主な開催重賞
- 中山記念(G2)
- スプリングステークス(G2)
- フラワーカップ(G3)
- ディセンバーS(L)
中山芝1800mは内回りの中距離で、持久力と機動力のバランスが問われる舞台です。
G2・G3の質量が揃い、条件戦でもメンバーの地力差が結果に直結しやすいコースです。
コース構造と特徴
右回り・内回りの2ターン。
スタンド前の中ほどから発走し、すぐに中山名物の急坂を上ってから1コーナーへ(初角まで約200m)。
1〜2コーナーも上り基調、向こう正面は下り、3〜4コーナーは半径がタイトで、最後の直線は約310mと短くゴール前に再び急坂が立ちはだかります。
上り下りを2度こなすコースゆえ、瞬発力一発より早め進出〜持続力の総合力が重要です。
※コース仕様参考:直線約310m・高低差5.3m、芝1800mはスタンド前から発走し初角まで約200mで急坂を2度越える内回り。
開催進行と仮柵
芝はA→B→Cの仮柵替えで内側の傷みをローテーション管理。
A前半は内ラチ沿いが新鮮で内先行がやや優位。
B〜C期は内の傷みが進む開催だと中〜外の進路が伸びやすく、差しの好走の傾向が上がります。
週替わりで内外のバイアスが動きやすいので、当日の馬場傾向(内外の通り道・含水)を必ず確認しましょう。
展開ラップ傾向
初角まで短く上り坂のため序盤は無理をしにくく、全体としてはスロー〜ミドルが基本。
向こう正面の下りから徐々に加速し、4角での捲り合い〜ロングスパートで上がりがかかる形が多いです。
目安は前半1000m60.5〜61.8、上がり3F35.2〜36.2。
瞬発力勝負になり過ぎない分、番手〜3列目からの持続脚が勝ち筋です。
タイム水準(良馬場)
- 新馬:1:51.0前後
- 未勝利:1:49.5前後
- 1勝クラス:1:48.2〜1:47.6
- 2勝〜3勝クラス:1:48.0〜1:47.0
- オープン〜重賞:1:47.5〜1:46.3(中山記念は1:46台が基準)
- 全体平均(過去5年):1:48.8前後
稍重〜不良では+0.8〜2.0秒程度の時計を要しやすく、先行の粘りとパワーの裏付けが重要になります。
枠順傾向
枠順別の勝率/複勝率
- 1枠:9.8%/27.8%
- 2枠:9.4%/27.2%
- 3枠:8.9%/26.4%
- 4枠:8.3%/25.0%
- 5枠:7.9%/23.8%
- 6枠:7.1%/22.4%
- 7枠:6.6%/21.0%
- 8枠:6.1%/19.6%
内〜中枠がやや良。
初角までが短く上り坂で加速しづらい構造のため、内でロスなく運べることが大きな利点です。
外枠は出脚と隊列次第で妙味もありますが、無理なく好位を取れるかがカギです。
脚質傾向
脚質別の勝率/複勝率
- 逃げ:15.4%/40.8%
- 先行:12.8%/36.9%
- 差し:7.9%/24.1%
- 追込:3.5%/11.8%
先行>差し>追込が基本。
直線が短く坂で再加速が必要なため、番手〜3列目の持続力が勝ち筋です。
追込一辺倒の過信はNG。
馬場状態別(脚質)
- 良:逃げ14.8%/39.5%・先行12.4%/36.1%・差し7.7%/23.6%・追込3.2%/11.0%
- 稍重:逃げ16.6%/42.0%・先行13.3%/37.5%・差し8.1%/24.2%・追込3.6%/11.5%
- 重:逃げ17.8%/44.2%・先行13.8%/38.8%・差し8.0%/24.0%・追込3.8%/12.0%
- 不良:逃げ18.5%/45.5%・先行14.2%/39.5%・差し8.2%/24.5%・追込4.1%/12.6%
水分を含むほど前半が落ち着きやすく、先行勢の粘り込みが増える傾向です。
良馬場では差しが効くケースも増えます。
騎手
騎手別の勝率/複勝率
- C.ルメール:17.9%/45.2%
- 横山武史:13.8%/36.8%
- 戸崎圭太:13.5%/35.9%
- 田辺裕信:11.8%/32.1%
- M.デムーロ:11.2%/30.4%
ペース配分と4角の仕掛けどころに長けた騎手が信頼。
人気馬の取りこぼしが少ないルメール・戸崎は軸評価で問題ありません。
血統(父/母父/父×母父)
父
種牡馬別の勝率/複勝率
- ディープインパクト:12.8%/34.5%
- ハーツクライ:11.9%/32.8%
- ハービンジャー:11.2%/31.0%
- エピファネイア:11.6%/32.5%
- キタサンブラック:12.3%/33.8%
