主な開催重賞
- 目黒記念(G2)
- アルゼンチン共和国杯(G2)
東京芝2500mは主に上記の古馬長距離重賞が中心です。
コース構造と特徴
左回り・外回りのコース、スタンド前の直線から発走し、スタート直後に緩やかな上り坂を越えてから1コーナーへ。
向こう正面は長く、3〜4コーナーを回って日本有数の長い直線約525.9mへ。
直線序盤に高低差約2mの急坂、その後は平坦。
コース全体の高低差は約2.7mで、末脚の持続力と直線の瞬発力を両立できるタイプが噛み合います。
開催進行と仮柵
東京芝はA〜Dコースを週替わりで使用、フルゲートはA/B/Cが18頭、Dコースは16頭。
外柵(仮柵)を出すほど内の傷みを回避できる反面、コーナーの内外の伸びが入れ替わる週が生じます。
展開ラップ傾向
平均像はスロー〜ミドルの後傾、道中は折り合って脚を温存し、直線の坂を越えてからのL2〜L1での瞬発が勝負どころ。
逃げ切りは難度が高く、先行〜中団から長く良い脚を使える馬が好走の傾向。
タイム水準(良馬場)
重賞の勝ち時計は概ね2分29秒台〜2分31秒台に収まる年が多いです。
コースレコードは2:28.2(2019年、ルックトゥワイス)。
枠順傾向
枠順別の勝率/複勝率
- 1枠:14.3%/38.1%
- 2枠:6.7%/36.7%
- 3枠:14.3%/33.3%
- 4枠:9.4%/25.0%
- 5枠:15.6%/31.3%
- 6枠:12.9%/25.8%
- 7枠:9.6%/28.8%
- 8枠:8.3%/20.8%
極端な内外差は小さめながら、内〜中の配置がやや優勢
脚質傾向
脚質別の勝率/複勝率
- 逃げ:28.6%/57.1%
- 先行:10.6%/40.4%
- 差し:2.6%/16.2%
- 追込:0.0%/5.7%
先行>差し>追込の順で信頼性。
逃げは母数が少ない分ブレるものの、展開が噛み合えば粘り込みが出現。
馬場状態別
- 良:直線の瞬発力が物を言い、先行〜中団からの差し切りが好走の傾向
- 稍重:トップスピードの持続比重が上がり、前目の押し切りがやや増える傾向
- 重:スタミナ寄りの消耗戦になりやすく、位置を取れる馬に分がある傾向
- 不良:極端な上がり勝負になりにくく、先行有利の比重が高まる傾向
騎手
過去5年ベースでは、東京の長い直線で溜めて切れる脚を使わせるのが得意なジョッキーが安定。
ルメール、戸崎、田辺、横山武史などは人気馬での取りこぼしが少なく、当該条件でも信頼しやすいグループです。
血統(父/母父/父×母父)
父
- ハーツクライ:24.2%/51.6%
- ドゥラメンテ:20.7%/41.4%
- ルーラーシップ:16.7%/45.8%
- ディープインパクト:10.9%/30.4%
- ハービンジャー:9.4%/24.5%
- オルフェーヴル:9.7%/35.5%
- キズナ:8.6%/28.6%
- モーリス:5.6%/16.7%
瞬発と底力を両立できるサンデー系(ハーツ、ディープ)に加え、欧州スタミナ型(ハービンジャー、ルーラー)が堅実。
父×母父
サンデー系の父に対し、母父がミスプロ系(Kingmambo含む)や欧州ノーザンダンサー系の「瞬発+持続」を備える配合が噛み合いやすい。
馬場状態別(血統の傾向)
- 良:ディープ/ハーツ系など瞬発型が素直に走る傾向
- 稍重:ルーラーシップやハービンジャーなど欧州スタミナ型が好走の傾向
- 重:パワー寄りのロベルト影響や持続力型が浮上する傾向
- 不良:道悪巧者のパワー持続型(例:スクリーンヒーロー系、オルフェーヴルなど)が上向く傾向
調教師
関東の上位厩舎は輸送負担が少なく、人気馬の取りこぼしが少ない傾向。
関西の名門厩舎は重賞での遠征ピンポイント参戦で勝ち切る場面が目立ちます。
馬主
クラブ系(シルク、キャロット、サンデーなど)の供給量と質が安定。
ゴドルフィンやウインなどの陣営も、この距離で持続力型の適性を活かしやすい舞台。
調教師×馬主
ノーザン系クラブ×美浦上位厩舎の王道路線は堅実。
友道・池江など関西名門×クラブのスポット参戦は配当妙味が生まれやすい組み合わせ。
生産牧場
ノーザンF・社台Fの分母の厚さが安定感に直結。
少数精鋭の牧場(白老F、コスモヴューファーム等)は条件や展開が噛み合うと一発の妙味。
まとめ
- 枠:内〜中がやや良。ロスを抑えやすい配置を優先
- 展開:後傾で直線の瞬発力が最重要。スロー寄りなら前が残り、平均なら先行〜中団の差しが台頭
- 脚質:先行を軸に、中団差しが好走の傾向。極端な追い込みの過信は禁物
- 血統:良ならディープ/ハーツ/ドゥラメンテなど瞬発型。道悪はルーラー/ハービンジャー/ロベルト影響のパワー持続へシフト
- 騎手:府中の長距離で巧者のルメール・戸崎・田辺を素直に評価。人気馬の信頼度が高い