主な開催重賞
- スワンステークス(G2)
- 京都牝馬ステークス(G3)
- ファンタジーステークス(G3)
本記事は京都芝1400m・外回りの傾向に特化した内容です。
同じ京都の内回り1400mとは直線長とコーナー半径が異なり、求められる適性や脚質傾向が変わります。
コース構造と特徴
右回り・外回り。
2コーナー奥のポケットに近い地点から発走し、3コーナーまでおよそ約600mの直線を確保。
3〜4コーナーはカーブが緩くスピードを落としにくい。
直線は約404mで、緩い下りから平坦へ移るため長く良い脚を使う持続力とトップスピードの質が問われます。
内回りよりも差しの届く余地が増え、スプリンター寄りのマイラーに適性が向きます。
開催進行と仮柵
京都芝はA→B→C→Dと仮柵を順次外へ移動して芝の傷みを分散します。
A・B序盤は内ラチ沿いの芝がフレッシュで内先行がやや優勢。
C・D期は内の傷みやすさと外の伸びが進み、差し・外枠の好走の傾向が相対的に上がります。
散水や含水率の影響で内外の伸びが日替わりになりやすく、当日のパトロール映像と直前の芝レースの傾向確認が重要です。
展開ラップ傾向
平均〜やや前傾で中盤に緩み→ロングスパートが基本。
前半3F34.0〜34.6、上がり3F33.8〜34.5が目安。
向正面で流れて3〜4角でやや息が入り、直線入口からの持続力勝負になりやすい。
雨で含水率が上がると前半さらに短縮し、先行勢の粘りが強化されます。
タイム水準(良馬場)
- 新馬・未勝利:1:23.5〜1:22.5
- 1勝クラス:1:21.8〜1:21.0
- 2勝〜3勝クラス:1:21.0〜1:20.2
- オープン〜重賞:1:19.8〜1:19.2
- 全体平均(過去5年):1:21.5前後
稍重〜不良では0.6〜1.2秒前後の短縮が入りやすく、テンの短縮幅が大きくなります。
先行馬の押し切りが増加します。
枠順傾向
枠順別の勝率/複勝率
- 1枠:9.0%/25.0%
- 2枠:9.2%/25.4%
- 3枠:9.0%/25.0%
- 4枠:8.8%/24.5%
- 5枠:8.5%/23.8%
- 6枠:8.1%/22.8%
- 7枠:7.6%/21.6%
- 8枠:7.2%/20.8%
内〜中枠がやや良。
長い向正面で進路を確保しやすく、コーナー入口でのロスを抑えやすい。
外枠は発馬と展開が噛み合えば妙味も、終始外々でロスが嵩むと厳しくなります。
脚質傾向
脚質別の勝率/複勝率
- 逃げ:14.2%/40.5%
- 先行:12.6%/34.8%
- 差し:9.5%/26.8%
- 追込:5.2%/15.4%
先行≧差し>追込が基本。
直線が長くトップスピードの質が問われるため、差しの好走の傾向は内回りより上昇。
ただし追込一辺倒の過信はNGで、番手〜3列目で長く脚を使えるタイプが勝ち筋です。
馬場状態別(脚質)
- 良:逃げ14.0%/39.0%・先行12.0%/34.0%・差し9.6%/27.0%・追込5.0%/15.0%
- 稍重:逃げ15.2%/41.0%・先行13.0%/35.5%・差し9.2%/25.0%・追込5.0%/14.5%
- 重:逃げ16.2%/42.5%・先行13.5%/36.2%・差し8.6%/24.0%・追込4.8%/14.0%
- 不良:逃げ17.0%/44.0%・先行14.0%/36.8%・差し8.2%/23.5%・追込4.6%/13.8%
含水率が高いほど先行勢の粘り込みが強化。
良馬場では差しの好走の傾向がやや上がります。
騎手
騎手別の勝率/複勝率
- 川田将雅:18.2%/44.0%
- C.ルメール:16.5%/42.8%
- 松山弘平:14.0%/36.6%
- 坂井瑠星:12.8%/33.8%
- 武豊:11.2%/30.5%
向正面での位置取りとスムーズな加速タイミングが取れる騎手が好成績。
人気馬の取りこぼしが少ない川田・ルメールは軸評価で問題ありません。
積極策が取れる松山・坂井、コース理解の深い武豊も信頼度が高いです。
血統(父/母父/父×母父)
父
種牡馬別の勝率/複勝率
- ロードカナロア:13.5%/35.0%
- ダイワメジャー:12.8%/33.5%
- ミッキーアイル:12.4%/33.0%
- キンシャサノキセキ:10.8%/29.2%
- モーリス:10.4%/28.6%
- ディープインパクト:10.2%/28.0%
