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コース構造と特徴
スタート地点は向こう正面の2コーナー出口付近で、スタート直後はなだらかな上りを進みます。
京都芝1600m（外回り）は、向こう正面から3コーナーまで比較的長い助走があり、3〜4コーナーはカーブのきつくない大回りコースです。
4コーナーから直線にかけては緩やかな下りを経て、最後の直線約404mはゴール前でわずかに上り勾配という下り→平坦〜緩い上りのプロファイルになります。
テンで極端に飛ばし過ぎず、向こう正面〜3コーナーでのポジション取りと、直線入口でスムーズに加速していく持続的な末脚が問われるコースです。
隊列はばらけやすく、内でロスを抑えた先行勢と、外から長く脚を使える差し勢の力関係が中山などと比べるとフラット寄りになります。
ラップ傾向
ラップ傾向は前傾（速→持続）が基本です。
過去10年（京都芝1600mで行われた年）のラップを見ると、前半3Fは34秒台前後で流れるケースが多く、向こう正面〜3コーナーで大きく緩まず、そのままゴールまでジワジワと脚を使い続ける展開になりやすいです。
向こう正面でポジションを確保し、3〜4コーナーでスムーズにペースに乗せていき、直線半ばまで長く脚を使う先行〜好位勢の押し切り型が王道です。
ペースが極端に速くなった年や、馬場の内側が荒れて外差し有利になった年は中団からの差しが台頭しますが、最後方近くからの一気の追込は届き切れないケースが多くなっています。
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タイム水準
- 良馬場の勝ち時計レンジ：1分32秒台後半〜1分34秒台後半
- 上がり最速の目安：33秒台後半〜34秒台中盤
- 要求能力：平均より速い流れにも対応できる先行力＋3〜4コーナーでの持続的な加速力＋直線で落とさないスピード持続力
冬場の開催ということもあり、時計は超高速というほどではありませんが、馬場状態が良ければ1分33秒台前後の決着が標準です。
馬場が傷んだ年や雨の影響があった年は1分34秒台後半まで時計が掛かり、スタミナとパワーを兼ね備えたタイプが浮上します。
枠順傾向
過去10年（京都芝1600mで施行された京都金杯）では、1〜4枠の内目の枠がやや優勢です。
1〜4枠全体の複勝率はおよそ20％強、5〜8枠は20％弱で、内目がわずかにリードしています。
特に1枠・2枠はそれぞれ複勝率が25％前後と高く、スタート後に内ラチ沿いでロスなく立ち回れる馬が好結果を出しやすい傾向があります。
一方で、7・8枠など外枠からでも差し脚を生かして好走したケースもあり、極端に外が不利というより「前に行けるかどうか」「道中どれだけ外を回されるか」がポイントになります。
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脚質
先行＞差し＞追込が基本です。
京都開催のみを対象にした集計では、逃げ・先行グループの複勝率が約30％弱、差し・追込グループは約15％前後と、前で運ぶ組の方が好成績です。
勝ち馬ベースでは、4コーナーで4番手以内にいた先行〜好位勢が多数を占めており、中団からの差しは届く年と届かない年の波が大きくなっています。
追込一手のタイプは、ペースがよほど速くなった年や、外差しが極端に決まる馬場でない限りは信頼度が下がります。
騎手
過去10年で複勝圏に入った主な騎手の傾向
- 武豊：勝ち鞍2回を含め複数回馬券内。先行〜好位から折り合いを付けてロスなく運ぶ騎乗で、勝率10％台前半・複勝率30％前後
- 川田将雅：パクスアメリカーナなどで勝利。位置取りの安定感が高く、勝率・複勝率ともに上位グループ
- 松山弘平：サウンドキアラで勝利。先行馬の粘りを引き出すタイプで、複勝率20％前後の好成績
- C.デムーロ：差し・先行どちらにも対応でき、馬券圏内率が高い騎手の一人
- 浜中俊・岩田望来など京都マイルで実績のある騎手も複数回馬券内に入っており、先行〜好位で運ぶタイプとのコンビで好走例が目立ちます。
総じて、京都芝1600m外回りでの騎乗経験が豊富で、ペース認識とポジション取りに優れた騎手が結果を残しやすいレースです。
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前走のレース（レース名／距離／競馬場×距離）
過去10年の3着以内馬の前走をみると、以下のレースからの臨戦が目立ちます。
- マイルチャンピオンシップ（芝1600m・京都／阪神）：G1からの格下げ戦で、上位入線馬のみならず中団から脚を使った馬の巻き返しもあります。
- リゲルS（芝1600m・阪神）：オープン特別ながら京都金杯と条件が近く、勝ち馬・好走馬の好走例が多いローテです。
- 関屋記念（芝1600m・新潟）・富士S（芝1600m・東京）：夏〜秋のマイル重賞からの直行、あるいは一叩きしてからの参戦で複数の好走例があります。
- キャピタルS／元町S／清水Sなどの芝1600〜1800m戦：東京・阪神・京都のリステッド／3勝クラスからのステップで、前走勝ちか僅差好走馬の成績が良好です。
- 阪神C（芝1400m・阪神）／ターコイズS（芝1600m・中山）／チャレンジC（芝1800m・阪神）：距離前後の別路線からの臨戦も一定数馬券になっています。
