主な開催重賞
東京芝2300mは年間施行数が少なく、重賞・OPの設定はありません。
近5年も1勝クラスと未勝利が中心です。
コース構造と特徴
左回りのコースでスタンド前の急坂を登り切った地点から発走、スタートから最初のコーナーまで約249.5mとやや短め。
直線は約525.9mで、入り口で高低差約2mの上り坂→平坦の長い直線という東京らしいレイアウトです。
コース全体の高低差は約2.7m、序盤に上りが入るため極端なハイペースになりにくく、直線は瞬発力勝負になりやすいのが基本形です。
開催進行と仮柵
東京芝はA〜Dコースを週替わりで使用、フルゲートはA/B/Cで18頭、Dコースは16頭に減ります。
外柵を出すと内の傷みを回避できる一方でコーナー半径が相対的にきつくなる週があり、内外の伸びが入れ替わることもあります。
展開ラップ傾向
典型は「緩→急」の後傾、過去5年平均(良ベース)で前半3F37.1/上がり3F35.3と後傾です。
中盤で溜めて直線の瞬発力で決着しやすく、極端な前傾戦は少数です。
タイム水準(良馬場)
- 1勝クラス平均:2:19.4(前半37.1/上がり35.3)
- 未勝利平均:2:20.9(前半37.7/上がり35.4)
- コースレコード級の水準:2:18前後(例:1999年セイウンエリア2:18.3/2021年アルビージャ2:18.4)
施行数が少ないため年次ブレは大きいですが、2:19〜2:21台が基準帯。
近年の高速決着例として2021年新緑賞2:18.4があります。
枠順傾向
枠順別の勝率/複勝率
- 1枠:9.1%/18.2%
- 2枠:27.3%/36.4%
- 3枠:15.4%/30.8%
- 4枠:0.0%/23.1%
- 5枠:6.7%/33.3%
- 6枠:5.9%/29.4%
- 7枠:12.5%/37.5%
- 8枠:5.6%/22.2%
内〜中枠(2〜5枠)と外寄りの7枠が相対的に良好。
8枠は苦戦傾向で、初手のポジション確保が鍵です。
脚質傾向
脚質別の勝率/複勝率
- 逃げ:25.0%/25.0%
- 先行:6.5%/28.0%
- 差し:30.0%/50.0%
- 追込:50.0%/50.0%(出走ごく少数)
平均像は先行〜差しを軸、直線の瞬発と持続を兼備した差し馬の複勝厚みが目立ちます。
ただし施行数が少なく、追込の高率はサンプル偏りに注意。
馬場状態別(脚質)
- 良:道中で溜め→直線の瞬発。先行〜差しが好走の傾向。
- 稍重:前半の入りが緩み過ぎない時はポジション価値上昇。先行の粘りが増える
- 重:直線の瞬発力が削がれ、立ち回り+ポジション重視にシフト
- 不良:ケース少数。基本は前受け優位+内外の馬場差を重視
騎手
騎手別の勝率/複勝率
- C.ルメール:66.7%/66.7%(3鞍)
- 田辺裕信:20.0%/60.0%(5鞍)
- 横山武史:25.0%/75.0%(4鞍)
- レーン:50.0%/100.0%(2鞍)
- 坂井瑠星:50.0%/50.0%(2鞍)
- デムーロ:0.0%/80.0%(5鞍)
少数施行ゆえに乗り替わりと遠征の意図を重視。
上位人気での取りこぼしが少ない府中巧者を素直に評価。
血統(父/母父/父×母父)
父
種牡馬別の勝率/複勝率
- エピファネイア:16.7%/33.3%(出走6)
- ハービンジャー:16.7%/50.0%(6)
- ルーラーシップ:16.7%/33.3%(6)
- サトノダイヤモンド:50.0%/50.0%(2)
父系統別ではミスプロ系の勝率23.1%/複勝38.5%、サンデー系の複勝30.0%、ロベルト系の勝率22.2%が目安。
スタミナと瞬発の両立が効きます。
母父
母父別の勝率/複勝率
- キングカメハメハ:50.0%/50.0%(出走2)
- サクラバクシンオー:33.3%/66.7%(3)
- スペシャルウィーク:0.0%/33.3%(3)
- シンボリクリスエス:0.0%/33.3%(6)
母系統別ではノーザンダンサー系の複勝28.0%、ミスプロ系の勝率26.7%/複勝40.0%が目安です。
父×母父
ミスプロ系(父)×サンデー/ノーザンダンサー系(母父)など、速度と瞬発+持続を補完する配合が好走するの傾向にあります。
馬場状態別(血統)
良:瞬発×持続の両立型(エピファネイア、ルーラーシップ、ディープ系派生等)
稍重:ミスプロ系のスピード持続、欧州型スタミナ(ロベルト影響)へ微シフト
重/不良:よりパワーと持続が問われ、ロベルト系や欧州型スタミナの影響をプラス評価
調教師
調教師別の勝率/複勝率
- 手塚貴久:50.0%/50.0%(4出走)
- 国枝栄:25.0%/50.0%(4)
- 鹿戸雄一:33.3%/66.7%(3)
- 尾関知人:33.3%/66.7%(3)
- 矢作芳人:50.0%/50.0%(2)
所属別では美浦所属が複勝30.9%と安定。
馬主
馬主別の勝率/複勝率
- サンデーレーシング:50.0%/75.0%(8出走)
- シルクレーシング:100.0%/100.0%(1)
- 社台レースホース:0.0%/100.0%(3)
- 小笹芳央:50.0%/100.0%(2)
- 里見治紀:100.0%/100.0%(1)
クラブ勢の質が厚く、上位人気の信頼度が高い点はこの距離でも一貫しています。
調教師×馬主
実務ではノーザン系クラブ(サンデー/シルク/社台)×美浦上位厩舎(手塚・国枝・鹿戸・尾関)の遠征負担小のパターンを素直に評価。
生産牧場
生産牧場別の勝率/複勝率
- ノーザンファーム:33.3%/47.6%(21出走)
- 社台コーポレーション白老F:20.0%/60.0%(5)
- 社台ファーム:0.0%/40.0%(5)
- ビッグレッドファーム:0.0%/25.0%(4)
- その他(アフリートFなど):0.0%〜100.0%(各1)
供給量の多いノーザンFが分母込みで堅実。
少数出走の牧場は率が振れやすく、小サンプルに注意してください。
まとめ
- 枠:内〜中やや良。2〜5枠の安定と7枠の妙味。8枠は割引。道中のロスを抑えられる配置をプラスに取る
- 脚質:先行を軸に差しが好走の傾向。逃げは展開ハマり待ち。追込の高率はサンプル偏りに注意
- ラップ:後傾「緩→急」。直線の瞬発力が最重要。流れと風向で前後の評価を微調整
- 血統:良ならミスプロ/サンデーの瞬発×持続型が素直。道悪はロベルト影響や欧州型の持続力へ微シフト。父×母父は系統補完を重視(速度×持続)。
- 騎手:府中巧者のルメール・田辺・横山武史らは率が高く信頼。遠征騎手のピンポイント参戦も要警戒
- 厩舎/馬主/牧場:美浦所属が安定。ノーザン系クラブ×関東上位厩舎の王道ラインは堅実。生産はノーザンFの分母優位が効く。