コース構造と特徴
京都ダート1800mはスタンド前発走で、最初のコーナー(1角)まで約300m。
2コーナーまで緩やかな上りを含み、向こう正面からは惰性が乗りやすい設計。
直線は約329mでダートとしては標準的、勾配は緩いもののコーナー出口の立ち上がりで加速に時間がかかります。
序盤のダッシュ力とコーナーワーク、L4(残り800m)からの息の長い加速が問われ、外々を回すとロスが大きくなりがちです。
砂は比較的締まりやすく、先行馬がしぶとく粘る舞台です。
ラップ傾向
ラップ傾向は前傾(速→持続)が基本です。
スタート直後からある程度流れて道中は極端に緩みにくく、3~4角でのロングスパート勝負になりやすいです。
好位~先行で無理なく運び、直線入口でスピードを落とさず押し切る形が王道です。
ペースが速くなり過ぎた年は差しが届きますが、追込一手は隊列次第で届き切らない場面が目立ちます。
タイム水準
- 良馬場の勝ち時計レンジ:1分49秒前後~1分51秒台前半
- 上がり最速の目安:36秒前後~36秒台後半
- 要求能力:テンのダッシュ力+コーナーで脚を使える持続力+直線での踏ん張り
時計は馬場含水と展開の影響が大きく、含水率が高い年は1分48秒台まで短縮。
乾いた馬場でハイラップになるとバテ比べの色合いが強まります。
枠順傾向
内~中枠やや良。
1角までの距離が極端に長くないため、外枠は序盤で脚を使いやすくロスが出やすいです。
偶数枠は発馬後に内へ収めやすく、先行・好位取りに向きます。
脚質
先行>差し>追込が基本です。
勝ち切りは好位~先行から4角で仕掛けて押し切るパターンが多いです。
差しは前半が流れて上がりが掛かった年に浮上。
追込は内が荒れて外差しが利く馬場やハイペースが条件です。
騎手
過去10年で複勝圏に入った主な騎手の傾向
- 川田将雅:スタートと位置取りが正確。4角での踏み直しが安定
- 松山弘平:テンのダッシュを活かしつつロングスパートに繋げるのが巧み
- 武豊:内でロスを抑え、直線入口まで我慢して伸ばす配分
- C.ルメール:砂を被ってもリズムを崩さず外へ出すタイミングが上手い
- 岩田望来:道中の溜めとコーナー加速の出し入れで上位進出
序盤で無理なく好位を確保し、3~4角で加速を途切れさせない運びが好成績に直結します。
前走のレース(レース名/距離/競馬場×距離)
シリウスS(ダ1900m・中京)、ブラジルC(ダ2100m・東京)、ラジオ日本賞(ダ1800m・中山)、エルムS(ダ1700m・札幌/函館)が主要ローテです。
OP特別のBSN賞(ダ1800m・新潟)、プロキオンSから距離延長(ダ1700m・小倉/中京)での臨戦も実績あり。
前走1800~2100mで上がり上位か、ハンデ戦で厳しい流れを経験しているタイプの信頼度が高いです。
人気別の傾向
人気別の傾向
- 1番人気:軸向き。先行できるタイプなら勝ち切りも多い
- 2番人気:安定して馬券圏。斤量利や枠順が噛み合えば勝ち負け
- 3番人気:妙味と安定のバランスが良い
- 4番人気:展開と内目の枠で優勝圏
- 5番人気:3着圏の入りが目立つ
- 6〜9番人気:ハイペース年や外差し馬場で食い込み
- 11番人気以下:波乱は限定的。馬場バイアスと発馬がハマれば一撃
血統(父/母父/父×母父)
過去10年で複勝圏に入った主な血統の傾向
- 父:ゴールドアリュール、カネヒキリ、シニスターミニスター、スマートファルコン、ヘニーヒューズ、パイロ、エスポワールシチー、ホッコータルマエ、ルーラーシップなど先行力と持続力を伝えるダート適性が中心
- 母父:フレンチデピュティ、アフリート、デピュティミニスター系、キングカメハメハ、ブライアンズタイム、クロフネ、ミスプロ系の底力補完が好相性
- 父×母父:米国型スピード×ミスプロ/デピュティミニスター系の持続配合が王道。含水率が高い年は米国スピード色、乾いた年はスタミナ・パワー強めの欧州的下地が有利
京都のダ1800mはスピード一辺倒よりも「先行力+L4からの持久力」が問われ、米国ダート血統の持続脚と日本ダートの機動力を両立した配合が噛み合います。
調教師
過去10年で複勝圏に入った主な調教師の傾向
- 矢作芳人:先行力を底上げしつつ最後まで脚を使わせる調整で好走多数
- 須貝尚介:行きっぷりを良くしてロングスパートに繋げる設計
- 音無秀孝:位置を取って粘り込むタイプの使い分けが上手い
- 藤原英昭:折り合い重視で直線の伸びを引き出す仕上げ
- 松永幹夫:タフな流れに対応する持久力強化で上位進出
馬主
過去10年で複勝圏に入った主な馬主の傾向
- ダノックス:先行力とスピードの高い素材で継続好走
- ノースヒルズ:パワー型配合でタフな流れに強い
- サンデーレーシング:中距離適性の地力馬を投入し上位常連
- キャロットファーム:米国型スピード補完配合で持続戦に対応
- ゴドルフィン:先行押し切り型のダート馬で存在感
調教師×馬主
過去10年で複勝圏に入った主な調教師×馬主の傾向
- 矢作芳人×ノースヒルズ:ハイラップ耐性の先行型で高打点
- 須貝尚介×サンデー/シルク:溜めを利かせてロングスパートへ繋ぐ好相性
- 音無秀孝×ダノックス:発馬と位置取り重視で勝ち負けに持ち込む
生産牧場
過去10年で複勝圏に入った主な生産牧場の傾向
- ノーザンファーム:勝ち星・連対とも比重が大きい
- 社台ファーム:先行力と底力の配合で上位進出
- ノースヒルズ:持続力強めの配合でタフな年に強み
- 白老ファーム・追分ファーム:中距離ダート適性の持続型で台頭
まとめ
- 枠:内~中枠やや良。外は序盤のロスを最小化できるかが鍵
- ラップ:前傾でL4からの持続加速が肝。道中で脚を使い切らない配分
- 脚質:先行・好位が軸。流れが速くなれば差しも射程
- 血統:米国型スピード×ミスプロ/デピュティミニスター系の持続配合が王道。乾いた年はパワー色を加点
- ローテ:シリウスS・ブラジルC・ラジオ日本賞・エルムS経由を重視
- 騎手:川田将雅、松山弘平、武豊、C.ルメール、岩田望来の先行~好位で脚を温存できるタイプが好成績