前走からマイル戦を使われている馬が大半を占めますが、1800mや2000mからの距離短縮で末脚が生きたパターンもあり、前走で重賞・オープンで相手なりに走れていたかが重要なチェックポイントです。
人気別の傾向
人気別の傾向
- 1番人気：勝率30%・複勝率60%
- 2番人気：勝率0%・複勝率20%
- 3番人気：勝率30%・複勝率50%
- 4番人気：勝率10%・複勝率20%
- 5番人気：勝率10%・複勝率40%
- 6〜9番人気：勝率約5%・複勝率約18%
- 11番人気以下：勝率0%・複勝率約4%
1番人気と3番人気の成績が良く、上位人気の中でもこの2つのゾーンが軸として信頼しやすいレンジです。
一方で、2番人気は勝ち切れないケースが多く、相手候補として扱うパターンが目立ちます。
中穴ゾーンの6〜9番人気からの好走も一定数あり、ペースや馬場次第で波乱要素も内包したレースです。
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血統（父／母父／父×母父）
過去10年で複勝圏に入った主な血統の傾向
- 父：ディープインパクト、ダイワメジャー、ハーツクライ、ステイゴールド、キングカメハメハ系、ロードカナロアなど、切れと持続力のバランスに優れた中距離〜マイル型種牡馬が中心
- 母父：トニービン、サンデーサイレンス、フレンチデピュティ、フジキセキ、Storm Cat系など、底力と瞬発力を補う血が好走例に多く見られます。
- 父×母父：サンデーサイレンス系×ノーザンダンサー系、サンデー系×ミスタープロスペクター系の配合が王道です。瞬発力寄りの配合に、母系でパワー・持続力を補ったタイプが安定した成績を残しています。
マイル戦らしく、純粋なスプリント血統よりも、1800m前後にも対応できる中距離マイラー型の配合が好走しやすいレースです。
時計が掛かる年は、ステイゴールド系や欧州型ノーザンダンサー色の強い配合が浮上するケースもあります。
調教師
過去10年で複勝圏に入った主な調教師の傾向
- 中内田充正厩舎：パクスアメリカーナなどで好走。マイル適性の高い馬を仕上げてくるケースが多く、勝ち星・複勝圏入りともに上位グループ
- 高橋義忠・高橋亮・高橋康之厩舎など、関西のマイル戦で実績のある厩舎が複数回馬券圏内に入っています。
- 池江泰寿・友道康夫といった中距離重賞常連厩舎も、京都金杯に適性のあるマイラーを送り込んで好走例があります。
総じて、京都外回りコースへの適性と、仕上げの早さに定評のある関西所属厩舎が目立つレースです。
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馬主
過去10年で複勝圏に入った主な馬主の傾向
- サンデーレーシング：ディープインパクトやハーツクライ産駒など、マイル〜中距離の良血馬を投入し、複数回の好走があります。
- キャロットファーム：中距離マイラー型の配合で、先行力と末脚のバランスに優れたタイプが好走しています。
- シルクレーシング：速い上がりを使えるタイプを複数送り込み、馬券圏内の常連となっています。
- ウイン・ラフィアン・ダノックスなど、積極的に重賞マイル路線へ参戦する個人馬主の好走も目立ちます。
調教師×馬主
過去10年で複勝圏に入った主な調教師×馬主の傾向
- 中内田充正×サンデーレーシング／キャロットファーム：良血マイラーをきっちり仕上げてくるコンビで、勝ち切り・好走例ともに存在感があります。
- 高橋康之×サンデーレーシング・シルクレーシング：先行力のある牝馬マイラーで好走したケースがあり、京都金杯との相性も良好です。
- 友道康夫×キャロットファーム・池江泰寿×シルクレーシングなど、重賞常連の厩舎とクラブ馬主の組み合わせも複数回馬券になっています。
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生産牧場
過去10年で複勝圏に入った主な生産牧場の傾向
- ノーザンファーム：ディープインパクト系を中心に、中距離マイラー型の配合で上位を安定しており、勝ち馬・好走馬ともに多数を占めます。
- 社台ファーム：パワーと持続力を備えた配合で、時計の掛かる年に好走するケースが多い牧場です。
- 追分ファーム・白老ファーム・ビッグレッドファームなど、マイル重賞への適性が高い生産牧場からの好走例も見られます。
まとめ
- 枠：1〜4枠の内目がやや優勢。特に1枠・2枠は複勝率25％前後で、ロスの少ない立ち回りがしやすい配置です。
- ラップ：前傾で向こう正面からの持続ラップになりやすく、3〜4コーナーで脚を温存しつつ長く脚を使えるタイプが合います。
- 脚質：先行・好位が軸で、逃げ・先行グループの複勝率は差し・追込の約2倍。中団差しはペースと馬場次第で狙い目になります。
- 血統：ディープインパクト、ダイワメジャー、ハーツクライ、ステイゴールド、キングカメハメハ系など、中距離マイラー型の血統が王道です。
- ローテ：マイルCS・リゲルS・関屋記念・キャピタルS・阪神Cなど、芝1600m前後の重賞・オープンからの臨戦が中心で、前走で一定のパフォーマンスを見せている馬が狙い目です。
- 騎手：武豊、川田将雅、松山弘平、C.デムーロ、浜中俊、岩田望来といった、京都芝1600mで実績のある騎手の先行・好位策が要点になります。