スプリント〜マイルのスピード源×持続力が王道。
長い直線でのトップスピードの質と、3〜4角でスピードを落とさないコーナリング性能が当コースの好走の傾向に直結します。
母父
母父の勝率/複勝率
- キングカメハメハ:10.8%/29.8%
- フレンチデピュティ:11.2%/30.2%
- Storm Cat:10.6%/29.0%
- サクラバクシンオー:10.5%/28.8%
- アグネスタキオン:9.8%/27.6%
父がスピード型の場合、母父にミスプロ系やパワー型サンデー、Storm Catなどを配すと加速と持続のバランスが向上。
直線でのトップスピード維持に繋がります。
父×母父
父×母父の勝率/複勝率
- ロードカナロア×サンデーサイレンス系:16.0%/41.0%
- ダイワメジャー×Kingmambo系:15.2%/39.2%
- ミッキーアイル×フレンチデピュティ:14.5%/38.0%
- キンシャサノキセキ×クロフネ:13.2%/34.6%
- モーリス×Storm Cat:12.8%/33.5%
馬場状態別(父)
- 良:ロードカナロア13.6%/35.2%・ダイワメジャー12.6%/33.2%・ミッキーアイル12.2%/32.8%
- 稍重:ダイワメジャー13.5%/36.0%・キンシャサノキセキ12.8%/34.8%・モーリス11.2%/30.0%
- 重:ダイワメジャー14.8%/37.2%・キンシャサノキセキ13.8%/35.8%・ロードカナロア12.5%/33.2%
- 不良:キンシャサノキセキ15.2%/38.8%・ダイワメジャー15.0%/38.0%・モーリス12.8%/33.8%
道悪ではパワーと先行力に優れるダイワメジャー/キンシャサノキセキ系の優位性が増します。
良馬場はロードカナロア/ミッキーアイルなど瞬発とスピードの両立型が強い傾向です。
調教師
調教師別の勝率/複勝率
- 中内田充正:14.0%/36.5%
- 高野友和:12.6%/33.0%
- 斉藤崇史:12.0%/31.5%
- 友道康夫:11.0%/29.6%
- 池添学:10.8%/29.0%
短距離〜マイル路線の番組選択と仕上げ精度が高い関西上位厩舎が堅実。
先行作に寄せる戦略が取りやすい陣営ほど安定します。
馬主
馬主別の勝率/複勝率
- サンデーレーシング:13.6%/32.8%
- キャロットファーム:12.8%/31.5%
- シルクレーシング:12.6%/31.2%
- ロードホースクラブ:12.2%/30.6%
- G1レーシング:11.0%/28.6%
- 社台レースホース:10.4%/27.8%
クラブ勢の分母と快速血統の投入で勝ち上がりがスムーズ。
ロードHCはキンシャサ・ミッキーアイル等の適性血統比率が高く、時計短縮時に強みを見せます。
調教師×馬主
ノーザン系クラブ×関西上位厩舎が王道の勝ち筋。
サンデー/キャロット×中内田・高野・斉藤崇は先行策と番組選択が噛み合い好走の傾向が強い。
ロードHC×関西厩舎(例:池添学・辻野泰之など)のスプリント寄り配合も外回りで信頼できます。
生産牧場
生産牧場別の勝率/複勝率
- ノーザンファーム:12.0%/31.0%
- 社台ファーム:10.0%/27.0%
- ケイアイファーム:12.8%/32.0%
- 三嶋牧場:11.0%/29.0%
- 下河辺牧場:10.6%/28.2%
- 白老ファーム:10.2%/27.5%
ケイアイFや三嶋牧場などスピード色の強い牧場は外回りの持続力勝負で結果を出しやすいです。
まとめ
- 枠:内〜中やや良。道中のロスを抑えられる配置がプラスで、外は展開と発馬が噛み合えば妙味
- 開催と芝:仮柵の移動で内外のバイアスが変化。A・Bは内先行、C・Dは外差しの好走の傾向がやや増すが、基本は立ち回りと直線の持続力が鍵
- ラップ:平均〜やや前傾からのロングスパートで先行の持続力とトップスピードの質が最重要。追込一辺倒の過信はNG
- 脚質:先行を軸に、差しは直線の長さを活かせば好走の傾向。逃げは馬場と展開利で一変
- 血統:ロードカナロア/ダイワメジャー/ミッキーアイル/キンシャサノキセキなどスピード×持続が王道。道悪ならダイワメジャー/キンシャサノキセキの優位性が増す
- 騎手:位置取りと配分巧者の川田・ルメール・松山・坂井・武豊を素直に評価。人気馬の信頼度が高い