好走の傾向。極端な追込過信はNG
- 血統:洋芝×パワー持続が王道。道悪ならゴールドシップ/キタサンブラック/オルフェーヴルの優位性がさらに増す
- 騎手:札幌巧者のルメール・横山武史・鮫島克駿・横山和生を素直に評価