- オルフェーヴル:10.7%/29.6%
- ゴールドシップ:10.2%/29.1%
- ルーラーシップ:10.5%/29.3%
- ロードカナロア:9.8%/27.6%
瞬発×持続の総合力に加え、坂とタイトなコーナーに耐えるパワーと機動力が重要。
ディープ・ハーツなどの瞬発寄りでも内で脚を溜められる形が好相性で、キタサン・オルフェ・ゴルシなどのパワー持続型は馬場が渋ると数値を伸ばします。
母父
母父の勝率/複勝率
- キングカメハメハ:10.9%/30.2%
- シンボリクリスエス:10.6%/29.5%
- ダイワメジャー:10.3%/28.8%
- フレンチデピュティ:9.9%/28.1%
- サンデーサイレンス:11.0%/30.1%
母父にミスプロ系やロベルト系のパワー血脈が入ると、坂とコーナーでの踏ん張りが利きやすく、直線の持続力が安定します。
父×母父
父×母父の勝率/複勝率
- ディープインパクト×Storm Cat:15.8%/41.5%
- ハービンジャー×サンデーサイレンス:13.9%/38.0%
- エピファネイア×サンデーサイレンス:14.2%/38.7%
- キタサンブラック×キングカメハメハ:13.3%/36.1%
- オルフェーヴル×サンデーサイレンス:12.8%/34.2%
馬場状態別(父)
- 良:ディープインパクト12.9%/34.8%・ハーツクライ11.9%/32.9%・ハービンジャー11.2%/31.3%
- 稍重:キタサンブラック13.1%/35.5%・オルフェーヴル11.4%/31.5%・エピファネイア12.0%/33.2%
- 重:キタサンブラック14.5%/37.8%・ゴールドシップ13.8%/36.2%・オルフェーヴル12.6%/33.9%
- 不良:ゴールドシップ15.2%/39.0%・キタサンブラック15.0%/38.2%・オルフェーヴル13.8%/36.8%
道悪ではパワー持続型(キタサン・ゴルシ・オルフェ)の優位性が増します。
良馬場は内で脚を溜めて直線まで脚を温存できる瞬発寄りの血統が機能しやすいです。
調教師
調教師別の勝率/複勝率
- 木村哲也:12.8%/34.8%
- 国枝栄:12.2%/33.5%
- 手塚貴久:11.6%/31.2%
- 田中博康:11.2%/30.5%
- 萩原清:11.0%/30.1%
内でロスなく運ぶ戦術と仕上げの精度が高い美浦上位厩舎が安定。
差しに寄せ過ぎず「好位差し」へ寄せる乗り方と調整が合致した陣営に分があります。
馬主
馬主別の勝率/複勝率
- シルクレーシング:13.8%/34.2%
- キャロットファーム:12.9%/32.8%
- サンデーレーシング:13.1%/33.1%
- 東京ホースレーシング:12.4%/31.7%
- G1レーシング:11.6%/30.1%
- ゴドルフィン:12.0%/30.5%
ノーザン系クラブを中心に中距離適性の高い良血投入が多く、安定感のある成績。
道悪やタフ馬場ではゴドルフィンの欧州・パワー寄り配合が浮上するケースも見られます。
調教師×馬主
ノーザン系クラブ×美浦上位厩舎は王道の勝ち筋。
シルク/キャロット×木村・国枝・手塚は持続力勝負に強く、位置取りの柔軟性で好走の傾向が強い組み合わせです。
ゴドルフィン×木村/萩原のパワー配合も渋った馬場で数値が上がります。
生産牧場
生産牧場別の勝率/複勝率
- ノーザンファーム:11.6%/31.5%
- 社台ファーム:10.2%/28.5%
- 追分ファーム:10.4%/28.9%
- 白老ファーム:10.1%/28.1%
- ビッグレッドファーム:9.6%/26.0%
- 下河辺牧場:10.0%/27.2%
タフ馬場・開催後半は、ビッグレッドなどパワー型の生産牧場が相対的に浮上しやすい傾向です。
まとめ
- 枠:内〜中やや良。道中のロスを抑えられる配置がプラスで、外は発馬と隊列が噛み合えば妙味
- 開催と芝:仮柵替えで内外のバイアスが変動。A期は内先行、C期は中〜外の伸びと差しの好走の傾向が上がる
- ラップ:スロー〜ミドルで先行の持続力最重要。直線は短く坂で再加速が必要、追込一辺倒の過信はNG
- 脚質:先行を軸に、差しは開催後半や外伸び馬場で好走の傾向。逃げは展開利で粘り込み
- 血統:瞬発×持続+パワーが王道。道悪ならキタサンブラック/ゴールドシップ/オルフェーヴルの優位性がさらに増す
- 騎手:中山巧者のルメール・横山武史・戸崎・田辺・M.デムーロを素直に評価。4角の仕掛け精度と配分が鍵